自己弁論
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とうきょうの夜空にむけて意識をゆっくりと飛ばす。低気圧で頭が痛み、ずきずき と脈打つ音がする。生きているなぁ、などと思う。
あなたもいま、生きているのだろうか。
お互いの命を擦り減らしたあの日々が、あなたの宇宙でひとつでも優しい何かとして存在しているといい。
出会い頭であなたの白い指がわたしの冷たい指と交わるとき、わたしはほとんど泣いていた。
灰色のちぎれた雲が暗空にかかる。
乾燥した空気。
葉っぱの擦れる音がぶつぎりに聴こえる。わたしのちいさな歌は低く鈍く鳴る。手を合わせて、瞼を閉じてみる。正しい祈り方はいまも知らないけれど、祈っている。
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