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法学部にいた私が、情報分野の大学院を受けるまで④研究室訪問(面談前)


 読んでいただきありがとうございます。上は前回の記事です。読んでいただけると嬉しいです。

 この記事では、研究室訪問(面談前)を書いていきたいと思います。この記事は無料ですが、次回の面談等については有料になります。

研究室訪問(面談前)

 研究室訪問の日、私は就活の面接のとき以上に緊張していた。文系の教授とは何度か話をしたことがあるが、理系の教授とは話をしたことがなかった。特に理系の研究職の人たちは俗世からかけ離れた変人が多いイメージだった。友人からも仙人(浮浪者みたいな)がうちの大学にもいるよみたいな、話を聞いていた。

 当日は、私服かスーツかで迷ったが、時間を取らせてしまっているし、失礼があるといけないと思ってたので、一応スーツで行くことにした。

 大学のキャンパス内に駅があり、降りて、階段を上がっていくと巨大な建物があった。その建物は研究棟であり、私の志望する研究室は最上階にあった。

 建物にはIDがないと入れないため(そのため、部外者は建物に入れない)、入り口のところにある電話っぽいやつで連絡を取り、教授につなげてもらうようお願いした。

 少し時間が経ち、マフィアの幹部みたいな雰囲気の教授がやってきた。写真と随分雰囲気が違うとそのとき感じた。写真では、酒好きで居酒屋とかにいそうなおっちゃん(実際に酒好きだが)のイメージだったが、実際に会うと、修羅場を幾度となく乗り越えた、歴戦の戦士みたいだった。研究し過ぎるとこうなってしまうのだろうか、とそのとき思った。

マフィア

 もしかして、かなり機嫌が悪いのだろうか、流石にこの時期の研究室訪問は非常識過ぎたか、など悪い考えで思考が埋め尽くされた。

 「お忙しい中、お時間を取って頂きありがとうございます。」
と一礼をし、私が言うと、
 「まあ、研究室訪問はしないといけないからね。」
とメールでもあったような返事が返ってきた。

 そして、私たち二人は建物に入り、近くのエレベーターに乗った。エレベーターに乗り、上に着くまでに1分はかからなかったと思うが、1時間は乗ってるように私は感じた。何かしら、話をしながら研究室に行くものだと思っていたが、互いに無言で、気まずい空気が支配していた。

 コミュニケーション能力に難がある私は、当然そんなときに場の空気を和ます話ができるわけがなかった。(そんなことができるくらいなら、そもそも就職活動は苦労してなかったと思う)

 エレベーターが目的地に着き、研究室に入ることになった。

 私が志望していた研究室は、かなり広く、学生部屋が2つ(1つは中高の教室くらいの広さの部屋2つ分くらいで細長い、面積は同じくらいで正方形に近い部屋)、准教授の部屋(中高の校長室くらい)、事務室につながる形で教授の部屋(前述の准教授の広さの部屋+事務室がくっついている)、研究室の図書室、発表部屋があった。面談が終わった後に、案内をしてくれるのだが、そのときは広さにただただ驚き、感動していた。

 ゼミの教授の部屋に何度か行ったことがあるが、中高の校長室くらいの部屋の広さで、教授といっても案外狭い部屋にいるんだなと思っていた。しかし、この研究室は違った。広すぎると思った。

 迎えに来てくれた教授の部屋で面談を行うようだった。案内され、部屋に入ると、紳士がコーヒーのカップを片手に笑顔で迎えてくれた。服装も、髪型も、雰囲気も全てが紳士という言葉が合う教授だった。

紳士

 こうして、マフィアの幹部のような教授と、紳士のような教授、二人との面談が始まった。




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