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【強烈なメッセージ】ACジャパンさんの広告から学ぶ!ストーリーテリング

みなさん。こんにちは。
長かった猛暑も終わり、だんだんと朝晩が冷え込むようになってきました。
世界は紛争に震災と悲しい報道も多く、つい秋の風吹く夜に飲み込まれそうになってしまいます。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

今日はACジャパンさんで配信された2023年の広告キャンペーンの中から、全国で行われた広告をご紹介しつつ、秀逸にデザインされたワーディングと展開から、どれだけのことが学べるのか!?といった点でお送りしたいと思います。

弊社DO DASH JAPANは広告動画を活用したファンドレイジング支援を生業としていますので、少しでも何かを吸収できないか?といった観点で、ACジャパンさんの広告を見ています。

 ACジャパンを知らない方へ

ACジャパンは、日本経済が著しく発展した1971年に発足。日本が経済的に豊かになる一方で、公共マナーの悪化や人間関係の希薄化、環境汚染といった社会問題が増加することを危惧していた、当時のサントリー社長・佐治敬三氏によって提唱されました。CMを通じて、より良い社会になるようなメッセージを訴えかけていくことを基本理念としています。

https://www.homemate-research-tv-station.com/useful/12338_facil_041/

ACジャパンの主な活動は、テレビにおける公共CMの制作と放送。広告の持つ強力なメッセージ性を活かして、毎年20種類以上の広告を制作しており、"ご当地CM"化されているCMもあります。さらに、通常はテレビCMを流さないNHKにおいても、ACジャパンのCMが放送された実績があります。またACジャパンでは、テレビCMだけでなく、新聞などの紙媒体にも広告を掲出しています。

https://www.homemate-research-tv-station.com/useful/12338_facil_041/

白紙の未来

近い将来、AIやロボットによって働き方は大きく変わると言われ、それが現実になろうとしています。子どもたちが大人になるとき、どんな時代になっているでしょう。不安もありますが、未知は可能性ともとらえられます。必要なのは、新しい価値観、日々変化する世界と正面から向き合っていく寛容さ。子どもたちを支え、ともに歩んでいく社会を目指して制作されました。
尚、この作品では、手話を第一言語とされている方、文字情報の方が馴染みがある方など、様々な聴覚障害者への情報保障として、手話と字幕の両方を入れる取り組みをしています。
●テーマ:不寛容な時代~誰もが生きやすく、希望が持てる社会へ~
●広告会社:新東通信
●掲載メディア:テレビ/ラジオ/新聞/雑誌 他

https://www.ad-c.or.jp/campaign/self_all/self_all_01.html

実際の広告はACジャパンさんのページからご覧いただけます。

スクリプト

♪~
女の子:わたしの将来の夢は…

子どもたちの声:スポーツ選手 ユーチューバー 保育士
医師 ゲームクリエイター パティシエ 作家
芸能人 プログラマー…

ナレーション:今ある、様々な仕事。
近い将来、そのおよそ49%を
AIやロボットが担えるようになる、
という予測がある。 
まだ見ぬ仕事や働き方が生まれていく、
白紙の未来。
子どもたちが、
自分らしい道を一歩ずつ切り拓いていけるように。 子どもたちと向き合い、
ともに歩んでいく社会へ。

女の子:わたしの将来の夢は…

女の子が霧(雲?)の中に浮かび上がる無数の将来の夢を見つめています。
もしかしたら将来はそのほとんどの仕事がAIやロボットに代替され、失われてしまうかもしれない。
より多様になり、凄まじい速度で変化していく社会の中で、未来は白紙であり、選択と可能性によって満ちていることを視覚的に、詩的に表現しています。

通り一辺倒な私たちの固定化されてしまう価値観を押し付けてしまうより、無限の可能性が広がっている子どもたちを見守る寛容さや、優しさ、期待を持つことを訴える動画でした。

「わたしの将来の夢は、、、」
まだわからないけど、どんなことだってできる。何にだってなれる。
今はまだ見えないかもしれない。新しい世界の中で。そんな印象を持ちました。

聞こえてきた声

私たちは、無意識のうちに性差や男女の役割について固定的な思い込みや偏見を持ってしまいがちです。本当はもっと働きたいのに。本当はピンクが好きなのに。本当はパイロットになりたいのに。男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、という社会の偏見によって苦しんでいる人、何かを諦めようとしている人がいるとしたら。その人たちの選択の自由が今よりも増える社会になればと企画されました。マンガのセリフをフックに、ジェンダー平等について考えるきっかけをつくります。
●テーマ:ジェンダー平等
●広告会社:ADKマーケティング・ソリューションズ
●掲載メディア:テレビ/ラジオ/新聞/雑誌 他

https://www.ad-c.or.jp/campaign/self_all/self_all_02.html

実際の広告はACジャパンさんのページからご覧いただけます。

スクリプト

SE:包丁で野菜を切る音。

ナレーション:キッチンで夕食の支度をする人がいます。

SE:オフィスの環境音

ナレーション:オフィスで部下の資料に目を通す人がいます。

SE:レストランの環境音

ナレーション:夜景の見えるレストランで支払いをする人がいます。

SE:黒板にチョークで字を書く音

ナレーション:パイロットになる夢を発表する子どもがいます。

ナレーション:想像したのは男性の姿ですか?女性の姿ですか?

ナレーション:無意識の偏見に気づくことから、はじめませんか。

https://www.ad-c.or.jp/campaign/self_all/self_all_02.html


1枚絵がスライドするマンガタッチの画像だけで構成されています。

各シーンには、誰かが発するセリフのみが吹き出しで表示されていきます。声の主は分かりません。音声もありません。

会社の経営方針を発表する声
子どもにご飯ができたことを伝える声
パイロットになる夢を語る声
高級レストランで支払いをする声
ピンクのぬいぐるみを欲しがる声
友だちをサッカーに誘う声
子どもの看病のために有給申請をする声

淡々と続く、どこにでもある日常の風景

「聞こえてきたのは、
男性の声ですか?女性の声ですか?」

無意識のうちに脳内で再生された声は思い込みや偏見に寄ってしまいます。
ラストの問いにハッとさせられる、ジェンダーギャップに関する広告でした。

"こうあるべきだ"
つい私たちが教え込まれ、そして言ってしまいがちな個人の選択の不平等に強く訴えかけ、考えさせる秀逸な表現です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はACジャパンさんの全国キャンペーンの広告を2つ、実例を紹介しました。
いずれも、直接的な表現をせずとも、強烈なメッセージと問題提起をする、とても素晴らしい広告だと感じました。

ぜひ皆様も広報活動やSNSの発信などに役立ててみてくださいね。
それではまた。



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