2020.04.04 デモクラTV本会議 書き起こし

デモクラTV 本会議
4月4日放送分

出演者
山口一臣(司会)
薄井崇友
吉田俊実
木下ちがや

<項目紹介>
4月4日 - 第364回
<特集>新型コロナウイルス・ショック
(1)世界を揺るがすコロナ
(2)「感染拡大」自治体 休校検討を
(3)医療危機的状況 緊急事態宣言は
(4)感染拡大 雇い止め連鎖
(5)景況感7年ぶりマイナス 中小倒産相次ぐ
(6)裁判延期 被告の権利侵害

★世界を揺るがすコロナ
<項目1>
トランプ政権は、新型コロナウイルスで米国の死者が10万人から24万人に達する恐れがあるとの予測を正式に発表しました。全国民が活動自粛を継続した上での目標数値だとし、感染拡大防止のための行動指針を守ることを徹底するよう呼び掛けています。また原子力空母セオドア・ルーズベルトでは集団感染が確認され、感染者や感染の疑いがある乗組員3千人近くを下船させ隔離しました。全世界での感染者は100万人近くとなり、死者も5万を超えようとしています。日本でも29日、ドリフターズの志村けんさんが亡くなり、国内の著名芸能人で最初の死者となりました。
<背景説明>
先週は約60万感染、死者が2万7千。
今週は約109万感染、死者が5万9千。

薄井
2日前、都市封鎖になってるシアトル在住の友人から連絡が来ました。スーパーへの買い物と散歩。後は家にいる。衝撃的だったのは、ワシントン州は4月半ばまで死者が増えると言われていて、ニューヨークも4月の後半まで増える、そういう覚悟をしてるという。日本はまだ少ないけど、とても心配してる、成田の映像、都心に人が集まってる映像が流れてるようで、社会的距離は取れないでしょう、と。日常ハグとかキスの習慣はないけど、満員電車とかには慣れてる。列にも距離を取らないで並ぶ。日本でこの後東京がニューヨークみたいになっていくんじゃないかと思ってる、あなたたちだけは元気でいてねと。日本がこのままで済むとは思っていない。

山口
山中教授も日本がギリギリというのはありえないとおっしゃってますね。

吉田
8割程度までかかる可能性があり、そうしないと収まらないと。爆発的にならないようにするのが重要で、抗体ができないと収まらないというのは初期から言われていました。イタリアとかアメリカ、中国…それは覚悟しなきゃいけないかと。軽症の方はかなりいて、抗体ができていた方も増えてこないと騒ぎは収まらないですよね。そこは覚悟しないと。でも私たちは身体と社会的活動のバランスをどうとっていくか。でも過剰に規制するのはどうなんだろう。さっき社会的距離という言葉がありましたが、ネーミングがまずかった。アメリカでも、physical distanceにすべきだった、social distanceにすべきだったという声がかなり出てきてます。そこらへんを使い分けていかないとまずいなと。どのくらいで収まるかが誰にも分らない。正しく怖がることが重要だと思います。

山口
電車がきついですね。さすがに今日はすいていてディスタンスをとれましたが、平日はまだまだ。ギュウギュウってほどではないが密な感じ。窓が閉まってると不安な感じがする。

木下
日本の新聞にも数字は出ています。
統計が大事で、イタリアは減り始めている。対処をすればどうなるかが統計的に出てきている。そういうところを見るのが大事。日本は検査数は少ないけどカーブが緩い、他の国は跳ね上がってる。アメリカは跳ね上がっている、これは社会的劣化の現れで、非常に深刻だと思う。日本はまだ社会保険制度が機能している。ファクトが大事。
マスクの話、一世帯二枚。なんであれが出てきたのか、提案したのは今井さん、官邸官僚。原稿を書いたのは今井さんの部下の佐伯さん。この人たちが一斉休校をやれと言った。安倍政権は全体を見渡す人がいなくなってる。1999年にJOC東海村の臨界事故があった、仕切ったのは野中さん。311を仕切ったのは枝野さん。でも今回菅官房長官の影が薄い。6月に県議選があるので観光振興名目で沖縄に行ってたが、そんな暇あるわけない。今の状況で23区を出ちゃだめ。総合調整をやるべき。阪神の時は野中さんが自治大臣。コロナ対策担当大臣は菅さんがやるべきだったのに、西村さんという今井さんの息がかかっている人。そのへんからずれが出てきている。マスクの対応も、経産省としても緊急事態宣言を出したくない、そのアピール策としてのマスク。国家があって系統的で一貫した政策を出しているわけではなく、医師会は激怒、財務省は金を出すのヤダ、それぞれがケンカしてる状態。対応としては危機的な状況。

山口
振り返ると誰が司令塔なのかはっきりしない印象。そもそも初動が無茶苦茶遅かった。ダイヤモンドプリンセスの前から国内で感染者は出ていたのに…。あの頃政府は何をやっていたのか…

吉田
おそらくオリンピックのことがあったので、政府としては内外に向けて大変な状況になりそうだとは考えたくなかったんでしょうね。アピールもできないし。

山口
小さく見せようと(笑)事故や不祥事、スキャンダルは小さく見せようとするけど。とてもその相手ではなかったと(笑)

吉田
予測はつかないわけですよね。最近になっていろんな情報が入るようになりましたけど。ダイヤモンドプリンセスにしても、こうすればよかったというのは後からは言えますが。2週間ぐらい前から、ワシントン・ポストがfake diseaseっていう、4つのパターンを出してシミュレーションをしていた。休校と重なってたけど、それなりのシミュレーションを出してほしかった。それをやる人が政府内には誰もいない。ワシントンポストはわかりやすく出していて、いくら封鎖しても今のグローバルでは無理。爆発的なことは緩められるかもしれないが、戻る。みんなが抗体を持つまでは無理。それが到達地点なら、そこを見据えてカーブを緩やかにする方法を考えなきゃいけないが、政府は誰も考えてない。そして腹立たしいのは、女性たちは自作のマスクを2月から作っている。パジャマ生地がいいとか。ここにきて布マスク! ある種男性的ですよね。それをやれば、不安が収まるんだといったわけでしょ。パット消えるって。その発想が生活に密着してない。それぞれの家庭の妻にどうだろうかって聞いたらみんなもやってればやってね言ってるはずなんですよ。生活の中で予防しなきゃいけないのに、誰にも届いてないんだなと。それが腹立たしい。

薄井
テレビ見ていて、皆さんサージカルマスクをしているのに、安倍首相だけは何でガーゼのマスク…とずっと思ってたんです。そしたらこのガーゼを配るニュースが出てきた。カイワレ食べたり、福島産の野菜食べたりするのと同じ。総理大臣がしてるんだから安全ですよみたいな話で滑稽。志村けんさんが健在だったらネタにするんじゃないか。私は吉田先生と違う印象で、台湾は12月末に水際で防ぎ始め、韓国もすごい検査をしていた。なぜ日本は何もしなかったのか。準備しておくのが本来の国防のはず。軍艦買ったり戦闘機買ったりするような予算はあるけどもその感染症対策の予算はない。予算も削減されてパンパン、そういう中でのコロナでくたくた。医療関係の感染者も多い。これ以上増えると対応できない。軽症の感染者は治療に当たれるので、感染者だけが集まる病院を作ればいいのでは。医療者で感染した人を隔離したらいなくなっちゃう。元気で動ける陽性の人は治療に当たれる。感染リスクはない。そういう対処をしていかないと、もともとギリギリでやっていた、PCR検査も週末に減るのは技師も休むから。週明けボンと増える。検査すること自体も実は検体を取る人が必要だが人員が用意されていない。もうギュウギュウ。そこがプチっと切れると日本もニューヨークみたいになってもおかしくない。

吉田
韓国もそう抑え込まれてはいない。叔父たちが韓国にいますが、出ないようにしている。最終のところはみんなが陽性になるしかない。カーブを緩やかにしていくしかない。韓国が減ってきているというが、2波、3波があると言われている。

山口
過去の危機、東日本も阪神淡路の時もは司令塔がいた。情報としては早い段階から上がってきているべきなんだけど、地震とちがっていつがスタートかははっきりしない。今回の危機に関してはね。それにしても予測ができなかったといえばそうなんですが、初動の評価は?

