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抗体とアレルギー。

花粉の季節になりました。連日天気予報では花粉情報が提供されています。花粉症の人が増え、花粉情報がみんなが知りたい情報となっています。

この花粉症は、みんなよく知っている"アレルギー"という反応。嫌な思いをされている方も多いと思います。花粉症をはじめ食物アレルギーでは食べたくても食べることができないことがあります。

でも、アレルギーってなんで起こるのでしょう?アレルギーって嫌で悪いものと思われていますがアレルギーの元となる免疫反応、抗体産生は実は人にとって大事な役割があるのです。

そもそもアレルギーを引き起こす引き金になる抗体はウイルス、細菌、寄生虫など、人に危害を加える"敵"から"身を守ってくれる"ものです。

この抗体、英語でAntibody。抗原、antigen(ウイルス、細菌の部品である一部のタンパク質)と言われる敵をやっつける私たちみんなが持っている"武器"です。

そんな大事な武器ですがちょっと悪いことをしてしまう場合があります。どうして人に悪いことをするようになるのかというと。

最大の武器、抗体の特性はあらゆるタンパク質、この世にあるものないもの区別することなく生まれてから、死ぬまで作り続けています。それこそ無駄と思えるように。

その仕組みは遺伝子の再構成(利根川進さん発見、ノーベル賞)という仕組みを作り出すことで可能としています。興味のある方は調べてもらえると面白いと思います。

その無駄とも言えるような仕組みの中で多様な抗体は作られ続けています。そして自分が持っているタンパク質、自分の体を構成するものまでも。

自分のものに対してできてしまうということは、自分で自分を攻撃してしまう。ということです。これは困ります。さてどうしたものかということですが、自然の摂理というものは大したもので、自分のものは作ってしまっても排除する仕組みが備わっているのです。

いわゆる自己非自己を判断して自己のものは排除、増えることを禁止してしまいます。自己、自分に対する抗体は仕組みによって除外できます。

この仕組みが破綻してしまうのが自己免疫疾患と呼ばれる病気になります。

アレルギーの原因も抗体ですが少し機構が違います。アレルギーの原因となる抗体はIgEと呼ばれ、血液中にある血球の一つの好酸球が寄生虫をやっつけることがわかっています。

一つの抗原に対する抗体(遺伝子の再構成により多様な抗原に対応)は一つの細胞から産生され遺伝子変異により"IgM", "IgG", "IgA", "IgE"が産生されます(クラススイッチ )。感染症などメインで働くのが"IgG"です。

IgEが直接アレルギーを起こすわけではありません。IgEが肥満細胞と結合することで産生されるヒスタミンなどの生理活性物質が原因となり痒みなどを起こします。その機序についてはいろいろ研究されているみたいですが完全に解明されていません。

アレルギーは人にとって厄介なものですが、抗体という、人がウイルス、細菌など感染症と闘う武器が双刃の剣となる場合があるということです。

アレルギーの仕組みを解説してあるサイトを以下に貼っておきます。

抗体はウイルス、細菌に感染しているか検査するときにも利用されます。インフルエンザの簡易キットを使った検査にも抗体が利用されています。抗原抗体反応は広く利用されています。

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