マガジンのカバー画像

働き方

24
“労働” の意味を再考。コロナ禍での働き方、転勤のあり方、女性社員の意義など。基本的に現代社会の労働はブルシットジョブ。ムダな労働をやめて、いかに自由に、自分らしく働くかの提案で… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

生産しない者が生産する者を搾取する構造について話そう

前回の記事「労働の自由。結婚の自由」のコメント欄に、ホワイトカラー層がグルになってブルーカラー層と消費者を搾取している、と書いた。 大企業が支配的な社会とは、具体的にどういう構造になっているのか。 実例をもとに暴露したいと思った。 莫大な本社コストとある大手メーカーとしておこう。 全社の総社員数は約 6万人。 そのうち生産に従事する社員が 3万人。 販売に従事する社員が 2万人弱である。 そのほか本社系社員が 3000人。研究開発系の社員が 2000人。サポート業務系の社員

上を目指す女性社員への提言

最近は出世したくない若者が増えているそうで、それを私は良い傾向と捉えています。自分の気持ちに正直に生きる人が増えてきた結果だと考えるからです。 一方で、 それなりの学歴で、それなりの会社に入った人が、それなりに出世したい、と考えるのはごく自然である、とも思います。 それは男性も女性も同じ。 ☟ の noteを読みました。 女性のキャリア形成が困難なのは、女性の能力が劣っているからではなく、また男女差別があるからでもない。 それは Greedy job のせいである。 ヨー

働く者たちへの提言

私は noteで、わりと多岐にわたるトピックを扱っているつもりです。 そのなかでも主張強めなのは「日本」「生き方」「働き方」にカテゴライズした記事でしょう。 日本人の生き方と働き方に関心をもっているわけです。 とくに関心が高いのは労働のこと。 私は、50余年のうち半分以上を仕事に捧げてきましたが、あと数年でそんな生き方にもピリオドを打つ予定です。 働く人の事情や仕事に対する考え方は様々です。 すべての人に届けられるメッセージなどありません。 そこで、いくつかのグループに分

1日8時間も働けない人たち

「働き方」というカテゴリーで何本か記事を書いてきました。 それらは、以下の切り口に大別されます。 ✅日本特有の企業風土 ✅長時間労働(働きすぎ) ✅評価の仕組みが悪い これらは依然として重大な問題ですが、今新たに浮上しつつあるのはもっと根の深いものだと感じています。 それを 3行で要約してみます。 「仕事」と呼ばれるものの性質が大きく変わった。 人はもはや「仕事」に意味を感じなくなっている。 そんなものに時間と心身を捧げるのはアホらしい。 初めて就職活動をしたときのこ

日本の会社員の働き方を、真面目に批判したい

かねてより、きちんと書きたいと思ってきたことを、ようやく書く気になりました。 4月といえば日本では入社の季節ですが、新入社員よりも、中堅クラス以上の会社員にお伝えしたいことです。 結局のところ、企業風土の問題に行き着く出社する必要ってあるの? と最初に疑問をもったのは、2000年のことだった。 当時 28歳の私は、UAE のドバイで現地法人の管理業務全般を行っていた。 ある日、オフィスに泥棒が入り、金庫などが荒らされたことがあった。警察による現場検証のため、しばらくオフィス

働き方改革、はじめました

スイスの本社に着任して 1ヵ月たちました。 そろそろ、お仕事らしきことも始めようと思います。 香港からスイスへの転勤に至った経緯 ☟ 予告どおり、前の上司だったトムはアーリーリタイアし、後任にシネムを指名。私はシネムのアドバイザリーとなりました。 この新しい役割を担うにあたり、私は 3つの能力を重視することにしました。 助言力 シネムはリーズナブルな考えの持ち主で、人格的にもバランスのとれた人です。面倒な上司に悩まされることがないと判断して、私はこの役割を引き受けま

どうせ成果はデタラメなのだから

Yuitaさんの記事に反応しました。 記事から引用します。 くぅー。わかるぅー。 こういう例、世の中にゴロゴロ転がってますよね。 それどころか、こういうパターンのほうが主流になっちゃってる。 とくに、目標管理制度 (MBO) を導入している組織では、わかりやすい成果、手っ取り早く成果を出しやすいプロジェクトに走る傾向があります。 このテのプロジェクトには必ず副作用がある。 ときに副作用は、本来の成果を上回るマイナスをも生む。 プラスマイナスゼロどころか、マイナス。

