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【LDLパートナーインタビュー】地方の二次交通問題を解決するモビリティセンターを作りたい〜猪田 有弥さん〜

LDL(Locally Driven Labs)とは、継続的なオンラインコミュニティを作り、アウトプットまで持っていくことを目的にして、始まったラボです。詳しくは下記をお読みください。

パートナーがプロジェクトを立ち上げ、リサーチアソシエイトが関わりながら活動が進められています。

このインタビューでは、パートナーがどんな方なのかを紐解くインタビューです。興味のある方はぜひお読みください!
第3回は岡山県西粟倉村にて、地域おこし協力隊として事業に取り組む、猪田有弥さんにお話いただきました。

Q.あなたのプロフィールを教えてください!

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大阪出身で、もともと東京で地方自治体の計画作成やプロジェクト支援、文化施設の利用者調査などコンサルティングをしていました。現在は地域おこし協力隊という総務省の制度で移住して、岡山県の北東にある西粟倉村に住んでいます。2018年の4月から着任して、今年最終の3年目を迎えています。起業を目指して活動しています。

Q.どのような活動を行っていますか?

西粟倉に移住し、起業支援の研究テーマを決めるにあたって、何度か当時住んでた東京から西粟倉を訪問していたのですが、羽田から鳥取空港に飛んで、バスを乗り継いで3時間で来れるんです。こういう外に対する便利さから交通の問題に取り組むということで、最初の研究テーマは特急スーパーはくとをあわくら温泉駅に止めたい、ということをテーマに地域の移動を考えていきたいなって思いました。

地域の交通のことを研究すると言ってブイブイマイカーに乗りまわしていても説得力に欠けるので、まずはクルマなしで生活してみようと夫婦2人で約2年試みました。いわゆる自らが「社会実験」をするという取り組みです。南から帰ってくるときの終列車の到着は20時半なので、いろんな制約を痛感しながら暮らしました。今はトヨタのKINTOでカーリースをしています。

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2年間研究をしている中、行政や社会福祉協議会の実証実験や活動に参加してきました。しかし、なかなか何をやっているか理解してもらえませんでした。そこでクラウドファンディングでローカルモビリティ白書を作るプロジェクトを立ち上げました。111人の方に応援いただき895,000円をご支援いただきました。取り掛かろうと思ったらコロナウィルスが発生。難航を極めましたが白書は完成いたしました。それなりに反響はありましたが、地方でのつながり等を記せなかったことが心残りでした。今後も地域に根差した事例を綴ることでさまざまな地域に活用してもらいたいと思っています。

https://readyfor.jp/projects/30365

二次交通に関する地域のつながりや仕組みを構築でき、情報が集まる場所を作っていきたいと考えています。私はこれが今後地域に必要になってくるモビリティセンターと呼ばれる場だと思っています。

Q.どうしてラボに入ったんですか?

コロナ前から日経新聞noteのNサロンに参加していました。ゼミがあって学びの場として、新聞を読んだり、ボードゲームしたりと楽しい場でした。7月で終了しましたが、そこでコミュニティが充実していて、良さを感じたタイミングでLDLに巡り会い、直観的にピンと来たので飛び込んでみました。パートナーとして自分自身のプロジェクトがオンラインでどこまでできるのかを試してみたいと思っています。

Q.このチャンネルを立ち上げた理由を教えてください!

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パートナーとしてチャンネルを立ち上げた理由としては、二次交通をはじめとする中山間地域の足に関する知見や活動報告をここで集めていき、まちづくりの専門家や全国の地域の方々と一緒に学びながらコンテンツを創っていきたいと考えています。

Q.もともとモビリティに興味がありましたか?

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もともと鉄道オタクでいわゆる鉄ちゃんでした。3歳から時刻表を読み、数字と地理はそこから学びました。これまでのコンサル仕事では直接の接点はありませんでしたが、どんなに不便な地方自治体への出張でも、期間中かならず1回は鉄道やバスで行くようにはしていました。レンタカーだと1時間なのに、バスを乗り継いで4時間かけたこともありましたが(笑い)。

Q.モビリティについての課題を教えてください。

地方では1人に1台がマイカーを持っているという状況がほとんどなので、そういう意味では実は「課題はない」のが現実です。身もふたもないですね(笑い)。ただ、体力の限界で免許返納をしたり、配偶者が亡くなってしまった高齢の女性など、車に乗れない状況になるととたんに困り暮らせない状況になります。ちょっと助けてのせてあげようと思っても、法律の壁があって簡単に解決することは難しいのです。ちょっとした送迎やボランティア輸送だけでは事業にならない。バス会社やタクシー会社も苦しい中、地域全体でモビリティ事業で稼げる状況にするにはどうしたらいいかを考えないといけないと感じています。

移住したときに「家の中は都会と同じ」と言われました。それは車の中も同じく、家も車も都会なら、田舎なのに都会という二重構造があると感じています。変えようとか変えないと言うより、その二重構造の中でどう暮らしていくか考える必要があるのです。

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また、西粟倉は急に雨や雪が降る天候が変わりやすい地域です。そういう特性も踏まえて最適な地域の移動の在り方を考えて行きたいと考えています。

Q.今の悩みはなんですか?

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「にしあわくらモビリティプロジェクト」の活動の一つとしてやっている『ローカルモビリティ白書2021』をどうやってつくっていくかという構想が、今の悩みです。どうやればいろいろな人にとってwin-winになるか。これまでにつながった方と一緒に地域のモビリティについてどう取り組めば良いか?世の中で二次交通で地域が断絶されている事例や、イケてるスクールバスや福祉バスの事例もあるはずです。それをみんなでまとめていきたいです。 加えて、私個人の具体的な事業として西粟倉でも何か出来ることはないか?二種免許を取ったので例えば運転代行業で買い物サポートができないかとか。小型モビリティのレンタカーやカーリース業ができないか。自分の稼ぎになるような取り組みを作りも課題です。

Q.ラボに入っていない人に一言お願いします!

オンラインラボってなんだろう?何ができるんだろう?と思っている人は多いと思います。入ってみて思うのは、受け身だと全然意味がありません。 仕掛けていくまでいかなくても、ちょっとでも自分から手を挙げ、興味のあることや学んでいきたいことなど、ログに残していくことでどんどん知見が広がっていきます。なかなか継続は難しいですし、まずは関係性をお互いにつくっていくところから始めていかないといけないのですが、一旦関係性が作れたら、オンラインなので時空を越えて長く付き合えるのかなと思っています。

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地域の交通やモビリティを、単に「個人の足」として捉えるだけでなく、「社会のインフラ」として長期的にどうアップデートしていきたいかについて、ぜひ一緒にコミュニケーションを深めながら、互いに学び合いましょう!

Locally Driven LABs への加入については下記をクリックしてみてください!



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