木下
最悪のタイミングだった、というのは、安倍政権がだんだん求心力を失ってる時に起きた。正月あたりからスキャンダルがドーンと出たけど、その方向性はすべて菅官房長官の方を向いていた。彼が外されていくという過程の中で起きた。その隙間みたいなところに、結局今井さんしか残らなかったってことですね。安倍政権が強かったのは、麻生さんが財務省を押さえて、菅さんが官僚全体を押さえて、二階さんが党を押さえてっていう、鉄の三角形の上に乗ってたから強かったわけですけど。でもそれが崩れちゃって、ヒトラー最後の10日間みたいな世界。自分の側近しかいないんです。そこがスタートアップになってしまったんで、厳しい。変な話、専門家会議、一斉休校のときなど最初は話を聞かなかったのに、ある時期から話を聞くようになった。どうしようもなかったんだと思います。ある程度科学者の意見を聞いてやらざるを得ないという風に触れる時もあるんです。ところが今度また今井さんに振れてマスク2枚。一貫した指令系統が崩れていることがわかりますね。どんなに汚い歯車でもないよりましってことです。歯車自体が壊れちゃってると思うんですね。

山口
安倍さんと菅さんの関係がかつてほどよくなくなってきたのが、今回対応がギクシャクしてい原因じゃないかっていうことと、年末から年始にかけて桜を見る会とか広島の選挙違反とか色々勃発して、たぶん安倍さんとしては挽回のために習近平の来日、オリンピックというのがあったと思うんです。まだ1月だと、オリンピックも7月だし。小さく見せることによって「コロナ?風邪だろ、しょせん」みたいな気持ちはあっただろうと思いますね。

木下
森喜朗さんが2日前くらいにインタビューを受けてて、なんで一年後に決めたのかといったら神頼みでしたと(笑)。何の根拠もないわけです。安倍さんにも2年っていったんだけど、結局1年。今井さんだと思うんですけど…

山口
あのインタビュー衝撃的ですよね。

木下
衝撃的です。森元総理、まったく自信ないじゃないですか。もうどうなるかわかんないし、オリンピック金かかりすぎるし、このままだとダメになってしまうと、やたら素直に書いてありますし。でも本心でしたね、あれたぶん。でも結局、森喜朗とかあのへんのレベルの人間がまとめなければ、まとまんないからやりました、みたいな。そういう話ですよね。読んでる方が不安になってくる話。

薄井
オリンピックを1年ずらすと発表した日、アメリカの大手製薬のジョンソンアンドジョンソンが、ワクチンの開発が順調に進んでて、9月から人体実験始めて、来年の早い時期に実用化できると。スケジュールを出して、即、あの時期になった。タイムからすると、どうしようかと思ってる時にちょうどいい情報がきて、3月にできるならそれから4,5カ月たった7月で、テレビとかも1年ずらすだけで…っていうどんぶり的な印象です。でも製薬に詳しい人に聞くと、ワクチンはできても、人体実験始まって順調にいくとは限らないと。でもすぐIOCとJOCと東京都と国が集まって1年後で行こうと。バクチうってる、賭けですよね。ジョンソンエンドジョンソンの発表ですら賭けなんだから。

山口
僕からすればデタラメですよ。まずあの人たちは通常開催を主張していたんですよ。つい2週間くらい前まで。それを急に手のひら返し。薄井さんおっしゃるように、ワクチンかもしれないですよね。森さんは2年ぐらいって言ったんだけど、安倍さんはワクチンができてるって言って押し切った。そんなの誰が考えてもわかるじゃないですか、2年経ったら安倍さんはいないかもしれないけど、1年ならギリギリ、任期の中でやりたいからでしょって。誰もが思いますよね。
たとえワクチンができたって、アスリートは練習できなかったら意味がないんですよ。運動会の日、晴れてても、それまでずーっと雨だったら、練習できないんですよ。二言目にはアスリート・ファーストとか言うくせに、まったく考えてないなって気がしますけど。吉田さん、来年オリンピックできると思いますか?

吉田
どうなんでしょうね。ただこの状況だと、ある程度バクチ的なことにならざるを得ない。確証はどこにもない、シミュレーションしても前提となる情報がどれが確実とは言えないわけですから。これまでの経験則の中でしか言えないわけです。感染症の方たちがfake diseaseだと発表するのもそうなわけで。
百歩譲って、ある程度はしょうがないと思いますが、いまこれから最終的にどういう形で社会とコロナウイルスが折り合っていくのかを見定めながら日々の生活を積み重ねるしかないのかなと思っています。その意味ではマスクっていうのは…司令塔がいないなら、菅さんが機能してたらマスクって言わなかったのかな? それはちょっとわかりません。やっぱり日々の生活の中で出てくる、考えられるシミュレーションがあるわけなのに、それすら無視しているのがとても気になっていて。私たちの体のこと、日々の生活のことなんです。手を洗う、うがいをする、手袋をするっていうね。そこで考えられる事ってあるわけで、それ自体を積み重ねていない気がします。菅さんだったらマスクが出なかったかどうかはわからないけれど、私は正直、生活感、生活身体というものに関してとても鈍い方だと思います。怒られそうだけど。そこは全然信用していないです。

山口
鈍いと思います。

<項目2>
政府の専門家会議は、感染状況に応じた「感染拡大警戒地域」「感染確認地域」「感染未確認地域」の三つの区分を示し、感染拡大警戒地域の自治体は学校の一斉臨時休校も選択肢として検討すべきと提言しました。また東京都教育委員会は、新学期の6日に予定していた都立の高校や中高一貫教育校、特別支援学校の再開時期を見直し、大型連休の5月6日まで休校にすると決めました。小中学校を設置する区市町村、私立学校にも同様の対応を強く要請しています。

山口
学校の休校延長という話ですが、その前に突然言われてみんな困ったという事件があって、木下さんが言うように今井さんの発案。もっと言うと、北海道で評判が良かったから、東京でやれば不安がパッと消える…みたいな話だったんじゃないかと思うんですが。吉田さん、学校の状況はどうなってますか?

