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若年層を巻き込むファンドレイジング戦略を考える

日本の寄付市場において、40代以上の寄付者が大半を占める一方で、若年層の寄付者が不足している現状がありますが、閉塞感のある寄付マーケットにおいて若い層にアプローチし、共感を得ることは今後の課題先進国でもある日本にとって非常に重要です。
今回は、20〜30代向けのファンドレイジング戦略について考察してみたいと思います。


若年層の寄付市場の現状

現状の分析

現在、日本の寄付市場は40代以上の寄付者が中心となっており、若年層の寄付者はごく少数だと言われています。
寄付白書(日本ファンドレイジング協会)によると、20〜30代の寄付者は全体の約10%程度にとどまっています。

課題の認識

若年層が寄付に積極的でない理由として、経済的余裕の不足や寄付に対する信頼感の欠如が挙げられますが、現代の20〜30代、特にミレニアル世代とZ世代は、社会問題に対する関心が高く、デジタルネイティブとしてSNSを活用した情報発信や共有を行う傾向があると言われています。

では、彼らの行動喚起を促すファンドレイジング戦略を考える際のポイントについて考えてみましょう。

若年層の思想の傾向

  1. 社会的意識の高さ:環境問題、ジェンダー平等、人権問題などに対する関心が高い。

  2. 個人の価値観重視:自分の価値観に合った行動を重視し、透明性や信頼性を求める。

  3. デジタルネイティブ:SNSやデジタルメディアを通じた情報収集や発信が日常的。

  4. 体験重視:物質的なものよりも体験や経験を重視する傾向がある。

社会への向き合い方

  1. アクティビズム:オンラインでもオフラインでも積極的に社会問題に取り組む。

  2. コミュニティ重視:自分と同じ価値観を持つコミュニティとのつながりを大切にする。

  3. 共感重視:感情に訴えるストーリーや実体験に共感しやすい。

生活の不安や未来展望

  1. 経済的不安:長引く不況や非正規雇用の増加により、経済的な不安が強い。

  2. 環境への懸念:気候変動や環境問題に対する危機感が強い。

  3. 自己実現欲求:自分の価値観に合った生き方やキャリアを追求する意識が強い。

こうした前提を踏まえ、SNSや広告などを活用した戦略についてはどのようなものが考えられるでしょうか。


行動喚起のメッセージング具体例

メッセージ例1: 「あなたの小さな一歩が世界を変える」

  • 狙い:寄付のハードルを下げ、小さな行動が大きな変化を生むことを強調する。

  • 広告の内容:短い動画やインフォグラフィックを使用し、具体的な成果(例:5ドルの寄付で1人の少女が教育を受けられるなど)をビジュアル化。

メッセージ例2: 「今、助けを必要としている人がいます」

  • 狙い:緊急性と具体性を訴え、即時の行動を促す。

  • 広告の内容:ストーリー形式の動画や投稿で、特定の個人やコミュニティの現在の状況を紹介し、寄付の必要性を強調する。

メッセージ例3: 「あなたの支援が新しい未来を創る」

  • 狙い:ポジティブな未来を描き、希望を感じさせる。

  • 広告の内容:成功事例やプロジェクトの進捗を紹介し、寄付によってどのような変化がもたらされるかを具体的に示す。

メッセージ例4: 「一緒に戦おう」

  • 狙い:共闘の意識を高め、問題に対する連帯感を強調する。

  • 広告の内容:SNSキャンペーンやハッシュタグを活用し、寄付者自身がキャンペーンの一員であることを感じさせる。

メッセージ例5: 「あなたの声が力になる」

  • 狙い:寄付者の声や行動が変革の一部であることを訴える。

  • 広告の内容:SNSでのシェアやコメントを促す投稿を行い、寄付者の意見や経験を共有する場を提供する。


こうした前提とメッセージングをどのように具体的に実践に落とし込むか

ステップ1: 調査と分析

  • 対象層の理解:若年層の価値観や行動パターンを深く理解するための調査を行う。

  • データの活用:定量データを用いて、若年層の寄付傾向や関心分野を分析する。

ステップ2: メッセージの設計

  • 共感を呼ぶストーリー:具体的な事例や成功体験を基に、共感を呼ぶストーリーを設計する。

  • ビジュアルコンテンツの作成:若年層に訴求力のあるビジュアルコンテンツを制作する。

ステップ3: デジタルメディアの活用

  • SNSキャンペーン:Instagram、Twitter、TikTokなどでキャンペーンを展開し、ハッシュタグを活用する。

  • インフルエンサーとの協力:影響力のあるインフルエンサーと連携し、広範なリーチを実現する。

ステップ4: 継続的なコミュニケーション

  • フォローアップ:寄付後のフォローアップやプロジェクトの進捗報告を定期的に行う。

  • コミュニティの構築:寄付者同士が交流できるオンラインコミュニティを構築し、連帯感を高める。

ステップ5: 効果の測定と改善

  • データ分析:キャンペーンの成果を定量的に測定し、改善点を特定する。

  • フィードバックの収集:寄付者からのフィードバックを収集し、次回のキャンペーンに反映させる。

注意点

若年層向けのファンドレイジングでは、過度な押し付けや誇大広告を避け、透明性と信頼性を重視する。また、継続的なコミュニケーションが鍵となる。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は高齢化する寄付市場に対し、いかに若年層の共感を得て、行動変容を促すか。についてSNSや広告戦略という観点で考えてみました。

もし皆様の団体の中でもこうしたお悩みをお持ちでしたらぜひお気軽にお問い合わせください!お話しできることを楽しみにしています!

それでは、また。

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