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インコとサクラ

公園にインコがたくさんいた。

今日初めて聞いたのだけれど、元々はペットとして飼われていたインコが、飼い主が飼うのを放棄してしまったせいで、野生化したものが、いつしか増殖したそうだ。

緑色も鮮やかなインコたち。

「害鳥なんだって」
「桜の花の蜜を吸うために、枝にとまって、ああやってゆするから、花びらがみんな落ちちゃうのよ」

確かに。
咲いたばかりの桜が、なぜかその木だけ散っている。
見ているそばから、花びらが地面にはらはらと落ちていく。

こちらとしては、やっと桜を見ることができて、ああ、よかった、、、などと思っていた矢先である。

しかし、去年もいたのだろうか?
あまり記憶にない。

冬を乗り越えたインコも必死なのだろう。桜の蜜は甘いのかな。

それにしても、薄い桃色の桜に南国調のグリーンはあまり似合わない。

「今年の桜はなんか白っぽいのよね」
「そうそう、去年はもっとピンクが濃かった」
確かに、そんな気もする。
「桜が咲いてから薄曇りばかりで、空が青くないから相対的にそう見えるんじゃないですか」
と、言ってみたら、あまり相槌は打ってもらえなかった。
こういうのは同調しておくべきなのだろう。
マダムたちに合いの手を入れるのに、まだ修行が足りていない。

それにしても、今日のジャックはやたら元気で、小走りしたり、ワンワン吠えたり、まるで昔のようだった。

勢いよく全身をブルブルさせるジャック

やっぱり、春が嬉しいのかな。

若い犬たちのあとを一生懸命小走りでついていく。
今のジャックの全力疾走だ。

たぶん、こういうのは人間も同じで、ある程度の年齢になったら、先頭を切って歩くのではなく、元気な連中の後ろをトコトコついて行く位がよいのだと思う。

ジャックは、人間で言えば10代20代の犬たちに囲まれて、いっしょにおやつをもらうのも楽しげだ。

犬はなんでもわかっている。


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