吉田
きょうの東京新聞に一斉休校、特に小学校に関しては効果がなかったんじゃないかという記事が出ていました。これも言い切ることはできませんが、10代前半、10代未満の子たちの中で集団感染は起こっていない。この一カ月ぐらいでデータの蓄積ができています。
学童クラブはやっています、テレワークができない方とか、医療関係の方とかは預けざるを得ないですから。私の友人は学童で仕事をしているんですが、悲鳴を上げています。8時から7時まで仕事、預からざるをえない。11時間、学校の代わりだから。基本は放課後なのに学校がなくなっちゃってる。とにかく学童の方たちが限界に来てる。でもそこでも集団感染は起きていない。子供たちはむしろ学校に行かせた方がいい。世田谷区は54人の感染者だが、保坂さんは世田谷区は一斉休校しないと決めましたね。午前と午後に分けてphysical distanceが取りやすいように。ローテーションをきちんと作ってる、リーダーシップだと思います。思いつきじゃなくて、データを集めての判断。きちんと他のところにも見て頂きたいですね。
テレビがひどいですね、とにかく休校にしろと医者が言ってる。医師会と専門家会議でも違うんでしょう。

薄井
感染症の教科書にスペイン風邪のときのフィラデルフィアとセントルイスの対応の違いが出ています。それがエヴィデンスとして勉強してきてるのが先生方だから、学校はやめろ、集団はやめろというのが背景にあるから強く言う。
子どもたちは、学校があるはずの時間には家にいて勉強したりしてるけれど、夕方になると公園にいっぱい出てきたりしている。だんだん慣れてきて、彼らは彼らで友達と会いたいですから、一緒にいる。学童は取材させてもらえないけど、入ってる子どもたちの数を見ると安全な密度でもないし時間も長い。少子化で教室も余っているから、半分に分けて使うとか、空間をゆったり使うことはできますよね。

吉田
世田谷はそれをやって再開するんですよね。むしろ学校の方が安全じゃないかと、専門家会議の会見で副座長が言ってる。専門家会議はいろんなデータを集めてる。テレビで強硬におっしゃってるのは、自分たちが習ったからなんですね。自信ありげに、「医療者から言うと」って、テレビに出てる医療関係者の情報と専門家会議がずれてる感じがしますね。

木下
テレビに出てくるのは専門家じゃない人が多いですね。なんで出てくるのか理解できない。かなり素人です。不要な形で不安をあおるコメンテイターが多いなと思います。

薄井
専門家は現場で治療にあたっててテレビに出られないですよね。

山口
吉田さんがおっしゃるように断定はできないと思いますが、原発事故の直後に地上波のテレビに出てたんですけど、専門家って呼ばれる人が、AさんBさん出てくるんですけど、Aさんは「この程度大丈夫ですよ」って、本気で言うんですよ。Bさんは「大変なことになる」って本気で言ってて…つまり何が言いたいかっていうと、誰もわからないという状況に、いま近いんじゃないかな、と思うんです。

吉田
ただ一方で、そろそろデータは集まってると思うんです。

山口
今はね。

吉田
でも今のテレビがそう言ってる。一方で、東京新聞なんかは、ちゃんとした情報を上げて、インタビューもしてるわけですよね。でもいま新聞とる方も少ないし、ついついテレビ、朝から晩までずっとやってますから。私もちょっと見てびっくりしちゃいました。

山口
木下さん、学校を休みにするのはどう思いますか?

木下
こだわるのは最初の一斉休校、ああいうことを法的な根拠もなくやってしまったわけですよね。インフル特措法ってもともとサーズのために作った法律です。緊急事態宣言があるから反対だっていう人がいるけど、あれはあってよかったんです。なんでかっていうと、みんな条文読んでないですけど、新型インフルエンザができたときに地方自治体がどういうことを準備しておけばいいかっていう、ベースになる法律です。ところが安倍政権はそれをやらなかった。たとえば横浜市は備蓄したマスクは20万、それが一瞬でなくなりました。いま中国からもらって喜んでますけど。そのぐらいサーズの教訓をきちんとやってこなかった、しかもする必要もない法改正、いまだに緊急事態宣言出さない、対応できない、その間にまったく法的根拠のない形でロックダウンだ何だという言葉が跋扈してる。これはもう法治国家として崩壊してるに等しい。
根本的な問題として一つあるのは、やっぱり「責任を取りたくない」ということなんです。法を発動するというのは責任をとること。あれだけ憲法で緊急事態条項を作りたいという安倍さんが、緊急事態宣言で戸惑っているわけです。結局危機に強い安倍だっていうのは、ファンタジーで言ってただけなんですね。決断はできない。なんでできないかっていうと、ある決断をしたときに、経済危機が深まっていく。多くの商店がつぶれる。責任は自分になりますよね。とりたくない。かといって、大規模な経済出金ができるかというと、これができないわけです。なかなか。
二つ理由があります。一つは渋ってるだけじゃなくて、ドイツはGNPの3分の1放出しましたよね。なんでかっていったら、ある程度健全財政だったからです。ところが日本って8年間のアベノミクスでもう完全に放漫財政。しかも国民のための分配はせず、いざというときに撃つ弾がないんですね。

山口
だからか!

木下
100兆円国債を発行するっていうけど、ドイツは余裕でできるけど、日本はこの状態で発行して、どうなりますっていう話。国際的に円安が加速してインフレになるかもしれないわけですよね。
そのぐらい今までアベノミクスを許してしまったことのツケが、ここにきてしまっているわけですよね。そういうこともあって、早くに決断できない。
それでもここで決断しないで放っておけば、大変なことになる…という局面にあるわけです。
で、一斉休校の問題は、法的な根拠に基づかないで初めて、で、また法的な根拠に基づかないで解除だなんだって言い始めてる。もうズルズルにやるのはいい加減にきちんとしないといけない段階にきてる。法を執行するというのは責任を負うわけですから、その責任をきちんと負う体制を作んなきゃいけない。もう限界地点に立ってると思います。

薄井
都立高校はゴールデンウィーク明けまで休みとなったけど、それで収束するとは限らないわけですよね。でもそこでいったん区切りを見せる。オリンピックの日程もそうなんですけど、そういう区切りを見せないと市場が不安になって…結局株式市場向けのメッセージ色が濃くて、学校の休校期間っていうのは、チラチラ都の方の話なんかを聞いていると…
都知事の会見の翌日から、都の施設は12日まで閉めますということになって、ドッグランも閉鎖になりました。何が関係あるのか。ドッグランはいいでしょう。でも一律で閉めるんです。公園を管理してる人と話すと、どうも、12日じゃすまない、いや、19日も、ゴールデン明けまでも…みたいな。他のところで聞いてみると、学校の休校はひょっとしたら秋までなんじゃないかと。9月1学期っていうのを望んでる人たちいますよね。だからそれでいいんじゃないかっていう声もあります。
ほかの事業体がどんなことをしてるかっていうと、入管は外国人労働者…技能実習生。あの人たち、ホントは3月で帰って、新しい人は来るはずなんだけど今入れないんでしょ。だからもともといた人たちを、手続きをすれば延長できるようにしてるんですけど、四カ月なんです。夏ぐらいまではいられるようにしている。で、教育実習が秋からっていう風に変わりましたよね。意外と、他のところでは、夏休み明けまではダメかもという形で動き始めてる印象はあるんです。ただ、いっぺんにそういっちゃうと、経済的に負担が大きい、何かアクションあるかもしれないから小出し。とりあえず春休みまで、次はゴールデンウイーク明け、次は…どこになってくるかわからないけど、やっぱり夏ぐらいまでは収束難しいよねって、現場も、それから官邸も、感染症の専門家も見てるんじゃないか。

木下
そうでもなくて、指揮系統というか、危機管理をするときのいろんなズレがあって。市役所にいる後輩と話しましたが、マニュアルが震災時のもの。全然違うじゃないですか。何をしたらいいか、みんな一日中市役所の中でその話をしてるんだけど、三多摩地域の役所ですが、そんな状態。たぶん保健所でも、都心部と多摩では全く違うと思うんです。その辺を都がうまくコーディネートすることが、たぶんできていない。
緊急事態宣言出せって話になってますが、出したにしても、それを自治体が効果的に使う体制がまだ整ってなくて、医療のバックアップができていない。みんな違う。いまは風評だけど、風評でやっちゃダメなんですね。どこまでで切って、ここまでこう計画的にやるって。できなかったら後ろに倒していく。たぶんそれができてないんだと思います。

