おみくじで大吉が出るまで引いたら謎のおじさんに警告された話
おみくじで大吉が出るまで引いたら知らないおじさんに警告された話をする。ちなみに俺は占いに関しては半信半疑な部分がある。おみくじ通りに人生が右にも左にも振れることに納得がいかないからだ。
では何故おみくじを引いたのか。
占いは半ば信用していないが、吉が出ると気分的に気持ちがいいからだ!!!!!!
17歳。高校3年生で就活の時のこと。
俺は高校卒業までは青森の端(実家)に住んでおり、都会への憧れがあった。豊島区雑司が谷のとある会社の求人へ応募し会社見学と面接のため東京へ向かった。
ケツが痛くなるほどの長時間バスに揺られ、朝方に東京に到着。
会社見学までの時間までかなり余裕があったということでちょっと東京旅行することになった。
当時の俺はクソが付くほどの陰キャであったため、渋谷の109だとか原宿だとかには全く興味がなかった。新宿も怖くて行けなかった。
えーどこ行こうかなー?と東京の散策本みたいなやつを読んでたら「浅草」の浅草寺がいい感じだったので浅草へ行くことにした。
浅草寺に着き、雷門で写真を取ったあとに境内に向かう。
お賽銭箱に5円玉を入れて「就職活動上手くいきますように」と祈願。そのあとブラブラしていると、おみくじの販売所を発見!!
前述した通り占いは信じていないが一種の気分転換ということで、100円か200円か払って1つ買って開いてみた。
なんとおみくじの結果が「凶」だった。
まぁまぁそんなもんかと思い紙をまじまじと見ると色んなことが書いてる。「旅行・・・計画的に」だとか「病気・・・軽い」とか。
ここで疑問が出る。旅行は計画的にするのが当たり前だろ!と。あと病気軽いってどういう意味だ。軽く怪我するってことなのか。軽い怪我なら誰でもするだろ!いい加減にしろ!
!!!!!!!!!!!
俺はひらめいた。もしかしたら再度おみくじを引くことで自分の運勢を上書き出来るのではないかと。
もしおみくじで引いた結果が「神の意志」というのなら、俺は運命を変えてみせる。運命というのは自分自身で乗り越えるのだ。そういう思いを込めて再度引く。
小吉だった!
俺は歓喜した!吉と凶の狭間にある微妙な小吉ではあるものの、1回目の凶よりは断然良い!凶→小吉に成り上がったということで俺は運命を変えたということなのだ。
ここでまた閃く。
3回目にまたおみくじを引くことで更に結果が好転するのではないかと。1回目に凶、2回目に小吉。これはいわば登り坂を上がっている最中ということに他ならない。3回目は小吉以上だろう!という希望的観測を抱き引いてみる・・・。
!?!?!?!??!?!?!
3回目は「凶」だった。凶→小吉→凶。という結果になる。
いやいやおかしい。俺の予想では凶→小吉→大吉というシナリオになるはず。2回目の時点で調子に乗らず辞めとけばよかったのか。
後悔の念がよぎるがここまで来たら辞めるわけにはいかない。
就活で高い交通費を払い東京まで来たのだ。どうせ面接に挑むなら「大吉」の状態でありたい!
あの時の俺はおみくじギャンブラーとして心に闘志の炎を燃やしていた。
4回目を引こうとした時後ろから声がする。
振り返ると全く面識のないおじさんだった。
服装からして住職ではなさそうで、古いスカジャンを着ている60代くらいの感じだった。
俺「この後面接があるので、運勢を占おうと思って・・・ハハハ」
陰キャだったため愛想笑い全開でコミュニケーションを取る。
爺「これ以上はやめときな」
警告をしてきた。
俺「・・・迷惑です・・・かね?」
思わず伺う。
爺「どうかな」
おじさんは去っていく。
・・・面接の時間が迫ってきたため浅草を後にした。くじは引いていない。
定刻通り会社へ赴き、面接を行った。面接結果は「合格」を貰い高校卒業後その会社で正社員として働くことになったが、いわゆるブラック会社だった。手取り9万の社会人生活を過ごし、無事メンタルが崩壊したため2年半程で退職し実家へ帰った。
今思えばあの時、俺は4回目のくじを引いていたらどうなっていたのか。未来が変わっていたのだろうか。そしてあの爺さんはどこの誰なのか。未来の自分なのか。真相はわからない。
とりあえず本当に神が存在して、占いに信憑性があるのならこれから受けるであろう会社がブラックであることを事前に知らせてほしかった。これに尽きる。
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