新解釈「残業組」と「定時組」

残業組になるか、定時組になるか。 その差は案外、偶発的なものではないでしょうか。 残業しない歴 16年になる私ですが、なんなら定時より前に帰る、あるいは “定時” という概念を壊してきた私なのですが、ある日やることが立て込んで 19時までオフィスで仕事してしまった、としましょうか。 次の日も、偶々急ぎの仕事が入って、19時過ぎまで仕事したとします。 そしてその次の日もまた・・・ これ、3日続いたらヤバイと思いますね。 1日目は、「あーあ残業しちまったよ。俺らしくもない

50代を生きる場所、働き方を決める

私こと 50歳の会社員は次の身の振り方を自分で決めました。 その決定プロセスは、3つのステップに要約できます。 ✅ 香港から出るため、1年以内に移住すると決めた ✅ 移住手段として、転職ではなく社内転勤を選んだ ✅ 役職も部下もない、新しいポジションを見つけた この選択にはいくつかの論点がありました。 順を追って説明したいと思います。 まず、徐々に PRC 化が進み、人が安心して住める場所ではなくなりつつある香港からできるだけ早く脱出すること。それが最優先事項でした

美しい世界と、耐えがたい現実

沖縄のリゾートホテルでリラックスしながら仕事できるか? 1ヵ月前の記事にて、Work Abroad の過ごし方をシミュレーションしてみたわけですが。 結論から言いますと、想定していたとおりに過ごせていません。 いったい何が想定外だったのでしょうか。 私のリゾートの過ごし方はまったくアクティブでなく、ホテル内でダラダラ過ごす派です。 基本的にどこにも出かけません。マリンスポーツもしません。 子供たちはホテル内のアクティビティに参加することもありますが、私自身は食べて飲

休暇先で仕事しようと思ったら、やはり同じ考えに行き着いた

日本への一時帰国 (home leave) を計画しておりましてね。 香港から出国するのは、じつに 2年半ぶりです。 日本には 6週間滞在し、そのうち 2週間は妻女とともに沖縄にいる予定。 その沖縄滞在期間は、会社にとって重要な期間でして、立場上どう考えても「私は休暇中です」と言える空気ではありません。 そこで、「勤務している」というステータスで沖縄に滞在することにします。 当社には、”Work Abroad” という制度があります。 年間で 10日まで、通常の勤務地以外

プレゼンを 1件10万円で売る彼の戦略

28歳になる甥(兄貴の長男)がおりましてね。 今より 7年前、甥が大学 3回生のとき、兄貴から相談を受けました。 「ナオトが、就職しないで起業するとか言いだしてな・・・」 私の兄は獣医師で、愛知県で開業しています。兄の長男のナオトは、父親の動物病院を継ぐのがイヤだったのか、京都にある大学の経営学部に進学しました。 兄貴は言いました。 「俺は外で働いた経験がないからビジネスのことはようわからん」 兄「ついでに言うと、人間のこともようわからん」 犬や猫のことはよく

働かない 50代、戦わない 30代

Yuitaさんの記事👇を読んで、私なりの答えを書くことにします。 そのためには、会社組織の上のほうにいる 50歳前後の人間の本音を暴露する必要があります。 誰も言わないようなことですが、誰かが言わなければならないと思います。 若い世代に言わないほうがいい話かもしれません。 しかし、本音を隠して綺麗事ばかり言うのもよくないと思うので。 会社員はなぜ、ある年齢を過ぎるとやる気を失うのか?会社員の 40代は働き盛りなどと言われますね。 ところが、なぜか 50歳を過ぎたあたりから

思考格差の時代に、人は仕事で育つのか

格差と言えば、所得の格差、情報の格差、恋愛の格差、一票の格差などいろいろ言われてますけど。 私が最もヤバいと感じるのは、思考の格差です。 考える人と考えない人の差が広がっている。それも、労働の変化を通じて。 モノを作る(製造)・モノを売る(販売)・その結果をまとめる(経理)。 この 3つのプロセスで、何が起こっているかを見てみましょう。 製造モノを作る仕事は、本来クリエイティブで、頭を使う作業でした。 それが機械によってオートメーション化され、人が行う作業は単純化されてき