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#33【日記】社会性不安障害

どうしてかなぁ、と思っても解決できないことがたくさんあります。電車に乗れなくなったこと、会社で向かいに座る人の視線が気になって指が震えること、お昼休憩にご飯に誘われた時の絶望感、普段は殆どかかない汗を仕事中だけ異常にかくこと。人に相談すれば、病院に行け、と言われます。そして病院に行けば、薬を処方されます。しかし、その数々の薬は私の問題をひとつとして解決しませんでした。ぼんやりしそうな脳を必死で動かさないといけないという作業が増えるだけです。私の恐怖は、もっと根底にあると思います。「気持ちを落ち着かせる薬」はあるかもしれません(ぼーっとしてるだけだと思うけど)が、「不安を取り除く薬」など、存在しません。

そう先生に言うと「これらの薬は、症状を軽減させるのが目的です。完全に消えはしないし、恐怖を減らしていくのは時間をかけて少しずつやっていく作業です。あなたは出社はできているのでしょう?いい経過だと思いますよ」というようなことを大抵言われます。私は気の抜けた「はぁ」みたいな返事をして病院をあとにします。私は数人の先生にお世話になりましたが、誰とも意思の疎通を図れたことはありません。私たちの間には「心」と「科学」の隔たりがあるような気がします。寄り添うふりをして、彼らは全て数字に基づいた話をします。浮気中の彼氏に嘘をつかれた気分になるのです。「そこまで先生に頼っちゃ駄目かぁ」と反省して、翌日の仕事のために処方された薬を飲んでベッドに入るのです。


翌朝、いつも通りに準備をして、駅のホームに行きます。毎朝のことですが、全てを終わらせたくなります。電車というのはあまりにも硬く頑丈で、あまりにも生活に近くて、困ります。他人の迷惑になるから、と思って踏みとどまるのだけど、私は人身事故で電車が止まるたびに、何とも言えない気持ちになります。知らない人なら「お疲れ様でした」くらいのものですが、それがもし身近な人だったら、どうにかして今の環境から逃がしてあげたかったと後悔します。手を引っ張ってでも、駅からも仕事からも逃げさせてあげたかった。その人に恋人がいるのであれば、相手にも仕事を休んでもらって、ずっとくっついていてもらいたい。その人に恋人がいないのであれば、私がずっと話を聞いてあげたい。


#日記
#社会性不安障害

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