山口
特措法を活用していなかったのが大きかった。古川さんが毎日新聞に答えてましたが、きちんと活用してればよかったんじゃないか。舛添さんもツイートされてましたが。

<項目3>
日本医師会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大によって一部の地域で病床が不足しつつあるとして「医療危機的状況宣言」を発表、「感染爆発が起こってからでは遅く、今のうちに対策を講じなければならない」として、政府が一刻も早く緊急事態宣言を出すよう改めて訴えました。一方、安倍首相は国会で「今この時点で、宣言を出す状況ではない」と強調しています。緊急事態宣言が発令されれば、知事は施設利用やイベント開催の制限、物資の政府への売り渡し要請など、私権制限につながる大きな権限を持つことになりますが、発令要件は曖昧で、どんな状況でいつ発令されるのか不安が残されています。

山口
確かに不安ですね。医療崩壊の話と緊急事態宣言の話、2つテーマがあると思います。最初に緊急事態宣言についてご意見を聞きたいと思いますが…

木下
想定が難しくて、緊急事態宣言を出すことで一番効果があるのは医療分野。病院の接収の話があったが、接収してもらわないと無理なんですよ。というのはいくつかの病院はフロアを全部空けようとしている。そうしないと無理でしょう? 空けると全部他にしわ寄せが行きます。1フロア空けて、一カ月空っぽだったら、病院潰れますからね。そのぐらい回転を落として一カ月空けるというのは無理なんです。小池晃さんがテレビで言ってましたけど、だったら病院ごとそれだけにするという形にした方が、民間病院も楽なんです。そういう指定、接収を補償をつけながらやるという点ではすごく有効なんです。
で、外出や移動の規制は、結局要請しかできないので、事実上アナウンス効果ですね。罰則もないですから。
もう一個、いろいろ騒ぎになってたんだけど、感染法を政令で改正して、コロナも知事の権限で72時間で区切るって騒ぎになったけど大した話じゃないんです。なぜか、あれはエボラ出血熱とか出た時用の法律なんです。さっき東海村JOCの話をしましたが、あの時、野中官房長官は常磐線を止めてるんです。つまり、原発関連施設とか、エボラみたいなのが、特定の地域で大発生した時、それを完全にブロックするっていうものなんです。ところが東京全部の都市封鎖でその法律使えるかっていったら、電車は絶対止められません。なんでかっていうと、医療従事者が電車で通っているからなんです。もし全部止めたら、全部医療が崩壊するんですね。止めることは不可能なんです。絶対に。
電車は止められないから使いようがない、もう手がなくて、たぶん強いてできると言えば、もう警官が職質して家に帰れって言うぐらい。これも任意でしかできないというのが実態だと思うんです。
外国みたいに罰金つきの外出規制はできない、日本の法律では。その程度の条件のものなんです。どうやって効果的に使うか、っていうことを考えないと。
だからこそ、店舗を閉めてもらいたかったら、補償がないと閉まらない。自発的に閉めてもらうために、国が補償するってことをしなかったら、まったく機能しない緊急事態宣言であるってことは踏まえないと。

山口
最近新聞を見ると「自粛を強く要請した」とかね。日本語としてどうなんだろうっていう言葉がよく出てますけどね。そもそも特措法の改正は緊急事態宣言を強めたいからじゃないかっていうこともずいぶん言われてましたが、もともとできたんですよね。

木下
できました。あれも結局、今井補佐官が、民主党政権の法律使いたくないっていうだけで。結局、俺が作った、安倍さんが作った、やってる感改正だけで何の意味もないんです。

山口
古川さんのインタビューでも、できるんだからやればいいのに…って言ってましたけど。緊急事態宣言、都市封鎖…聞くところによると、小池さんはずいぶん都市封鎖にこだわってるみたいな声も聞こえてくるんですけど、そのへんはどのように見てらっしゃいますか?

吉田
緊急事態宣言、どうなるんだろうと私も最初は思いました。でもいろんな情報が出てきて、そんなにできることはない。それは正直いってちょっと安心してる。罰金とか…

山口
出歩いちゃいけない、逮捕とか…

吉田
それはまずいと思っていて。いくら諸外国はそうやっていても、日本はその道を行くのは嫌だなと思ってるので…
そういう意味では緊急事態宣言を出すか出さないかというのは、医療現場、どれくらいなら入院なのか、それがもう少しきちんと出てくれば、当然出すタイミングってあると思うんです。医師会と専門家会議はずれてる気がするが、医師会は出してほしい、出させようとしてますよね。たぶん重症化の入院患者はどれくらいいるのか、それから軽症はどれくらいいるのか…っていうことがデータできちんと、いま出ているわけですから。そのへんを判断材料にすれば、出す時期は当然、決まってくるのかな…って。

木下
全国的にみると、地方と東京神奈川との落差が物凄い。地方はかなりのところがそんなに感染者が出ていない。聞いていると、シミュレーションしているが、東京神奈川は逼迫状況。そうなると埼玉と連携、でもできないって。そういう次元の話になっている。東京と神奈川をなんとかしなきゃいけない。

吉田
軽症の入院患者もいる。味覚障害が出たスポーツ選手、そんなに重症化してないけど入院、隔離されてますよね。

山口
法的に隔離しなきゃいけないから。

吉田
でも一方で自宅療養とかも言ってません?

山口
いま言い出してますね。

吉田
そのへんも…私が咳して怪しいなっていうとき、じゃあ、様子を見ようというときどうすればいいのかっていうこと。そういう判断材料がもうちょっとほしいな。病院に行ってPCRを受けて陽性となったらすぐ隔離されるのか、どうなのか。ちょっとまだ曖昧ですよね。

木下
みんな施設を貸してくれない。隔離用の。みんな貸したくない。きのう日本財団の笹川昭がどーんと貸してくれたけど、たぶん手をまわしてくれたんだと思いますよ。選手村を使うとか言われてるけど、…

吉田
個人としてPCRを受けて、陽性だと一人出ました。そうするといった病院はどうなるんですか? すぐ入院はしないからいったん家に帰るわけですよね。どうですか、そんなに苦しくありませんといったら、そのあとどうなるんでしょう。

薄井
軽症の人を自宅で、というんなら、どう隔離するかアナウンスしないといけない。一部屋たとえば感染者用の部屋を作って生活をわけろとか、トイレはどうするのか、食事は、マニュアル化して誰でもできるようにしないと。

吉田
そのへんすごくぼんやりしてます。

山口
新聞に指針が出ています。患者は個室で生活、食器・寝具・歯ブラシは共有しない、患者の世話は特定の人がマスクを着けて行う、患者が触れるドアノブなどはアルコールなどで一日一回以上拭く、個室が確保できない場合は全員がマスクをつけ十分に換気…っていうのが、厚労省の指針で出てる。あとトイレはどうすんのかなあ。

吉田
それは誰が判断するのかってことなんです。病院は受け入れたくないってことなんでしょう? 設備がないと受け入れられませんよね。

木下
都なり自治体が設備を準備しなきゃいけないんだけど、借り上げが難しい…滞っているんだと思います。本来はもっと早くやるべきだったのと、変な話、強制接収でもしないと…難しいかもしれない

