FCCがSMSをキャリアサービスに分類。って今まではなんだったの?

先週FCCでSMS/MMSがinformation serviceとして分類された。これにより、携帯事業者はよりtext messagingに対するコントロールを得ることになる。元はスパムメッセージに対する対応への一環として、今回の措置が取られたのだが、一体今まではどういう扱いだったのかが疑問。

日本だと、ショートメール(SMS)やキャリアメールは携帯事業者のサービスとして規制されているし、Lineなどのメッセンジャーサービスも電気通信事業法の適用サービスとして同様の規制がかかっている。今まで野放しにされていたとすれば、そりゃスパム送り放題だろうという気もするが、今回の分類により別の問題が生じそうだ。

FCCでは事業者の取り扱うコンテンツのカテゴリとしてTitle I: information servicesとTitle II: telecommunicaition servicesに分類されているが、Title Iは規制が軽くメールやウェブサイトなどがこちらに属し、通話はより規制が重いTitle IIに分類されている。今回の決定でSMS/MMSに関してはTitle Iに分類されたが、このことによりキャリアが内容を検閲したりモニタリングできるようになるらしい。日本では「通信の秘密」に該当するコンテンツがアメリカでは当てはまらない可能性がある。

FCCの言い訳としては、重い規制をかけると(Title IIに分類すると)キャリアが、簡単にスパムメールをブロックしたりできなくなり、逆にスパムが自由に送られてしまう可能性があるからとのこと。また、キャリアがスパム事業者を訴えることも可能とするための法的根拠を与えるという意味合いもあるのだろう。

ただ、こちらではFacebookやgoogleなどサービス事業者がデータを政府に渡していたみたいな話の時にも大炎上していたが、コンテンツの検閲とか政府の関与などには拒否反応が大きいので、この決定もどうなるんだろうか。これを契機にblockchainベースのP2Pメッセージングサービスが流行ったりするかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?