「音声」のこれから
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「音声」のこれから

Daisuke Minamide (Managing Partner, CyberAgent Capital U.S)

ポッドキャストの利用者が増えている。今さら?と思うかもしれない。たしかに技術としてはかなり古く、一般的に知られるようになったのはappleが2005年にitunesポッドキャストの対応してからだと思う。特に2018年から2019年には大きな成長をとげ、MAUが9千万人となった。InstagramやTik Tokを始めビデオ全盛のこの時代に、音声のみと言う一見地味なメディアだが、淘汰されることなくゆっくりと成長を続けてきた。

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source: Edison research

かく言う自分もSFまでの移動時間にたまに思い出したようにポッドキャストを聞いたりしていた。ユーザー暦としては長いが、盛り上がってきていると気付かされたのは、1-2年前に紹介されて会ったスタートアップがポッドキャストでビジネスを考えていると聞いてからだ。それこそ今さら?とその時思ったのだが、上記リサーチにもあるように、多くの10代の若い世代もポッドキャストを利用していると聞いて驚いた。

現在は1Mものチャネルがあり、30Mものエピソードがアップされている。様々なメディアや組織、個人が、様々なテーマについて日々エピソードを配信している。そんな中、昨日大きなニュースがあった。去年ポッドキャストでもっとも稼ぐ人気ポッドキャスターでコメディアンでもあるJoe Roganのチャネルが、Spotyfyで独占的に配信されることになった。Spotifyはこの数年Joe Roganのような人気ポッドキャスターや、オバマ前大統領、ラッパーのJoe Buddenの独占配信権を獲得したり、スポーツやポップカルチャーを配信するthe Ringerを買収したり、ポッドキャスト界隈でのポジション固めを行なっている。今でも一番のプラットフォームはappleとなっており、その牙城を崩すことを狙っているようだ。

また、コロナの影響で外出自粛・自宅勤務を余儀なくされ、自然発生的な会話ができなくなったが、自然に、あたかも友人や同僚が近くにいて会話するようなビデオチャットサービスが人気となっておりHousepartyなどがその例だ。Discordやtwitchもこちらこの流れで、もともとゲームプレイのライブ配信だったが、常時つながりを保つコミュニケーションツールとして利用が急増している。

ところが、この流れの中でも、音声を中心としたSNS/コミュニティーも立ち上がっている。先週大きなニュースとなったClubhouseだ。同社は友人同士でゆるい会話(文字通り音声による会話)ができTwitterの音声版とも言えるアプリを提供しているが、まだベータ版でapp storeやgoogle playで提供されていないにも関わらず、$100Mのバリュエーションがついたことで大きな反響があった。(同社の内容についてはこちらの記事に詳しい)

ティーンエイジャーの息子は、airpodを装着し、スマホで動画を流し、discordで友人とつながりながら、デスクトップのゲームをしている。傍目にも忙しいことこの上ないが、他を邪魔をしない「音声」はこれからも成長の余地があるように思う。



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Daisuke Minamide (Managing Partner, CyberAgent Capital U.S)
ベイエリアでベンチャー投資をやっています。 Evernoteの最初の機関投資家でboard observerやってました。 ベイエリアに進出する日系企業向けにTipsなどを発信しています。 https://medium.com/the-sun-also-rises