吉田
そのへん、早く、どの程度の人たちを入院させるのかっていう…その指針だと、うちにいていいってことになっちゃいますよね。

山口
軽症の人はね。

吉田
軽症っていうのはどういうことなのか。

木下
医者の判断ですね。

吉田
医者っていっても、たぶん設備に基づいた判断ですよね…

薄井
コロナの人は来ないでくださいって、張り紙してる個人病院もけっこうありますよね。

木下
じっさい九州のある病院で…大量発生しましたよね。事情を聞いたらかなり気を付けていたらしいんですよ。でもダメだった。ものすごい賢いウイルスなんですよね。賢すぎて、うまく潜伏して…たぶん、ひょっとしたら、言ってるのは食堂だったかもしれない。そうとう防護対策してたのに広がってしまった。

吉田
感染者が出たらどうなるのかという、具体的な情報がもう少し欲しいですね。

木下
具体的な策はないんですよ、たぶん。どうしようもないわけで。かかる確率を減らすための行動しかない。それが実態です。それほど感染力がある。

薄井
重症者を集める病院、棟みたいのがないと。医療者も分散していろんなとこに行かなければいけない。強制的に何かをするなら、1950年くらいまで東村山に…今でも国立病院がありますが、私そこでオペを受けたことがあるので…元は結核病院なんです。今でもそう言われてる。そういう場所があったわけですよね。同じように、この病気の重症者を入れる病院と、中ぐらいの人を入れる病院と、数で分けて作って、一般の病院と分けないと厳しいんじゃないですか。

吉田
その準備を始めないとまずい。病院はほかの患者さん、いっぱい入院してるわけですから。

山口
だから緊急事態宣言が必要なわけですね。

木下
あった方がいい。難しいのは、病院ってある種のボス社会じゃないですか。やっぱり医長、院長たちの権限っていうか…しかも、どうも聞いてると、けっこう縦割りでやってくるわけで…いちばんいいのは、病院の院長を全員集めてそこで決めさせるのがいちばんいいだろうと。なぜかというと全部割り振りしなきゃいけないですから。一個入院病棟を空けるって、ものすごい大変なんですよ。全部散らさなきゃいけないでしょう。それを都の自体がうまくできてないんです。上から上から命令で、これやってくれ、これやってくれって…でうまくいかなくて、ってことをたぶん繰り返している節があって。ただ医師会の会長が出てきたっていうのは、もう出てこざるを得なかった。医師会として団結してやるっていう風に指揮しないと、もう都に任せてたら、ダメだっていうんで、出てきたんだと思うんです。東京医師会の会長、フェイスブックで訴えてましたけど。

吉田
そういう意味での緊急事態宣言なら出した方がいい。医療現場もいろいろあるでしょうけど、テレビに出てる人じゃなくて、医師会として緊急事態宣言っていうのは、そういうことを考えていらっしゃるから、出してほしい。そしたら、出れば私たちなんかやりますよってことかもしれない…

薄井
現場の医者がメールでみんなに流してくれって中で、すごい緊迫してるんだなって思うのは、これまではみんな助けようと思っていたが、これからは命の選択が始まると。医療者にとってつらい話ですよね。みんな痛みをとってあげて命を守るのが仕事で、そのためにがんばってるのに、命を選択しなきゃいけない。それを判断するのはドクター、その時に来ているとメッセージ、みんなに知ってほしいと。できるだけ感染しないようにしてくれ、一人一人が努力してくださいというメッセージなんですが、それだけ現場は緊迫している。

木下
この2日、3日でテンション上がりましたよね。そうとう雰囲気が変わってきてますので、

吉田
緊急事態宣言が、おもに医療現場のためのものなんだって考えると、すごく納得できますよね。結果はそれほど強制力ないわけだから。

薄井
ちょっと怖いのは、2週間前の金曜日、3連休でデモ集会がなくなったので久々に富士山を撮ろうと思って、河口湖、山中湖に行ったら、すごい人が来ているんです。外に出してあげられないからって、子ども連れでいっぱい。ちょっとしたテーマパークぐらいの密集になってるんです。2日後、世田谷美術館に行ったら、ここもすごい人でみんな花見をしている。それから2週間がそろそろ。広まっているんじゃないかと、その結果が出てくる。医療者もそれを恐れているんだと思います。

吉田
断定はできないんですけど、コドモ間は感染が広がらない、むしろオトナの間から広まるんだってことを、今日の東京新聞でも専門家委員会の方がおっしゃってるので、どうなんでしょうね。

山口
皆さんの話聞いてると、なんでみんなが不安かっていうと、自分が感染するかもしれない、重症化するかもしれない、ひょっとしたら命が危ないかもしれないっていうことなので、それに対する安心感を与えるっていうのは、マスク2枚配ることじゃないですよね。どう考えても。さっきから皆さん説明してくれてるように、かかったらどうしたらいいの? っていうのが。かかったらこうしてこうなります、軽症の人はこういう施設がありますよ、とかね。あるいは重症化したらこうなってます、ちゃんと確保されてますよって。なぜそれができないんでしょう?

木下
いろんな理由がありますね。たとえば。橋下徹さん、大阪の知事をやってた人ですけど、こういうツイートをしてます。「僕がいまさら言うのもおかしいところですが、大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立市立病院など。そこは、お手数をおかけしますが見直しをよろしくお願いします」
無責任な…保健所なんてこの20年で半分くらい減ってます。すごい統廃合が進んでますので。病院に関しては言うまでもなく…余裕がなくなってる状況が作られてきてるわけですよ。それでもアメリカよりはましだと思いますけど。アメリカはホント悲惨ですから。
保健所の制度が追い詰められている。検査って防護服を着た二人の人間が数時間かけて一個やるわけです。ものすごい手を取られるわけで。電話も一件20分かけてたら、一人一日10本程度しかとれない。そのぐらい制度的に追い詰められてる。新自由主義で切り詰められてきたことが、こういう形でツケになってるんだと思います。きのう、日本看護協会が退職した5万人ぐらいの人に復職を呼びかけてる、他の国にも波は広がってきていて、やめた医者とか戻っていく、これはある種の国家総動員ですよ。それをやらざるを得ない病気なわけですよね。そうはいっても、かかった人間が診療するのはたぶん無理です。やっぱり入れ代わり立ち向かっていかないということになると…これからその人たちの声が出てくると思います。なんでやめたんですかって。イギリスでたぶんバングラデシュ系の女性医師が出てきていて、職場で疲弊したからやめたが、医者になるときに誓いを立てたから人類を守るために戻ってきたと。みんなそういう思いで帰らざるを得ない。でも大量の看護師さんや保育士さん、公共の仕事をしている人たちが続けられないからやめた、あるいはジェンダー的なバイアスがあってやめてる人たち。その人たちにこの社会は戦えって言わざるをえなくなるんです。これはやっぱり…なんていうか、皮肉ですね。
あと、きのう看護協会の会長が訴えてたのは、医療者に偏見があって、看護師が病院を出たところでタクシーの乗車拒否にあったりしてるわけですよ。

山口
看護師の子が保育園で違う部屋に預けられたり…かわいそうすぎるよね。

木下
そうなんです。少なくとも彼らは英雄ですよ。いま医療人は。なのに日本はそういう人たちを称えないというか、励まさないのか。日本の医者の嫌なところはあるんですが、そこを変えていかないと。

