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外国人に日本を見せたい

出張で日本に来ています。
先週は、がっつり商談やミーティングを入れられ、ゆっくりできませんでした。
スイスや香港からの出張者たちは、取引先の接待を好まず、夜は内輪だけで楽しく呑みたいなどとワガママなことを言う人たちでしてね。
するとどうなるか。
私も出張者の一人なのに、唯一の日本人である私が東京の夜をアレンジすることになるのですよ。
でまあ私はそういうのが嫌いじゃないもんだから、全力でオモテナシを企画してしまうわけです。
貸切りの屋形船で東京湾クルーズディナーとか。

忍者東京のイリュージョンマジックディナーとか。

ガイジンども喜ぶ喜ぶ。
「東京は毎日がフェスティバルなの!?」と。
いやいや、オマエたちのために特別にアレンジしてやってんだよ。

みなさん「日本サイコー!」と言いながら本国に帰って行ったわけですが、一部の幹部だけはもう 1週間東京に滞在しています。
つまり、先週の週末を日本で過ごしたわけです。

日本に不慣れな外国人らを東京のホテルで放っておくわけにもいかないじゃないですか。
で、週末は一泊二日で箱根を旅行してきました。
私 (52)、トルコ人女性 (44)、ロシア人女性 (40) の3人で。
日本人のおっさんがどう見ても外国人熟女2名を連れて箱根とか、シュールにもほどがありましたが。

新宿からロマンスカーで箱根湯本へ
箱根登山鉄道(スイッチバックするやつ)で強羅へ
ケーブルカーとロープウェイで大涌谷へ
桃源台港から芦ノ湖を海賊船で箱根町港へ
いわゆる箱根ゴールデンコースというやつです。

旅の話はさておき。
彼女たちが日本のどういうところをヘンだと感じるのかを記しておこうと思いました。

まず、旅館について。
6部屋しかない小さな旅館に宿泊したのですが、夕食の時間が決められていること。しかも、午後6時だと聞いて、「早すぎでしょ!」と驚いていました。
たしかに、ヨーロッパでは 6時はアペロの時間帯で、ディナーが始まるのは 8時頃。南部のほうでは 10時という国もありますね。
なるほど、日本人の夕食の時間帯って異常に早いのか。

さらに、その旅館には門限があり、午後10時に戸締りをしてしまうのです。
「10時からが夜本番でしょ!」と私でも思いましたよ。
でも、たしかに 10時以降外出しても、近所には営業してるお店なんかないんです。しかも、コンビニが 10時に閉店するんですよ。

日本全国が東京なわけじゃないんだね。
と、私も少し反省しました。
しかたなく 10時前にコンビニでしこたまお酒を買い、旅館のお部屋で朝まで呑むことになりました。
修学旅行かと。

箱根と言えば温泉ですが、ふたりとも「ムリ!」と言っていました。
やはり人前で裸になることに抵抗があるらしいのです。
しかし、部屋にシャワーがないことに衝撃を受け、温泉に入るしかない、と覚悟を決めたようです。
幸い、小さな旅館で宿泊客が少ないため、時間を決めて浴場をプライベイトにしてもらうことができました。
そこまでして入った温泉は、「お湯が熱すぎる!」とイマイチ好評ではなかったみたい。外国人に温泉はハードル高いのかなぁ。

夕食は 6時、お風呂は 8時、門限は 10時というように厳格に決められていることに対して、「日本人の規律はすごい!」とフシギな感動をしておりましたが。

箱根湯本の商店街を歩いていてふたりが驚いていたのは、食べ物の豊富さです。種類も量も異常に多いと。
温泉まんじゅうやラスクなどの定番だけでなく、そのほかのスイーツもめちゃめちゃ種類が豊富ですね。
「日本人はいろんな物を作りすぎなんじゃない?」とこれまたフシギな感動をしておりました。

ふたりがとくに興奮していたのは、雑貨のセンスです。
お土産物屋さんで「かわいい!」を連発してました。
「かわいい」は今や世界共通語です。日本人が使う「かわいい」とはやや語感が異なるようですが、Cute と Beautiful を合わせた感じでしょうか。
日本のポップカルチャーは世界最強です。

つくづく私(日本人)は、外国人が言う「日本すげぇ!」も「日本ヘン!」も大好物なんだと思いました。