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WBCから学ぶ強い組織づくり①(経営者編)

 先月のWBCにおける『侍ジャパン』の余韻が、まだ残っている方も多いのではないでしょうか?今年の『侍ジャパン』は、これまでのチームとは、明らかに違うものでした。チーム全員が、野球を楽しみ、勝ちにこだわり、一丸となって最高の成果を出す。まさに『最高のチーム』でしたね。
これから企業が目指す、強い組織づくりのお手本と言えるでしょう。
今回は、WBCから令和時代、中小企業が成長、発展するために必要な、組織づくりのポイントについてお伝えいたします。

「何のために」目的の重要性。

 今年の『侍ジャパン』は、今までのチームとは全く雰囲気が違うと感じませんか?
 これまでは、国民の期待を背負い、重苦しい、厳しい雰囲気でした。しかし、今年のチームは、みんな笑顔で活き活き、伸び伸びと、WBCを全力で楽しんでいました。もちろん、今年のチームも、国民の期待を背負い、『絶対に優勝しなければならない』『絶対に負けられない』というプレッシャーは、これまで同様、大変重いものです。
では何が違っていたのでしょうか?
それは、『目的(最終的に成し遂げたい事柄)』の違いです。
A『優勝して世界一になる』こと
B『野球の楽しさ、すばらしさを伝えることで、野球界の発展につなげる』こと
Aの『優勝して世界一になること』は、絶対に果たすべき目標ですが、それだけではプレッシャーだけが先行し、思うような結果が得られなくなってしまいます。Bの『野球の楽しさ、すばらしさを伝えるこ』とが目的だからこそ、「自分たちも野球を楽しんで、最高の野球を国民の皆さんに見てもらいたい」という意識が、最大限の力を発揮され、素晴らしい結果につながったのでしょう。

企業理念の重要性

会社を起業する際、『企業理念』というものをつくります。
私自身も、起業する時に「何のために起業するのか?」「世の中に、どう貢献していくのか」「会社としてどんな価値を提供できるのか」を考えて、考え抜いて作り上げました。
この軸がなかったら、ダイバーシティ経営をお客様にご提案できなかったと思います。私は、会社を登記して2週間後に、福岡市の『経営戦略としてのワークライフバランス』における業務委託の入札に参加しました。9社コンペだったのですが、当社より企業規模が大きく、実績のある会社を抑えて受託することができました。その時の決定要因を「企画内容、金額はもちろんですが、田中さんの熱い思いが、企業の経営者、管理職の心を動かしてくれるのではないかという期待が大きかったですよ」と仰ってくださいました。
皆さんの社員の方が、取引先に自社商品やサービス提供する時も、その思いが、周りの方の心を動かします。
起業してから年数が経つと、経営理念が薄れてしまいがちです。
また、業績向上ばかり言い続けると、業績は下がり、社員が辞めてしまいます。
経営者として、改めて「何のために」「何を成し遂げたいのか」本来の目的を見つめてみませんか?
そして、その思いを、社長の言葉で社員と共有しましょう。

最高の結果をもたらす関係性

今年の『侍ジャパン』は、選手と監督の壁が低いように感じます。
自分の気持ちや状態を、監督に安心して話すことができています。
また、監督主体ではなく、メンバーが主体になっていることも特徴です。
監督は、目指すべきチームのミッション、ビジョンと個人の役割を、メンバー一人ひとりに動機づけ、選手自身が、主体的に考え、行動できるよう支援し続けました。その結果、若い選手たちが、伸び伸びと活躍し、チームのために最高のパフォーマンスを発揮できていました。
印象的だったのが、日本とイタリアが対戦した準々決勝の3回、大谷選手がチャンスの場面で打順が回ってきたとき、自分の意志で送りセーフティーバンドをしたのには驚きました。価値への熱意が伝わってきました。「今勝つために、チームのために何をすべきか、最高のパフォーマンスを出すために、どうすればいいのか」を、常に自分で考えているからこその行動ですね。また、打てなかった村上選手を最後まで信じて起用し続け、結果、準決勝のメキシコ戦では逆転タイムリーを打ち勝利しました。選手と監督の信頼関係がしっかり構築されていました。自分の考えや価値観を受け入れ、尊重され、信じて任せてもらえる。信じあえる仲間と一緒に、全力で野球を楽しみ、優勝を目指す。そのような信頼できる関係性をつくることが重要です。

中小企業こそ『人』が真ん中の経営を


組織の成長に大切なのは、『人』の成長です。働く人が『楽しんで、ワクワク』しながら新しいことにチャレンジし続けてこそ、組織は活性化し、成長し続けていくことができます。
はたらく人と組織の関係は対等。お互いに尊重し、組織の目的を心から共有し、社員が安心して仕事ができる関係性や環境をつくることが大切です。
優秀な人材が集まりにくい中小企業こそ、一人の社員がどう活躍するかが業績を大きく左右します。経営者は、社員を経営資源の『人財』ととらえ、『人がまんなか』の組織づくりに取り組んでみませんか。
従業員が少ない企業ほど、経営者が本気で取り組めば、組織は早く変わります。日本中に『侍ジャパン』のような『最高のチーム』が増えてくると日本の未来は明るいですね。

最後までお読みいただきありがとうございます。
田中慶子

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