山口
嫌なところが見えたっていうと、厚労省の、風俗業で働いている…

吉田
それほんとにね、びっくりしましたね。怒りの一つなんですけどね。風俗と接待を伴う飲食店は対象にしないというんでしょう。ちゃんと税金を払っているのに。公金に値しないって。加藤はそれを変えないという。とんでもない。

山口
似てるのが、自民党の女性議員でマイナンバーで現金給付すると、外国人まで給付されちゃうって。よその国は全部外国人配ってますよね。

木下
この社会で生きている全員を救わなければ、必ず感染が広がるわけで…言ってる事意味が分かんないわけですよ。

薄井
100年前のスペイン風邪の時も、日本で死んだのは39万人って発表があるんですけど、あれは日本国籍の人だけ。日本人じゃない人もも加えると45万人、6万人ぐらい増えるんですよね。2つの死者数が日本ではあって、日本の上で死んだ人、日本国籍で死んだ人、発表が違う。公は39になってる、そういう国なんですね、それは変えないと。日本国籍もってなくたって、感染してる人がいたら、その人はうつしていくわけだし、命の危機もあるわけだから、それはダメですよね。

山口
こうなってくるとね、先ほど薄井さんおっしゃってましたが、そもそもいっぱいいっぱいだった医療現場に、これだけ新たな負担が加わると、病気はコロナだけじゃない。

薄井
感染症研究所の研究員の人って、そもそも専門を持っている。このことだけやれないんです急に。自分のやってた研究なり、いろんなことしながら、このこともやんなきゃいけないし、人員も切られてきてるし、…たぶん富山より和光の方が多いと思うんですが、患者を診ないで研究しなきゃいけない人も疲弊してると思うんです。医療現場で分かってる人はやってるけど、もうギリギリだよっていうのがさっきのメールのメッセージで…。中でやってる先生が提案としておっしゃったのは、要するに感染しちゃっても大丈夫な人は、治療できるような現場を持ってやんないと医療者が足りなくなるということと、もう一つ。
ちょっと変な例なんですけど、犬には狂犬病がある。ワクチンを打っても必ず抗体ができるわけじゃないんです。アメリカに自分の犬を連れてって取材して帰ってくるというのを3回やってるんだけど、抗体ができてるという証明書が必要なんです。今日ちょっと持ってきたんだけど、これ死んでしまった初代の犬のパスポートなんです。ワクチンを打って、そのあと血液を送って、抗体ができてるって証明をもらうんです。これと、獣医さんからもらったワクチンを打った証明、あれば15分で入国できるんです。ないと3カ月置かれるんです。その間に発症するかもしれないから。これを考えると、抗体検査して、抗体がある人はいいっていうジャッジができるから、ワクチンを打つより、ひょっとしたら市中感染で抗体ができてる人もいるはずなんです。それをできるキットっていうのができてるんです。拡散してくださいっていうのを勧めた先生が、…相模原の病院にいる牛山先生が教えてくださったんですが、検査キット、保険きかないので5千円かかるが、検査すれば抗体ができているかどうか検査できるそうです。医療者から逆にこの検査やってもらって、抗体ができてる人は感染しないわけだから、防護に関して楽になるわけです。ホントは全国民がやったほうがいいくらいで…

吉田
感染して症状が出ないくらいで抗体ができてるって人たち…

薄井
それもいるし、無症状の感染者もいっぱいいるはずだから、その人たちは抗体をもっているわけですよ。それを判断するのがこの検査。犬の証明書は2年間有効なんです。これがどれくらい有効なのかはわかんないけれども、抗体ができてる人は感染しないんだから、ツベルクリン反応みたいなものですよね。それをやって、証明書を持ってる人は、どんどん出て経済活動してもらっていいわけじゃないですか。

吉田
うつさないし、うつらない。

薄井
ドイツはやるといってる。PCRからこっちに切り替える。すごい進んでるし早いし合理的だし考え方が。ワクチンできなくても、2年ぐらいで自然に抗体ができて収まるんじゃないかと、だったら早いうちから抗体のできた人とない人を識別して、できた人には免許証っていうかパスポートみたいなものをあげて、私はこれを持ってるから大丈夫ですよ、って社会活動して街の中に戻ってもらう。
日本の場合はまず医療者からやっていって。

吉田
マスクよりこっちの方がいいんじゃないですか?

薄井
もちろんです。逼迫した医療現場では、そういうのがあることがわかると周りに流して、みんな注文してるから簡単には買えないけど、薄井さんほしいなら買えますよって。5セットパックで2万5千円。自分でできるらしい、あるいは病院にもってってみてもらうか。狂犬病は噛まれたら死んじゃう病気ですけど、これだって同じですよね。抗体もってたら安心じゃないですか。それをジャッジできるカラーチャートができているわけだから。赤字国債だなんだより、これをリスクの高い人からやっていけば。そういう対処が合理的だと思ういます。

山口
とにかく、何はなくとも医療現場が壊れないように…

木下
結局、どこに防衛線を引くか、崩壊するとどうしようもない。一つの転機になるはず、アメリカでも皆保険が必要だという声がどんどん上がってるわけです。オバマケアをさらに進めてやるっていう。ある意味、こういう社会的な危機っていうのは、連帯、平等みたいな声が沸き上がってるときで。
マスクの2枚については、一つだけいいことがあると思うんです。みんな怒ったじゃないですか。あれって政治学でいうとある種の等価性っていいまして、みんな共通の、これおかしいって思うことは、要求していくことの基盤となるわけです。だからやっぱり、マスク2枚が家に届いた時の怒りがたぶん、さらに鬱積していくと思いますが。政治ってそういう時に動くんです。あんなにわかりやすくて、自分たちの身に迫ってこれおかしいっていうこと、原発事故のときの放射能がまさにそうだったじゃないですか。そこから湧き上がってくる怒りの声が、一つの共通の力になるということは、のちのち考えると、ひょっとしたら日本社会がこれまで新自由主義でどんどん解体されてきて、弱肉強食社会になってきて…弱肉強食でやることは、このコロナの危機では死を招くわけですよ。そういうのを変えていく、一つの転機になっていくと思うんです。

山口
そういう風な作用をしてくれるといいと思うんですけど。

吉田
医師会はなぜこういうことをもっと言わないんでしょうね。もっと具体的にね。わかりやすい。

薄井
医師会の先生たちは、現場を知らないのかもしれないですよ。

吉田
医師会が団体として緊急事態宣言出すべきといってますよね。それもいいんだけど、もっと具体的にこういう危機がある、こういうものがあるから、全員に公金を使ってやってほしいとか。もうちょっと具体的に言わないと。やるべきことってあるわけでしょう。

薄井
テレビに出てたり、官邸の中で専門家っていわれる方は、ひょっとしたらこの存在を知らないかもしれないですよ。教えてくれた先生にドイツの話をしたら、こういうのがあるって教えてくれたんです。やっぱり現場で患者を診てる先生で。原発事故以降は毎月福島に行って、子どもたちに甲状腺がんが出ないかどうか見てるような先生なんです。すごくそういうところの意識は高い。自分の仲間たちがコロナの治療に当たってる人たちに対しては…自分は一般の人を診ていて受け入れられる病院ではないけれど、何をサポートするかよく考えて見てる先生だから、逆に情報も集まってくる。意外と、厚労省の技官からつながってる人たちは知らないんじゃないか。厚労省の技官がそういうことに敏感だったら、この5年の間に、台湾はこうやってる、韓国はこうやってるっていうのを見て、制度を変えてたはずです。全然それをやってないんだから、何見てたんだっていったら、たぶんやっぱり安倍官邸に人事権もたれてるわけだから、そっちの顔色だけで、国民のため権利とかは考えてなかったということですね。

CM

山口
いろいろ聞いてると日本の構造的な問題。長期的には、新自由主義な考え方で余裕がなくなってるところに大きな負担がやってきたということ。短期的には安倍政権の末期だったというところで、指揮命令系統がちょっとおかしくなってたんじゃないか。あと薄井さんがちょっとおっしゃってましたが、官僚が国民じゃなく官邸の方を見ながら仕事をするようになってしまった…というようなことが、いま国民の間に広がってる不安と密接につながってるんじゃないか。
心配なのは経済がどうなるか。

<項目4>
新型コロナウイルスの感染拡大で、派遣や契約社員など非正規社員が、契約更新されず「雇い止め」されるケースが増えており、年度末の3月31日で職を失った人も多数発生しました。2008年のリーマン・ショック時には、職だけでなく住居まで失った非正規の人々で「年越し派遣村」ができる事態になりましたが、当時に比べ、非正規労働者の割合はさらに上昇しており、雇用危機が迫っています。日本労働弁護団は関連のQ&A集をホームページで公開するほか、明日5日にホットラインを設置、相談に応じる予定です。

<項目5>
3月の企業短期経済観測調査(短観)によれば、経営者が今の景気をどう感じているかを示す業況判断指数が、大企業製造業で前回調査から8ポイント下落のマイナス8となりました。マイナスは2013年3月以来7年ぶりです。一方、消費税10%引き上げから半年を迎え、資金不足に陥った中小・零細の倒産も増えており、コロナとの二重苦で経営者は悲鳴を上げています。経済の支え手が総崩れの状況となり、「コロナ・ショック」による景気後退は避けられない状況です。

山口
リーマン超えるんじゃないかという状況です。私自身も仕事が無期延期になったり、当たり前のように。打ち合わせもできないみたいなことがどんどん増えているんですけど、薄井さんどうですか。

薄井
私も仕事がほとんどキャンセル。もともと3月は書き入れ時って言っちゃおかしいですけど、イベント集会デモ、すごく多い時期でした。私は反原発運動をずっと追って撮ってたので、この時期大きいイベントが多かったですが、全部なくなりました。そうじゃない仕事は少しずつあって、なんとかって感じですけど。ほかのカメラマンを見ても仕事がきても条件付き、ひょっとしたらナシになると、それで受けてもらえますかって。ついに仕事が全部なくなりましたって。次に連絡がきたんだけど、絶対やれる仕事ではない。そんな感じでみんな綱渡りの現場です。
失業者は日本だけじゃなくて、アメリカの雇用統計でもこの短期間でものすごく出ている。2週間でクビ斬られた人が900万、失業者1千万。この経済危機は世界中で年越し派遣村になるんじゃないかという印象があります。アメリカの雇用統計は皆さん注目してて、悪い悪いというが、聞いたら3月14日までの分なんですって。15日からの分が出たらさらに悪くなるだろうっていうんです。日本は雇い止めみたいな感じがあって、首切りにはなってないけど、これから…非正規の人が多いですもんね。私もフリーだからそうですけど。安倍政権になって正規雇用が1割ぐらい減って非正規が増えて。7:3ぐらいだったのが6:4ぐらいの比率になっちゃってるから、非正規が解雇されたらどうなっていくのか。

吉田
女性はもっと高い。55%が非正規ですから。いっぱいそういう話がある。小さい会社の経営者は、無利子で融資といっても返さなきゃいけない。業績が戻ればいいが戻らなかったら雇用調整も考えざるを得ない。ちょっと言われていたのは社会保険が何とかならないか、なかなか決定できない。なんとかつないでいけるかもしれない。融資よりも…経営者は、社会保険なんとかしてくれれば雇用調整しないで済むかもしれない。日銭のご商売、飲食店とかも自粛自粛って、そうなんだけど、自分たちのこともちょっと考えてよって。さっきの抗体ができているならそういう人は飲んでも大丈夫…じゃないと。

薄井
お店大変だと思います。ここ5年増えたインバウンドで何とか持ちこたえていた店が一気に。しかも日本人も自宅待機で三食家で作ろうとなって。キャベツが値上がりしたんです。技能実習生が来なくて出荷できないのかと思ったら、そんな訳ないだろうと。スーパーの青果担当の人に聞いたら、1.3倍くらいに消費が増えている。この3カ月、青果だけじゃなく全体で。農業生産は1年前と変わらず入荷はあるんですって。欲しい人が増えたところに雪が降った。キャベツは愛知だけがとれる時期なんですって。それで雪のせいで高騰。落ち着いてきたが。みんなよく買うよねって。昔は袋に詰まってる野菜でちょうどよかった人たちが、今はキャベツの丸いの、大根1本買っていくんですって。その積み重ねで値段も上がり、物もなくなってるよって。

吉田
うちの方はそんなに高くなってないですけど。

薄井
キャベツが400円ぐらい。国立で。

吉田
2週間前は100円でした。

薄井
それは暖冬で、地物が出てる。

吉田
きのうは198円。ちょっと上がったなと思ったんだけど。

薄井
市場でも400円とか500円とかついた週があるんですって。それが収まってきた、それは雪の関係だからって言ってました。

木下
完全に家で作ることが増えてますよね。コンビニで牛乳のパックとか集めてるとこ、山積みになってる。それだけ家で消費してる。

薄井
それだけ外食産業とか、外のお店に行かなくなってるから、じわっと来ますよ。

木下
日本社会って外食依存が凄いじゃないですか。ヨーロッパってあまり外食しない。普通になったといえば普通になったところではある。

吉田
でもそこで生計を立ててらっしゃる方がたくさんいらっしゃる。

木下
もちろん。補償という話だと思う。

吉田
補償はものすごく書類が大変だって。

木下
一番いいのはやっぱり一括がいいんですよ。全員一括で100万円にすると。手続き的には楽ですよね。後で所得税の累進税率を上げて回収すりゃいいんです。それをまたいろいろヒモつけるから訳わかんなくなる。だいたい収入が半分になった証明ってどうやって出すんです。

薄井
ヨーロッパって30万とか70万とか、バーンって入れちゃったじゃないですか。

吉田
アメリカは小切手ですよね。

薄井
それで家にいろって言われたら、しょうがないかなって思うけど。何ももらえないで家にいろって言われても…仕事は、きたら、やりますよね。

吉田
割と早かったのは公共料金のところで、知り合いが電力やってるんですけど、そこはすぐ来たっていってました。つまり、止めないようにって。ガス水道電気は…

山口
モラトリアムになってる?

吉田
全員じゃなくて、払えない人がいても止めないようにっていうのがすぐ来たっていってました。事業者のほうに。そこは割と敏速に動いてるみたいなんですけど。でも公共料金だけじゃね…収入がなくなった人は。

山口
とにかく急いで血を巡らせなきゃいけない状況だと思うんですけど。それができない。テレビ出てる人たち、野党の人たちも一律給付しかないじゃないかって言ってるのに、なんかこう、所得の減った人とか、国民一人当たりっていってたのをまた世帯?

木下
あれもね、麻生政権のときに1万2千円やったじゃないですか。あれでさらに評判を落として潰れた…あの時麻生さん、俺これでテレビ買うとかいってひんしゅく買って。確かに難しいのは、一律やると、なんで金持ちにやるのかとか意見が出てくるんですけど、政治が責任を負うしかないんです。そんなこと言ってる場合じゃなくて、一番効率的で合理的で全体に届いてかつ回収可能なやり方は何かっていう…決断。安倍さんもうね、ホントそれやるしかないんですよね。でも結局安倍さんて、決断しなくてずっときたわけです8年間。結局、経済で、アベノミクスで、コントロールして、今井さんとかやってくれて、ふかして経済発展させますよっていって、たまに安保法制やってみたり趣味に走ってやってきたけど、結局自分が決断するってことをしてこなかった。そのことの、政治的な決断っていうものをするってことが、任期の最後に問われているわけ。でもこれ、させなかったら、被害を被るのは我々なんです。て与党野党関係ない、とにかく緊急事態宣言だけじゃなくてね、どうやってきちんと決断して、全体を動かすのかと。ちゃんと司令官としてやってくださいってことを言わなきゃいけない。

薄井
今井さんと二人羽織みたいになってる。大飯原発の再稼働だって、今井さんがやったことです。ずーっともうやってる事っていうのは、今井さんが後ろにいて、表看板は安倍首相みたいな形できてるわけだから、やっぱりちゃんとお金配らないと、みんな干上がっちゃうよというのを、安倍さんに言っても、安倍さん聞かないですよね。

木下
でも今井さんて出てこないですからね。この8年間でインタビューに出たの、確か一回だけでしょ。森功さんのインタビュー受けただけで。だから厄介なんですよ。ちゃんと引っ張り出せる議員じゃないと。議員じゃない人間があれだけの政務、政策を。飯島さんって人もいましたが、いばってたけど政策には口を出さなかった。政務だけの人だった。今井さんって両方やるわけですよ。こんな化け物を作っちゃってるわけですよね。引っ張り出せない。そうすると安倍さんを倒すしかないって話になるんですけど、しかし今、それできるかって話になって。

山口
でもそういう構造を作ってしまったのが安倍さんなんですよね。

木下
安倍さんなんです。

山口
ホントだったら安倍さんみたいな人は、AさんとBさんをね、こっちをひいきしたりこっちをひいきしたり、ライバル同士させながらね、うまくコントロールしてくってのが、だいたいリーダーの、まあ普通の姿じゃないですか。それができないのが最大の問題かなと思いますけどね。

木下
それどころか一方がハネちゃって(片手を高く上げる)、もうもとに戻らなくなってるって感じですよね。

山口
確かに一律だと大金持ちにも行ってしまうけど、それは確かに累進課税でとれるし、あるいはこういう事態だから、必要ない人は寄付してくださいって、ドネイションの窓口を作る方法だってあるじゃないですか。それがなんでできないのかな。それで30万円、よくわかりません。

吉田
累進課税がわかりやすくていいですよね。寄付だとまた…

木下
たとえとしてよくないかもしれないですが、アメリカは50年代に所得税率90%を超えた。戦争をやったからなんです。ナチスに勝つために金を出せとすさまじい収奪を始めるわけです。今回もコロナに勝つために供出しろというのが大事なことだと思うんです。世界的にそうなってる。前回、竹信さんもおっしゃっていたが、上からの統制だけじゃなく下からの連帯、その中で、みな同じように被害を被るんだから同じように出せるものは出して、社会を支えるって運動をしていかなきゃいけないと思うんです。そういう意味では、派遣村とかいくつかの経験があるわけで。

吉田
私も今回、友人が、学童をやっていて、8時から7時まで、すごい大変、体がボロボロ、自信がないって。ふと思ったのが、そういうところにやはりボランティアで入る、網の目って作っとかなきゃいけないなと、すごく思って。私もできるかなと思ったけど、どこへどう行っていいのか。ふだんから…あと病院もうちの方にあるんですけど、一般の人が補助で入る。それはちょっと特殊な病院なんですけど、八王子では有名な病院で。ふだんからボランティアするんですって。それがポイントになって、基本が個室なんですけど、自分が入院する時にそのポイントが使える。医療現場として、医療従事者と家族と患者だけじゃなくて、違う人が入るのがすごくいい。そういうのを、教育現場、学童も含めて、私たちが入っていけるようなシステムって、今後もっともっと重要だなって思いましたね。

山口
なるほど。もう一つ、現実的な問題として、いまの日本政府がどれだけの財政出動に耐えられるのかという問題があるじゃないですか。ドイツとかアメリカとか、ポンと小切手送ってきたり現金振り込んできたり。日本を見てると、とにかく少なくしよう、少なくしようと見えてしまう。

木下
やっぱり財務省が巻き返したということですね。とにかく大規模な財政出動をさせたくない。

山口
そこを越えていくのが政治じゃないですか。僕はうがった見方をしていて、やっぱり安倍さんていう人は、森友問題において財務省に完全に泥をかけた。消費税減税って声が自民党の中からも上がってきている、いろいろからも上がってきている。いま木下さんおっしゃったように財政規律絶対主義っていうのが財務省の強い意志じゃないですか。もちろん経産省の意識もあるけれど、財務省の困ることはできないっていうのが、今の…

木下
その間にいるのが麻生太郎です。麻生さんの意向ですよね。おっしゃる通りで、財務省にさんざん泥を被せてきた借りがあるから、っていうのが出ちゃってる。でもこれ、政治が越えなかったら、国難がきちゃったわけで。前に国難解散とかいってたけど、ホントにきちゃったわけですよ。ここで決断して全部責任を負ってやらないといけない。もう一つ、メリットがあるとすれば世界一斉に財政出動してるから、日本もそれにのっかってやることが、実験的だけども、ホントにそれが破綻を招くかっていうのはわかんないですよ。それは一つの実験ですよね。世界の先進国が一斉に財政出動して赤字を抱え込むっていうことは。でも資本主義はこれでももつかもしれない。それに賭けるしかないと思います。MMTって、理論的にはダメだと思いますが、一国で考えると。確かにある程度、国家が国債を発行して維持してくってのは、いわゆる規律、ひたすら財政規律だけして、社会を統制していくようなものに対してのカウンターの議論としては有効だと思うんです。

薄井
MMTの場合は国債を発行するんじゃなくて、お金を刷っちゃいましょうって話ですよね。日銀は今回も株買いましょうって。お金出すって言ってるじゃないですか。でも19500円を下回ると赤字。株価との兼ね合いも出てくる。あと国が国債を出して、それをどこに引き受けてもらうんだって話があって、銀行に買ってもらって銀行が持ってるのを日銀が買うって形だったら、最初から日銀に買ってもらえばいいじゃないかって話になったら、政府がお金刷っちゃえばいいじゃないかって話になる。MMTみたいに、自国通貨だったらいくら刷っても大丈夫だよって話と変わんなくなっちゃう。

木下
自国通貨だったらいくら刷っても大丈夫だっていうのはけっこうとんでもない話で、だったらなんで昔からやってこなかったのか。だから限定した条件なら意味があるんです。今はその話というよりも、少なくともこれだけ株が下がっている。でも世界同時的な中で日本もそれに合わせてやるべきだと思います。そうじゃなかったらこの社会救われない。

薄井
この期に及んでいらない裁判やったり原発推進の新会社作ったりしてるんですよ。こんなところでドサクサでやるなよっていうのはある。

山口
人事とかね。黒川さんの問題とかそのままスッと行っちゃいそうな感じしますすけど。コロナ以外のこともしっかりウォッチしながらやっていかなきゃいけないと思いますが、今週はコロナ一色でした。また来週。

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