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新たな価値を創造する組織のつくりかた 第2回 女性は組織の活性化を測るバロメーター

皆さんの会社では女性活躍推進は進んでいますか?
女性は組織全体の活性化を測るバロメーターです。
『社員全員が活躍する組織』をつくるために、女性たちの本音から組織の課題を見直してみませんか?

組織課題の本質は女性たちが知っている

経営者や人事が組織課題の本質を掴みたいならまず女性たちに話を聞くことをおすすめします。女性は現場のあらゆる問題を把握し、その本質を最も冷静に観察しています。また、男性と違い、忖度なく組織の問題を出してくれるので、経営者に届いてない現場のあらゆる問題が赤裸々に出てきます。

女性の悩みから見えてきた組織の現状と課題

私が女性活躍推進のコンサルティングや研修に入る際、最初に実施するのは女性だけのワークショップです。女性たちの悩みは業種や企業規模に限らず大きく分けると7つです

1.職場の状況(長時間労働、サービス残業、業務の属人化、仕事量の片寄りなど)
2.縦割りで昭和気質の組織風土
3.上司のマネジメント
4.仕事への意欲、モチベーション低下(チャレンジできない、認められない)
5.自分の将来、キャリアの方向性への不安(ワークライフバランス、活躍の機会をもらえるか)
6.育児と仕事の両立
7.介護と仕事の両立

弊社実施女性ワークショップで出た悩みの大項目

このうち女性特有の悩みは6番だけ。9割は組織全体の問題なのです。
つまり、女性活躍推進の問題は、組織ではたらく人全員が活躍するために解決すべき課題だと言えます。

最近では若手の男性社員にも若手女性社員と同様にワークショップや、少人数で悩みを相談できるランチミーティングを実施してほしいとの要望があります。
実際、従業員満足度調査では、20代後半~30代前半の男性社員の従業員満足度が最も低く、優秀な若手人財の離職、メンタル不調者の増加など問題は深刻です。

報告書を見た管理職の反応は
「女性だけの問題ではなく、組織全体の問題だ」という意見が7割。
「こんなことが本当に現場でおきているのか?!」という驚きが2割
「女性が自分のことを棚に上げ、好き勝手言ってる」1割
9割は組織全体ですぐに取り組むべき課題だという認識でした

管理職の悩みから見えてきた組織の課題

次に女性ワークショップの報告会を管理職に実施し、意見交換と管理職の悩みもワークショップで書き出してもらいます。
管理職が抱えている悩み(多い順)
1.業務量が多い。マネジメント成の時間が取れない
2.コミュニケーション不足(若手社員とのジェネレーションギャップ。
業務の属人化でチーム内の共有・連携が取れない)
3.人材育成が後手になっている
4.タテ割り組織で他部門との連携が取りにくい(自分の身を守る)
5.組織体制が頻繁に変わるため、チームの業務構築できない
6.指示待ち人間が多い。自律的に動こうとしない
7.時間制限者、メンタル不調者が多く、メンバーに負荷が増える
8.子育て女性とのコミュニケーションの取り方、仕事の与え方がわからない

編者実施管理職向けワークショップの大項目

これを見るとコミュニケーションが取れていないのは女性だけではなく、メンバー全員とのコミュニケーションや連携が取れていないません。また、タテ割り組織の弊害で、組織の連携が取れておらず、組織全体が正常に機能していないことがわかります。

問題は『業務遂行が最優先。人をないがしろにした組織風土』

問題は『業務遂行が最優先。人をないがしろにした組織風土』だったのです。人のことは後回し、これでは社員は疲弊し、モチベーションは落ち、新たな価値創造がうまれるはずがありません。
またいいアイデアが出たとしても、「余計なことはしない方がいい」「正直者がバカを見る」「自分のことだけやればいい」そんな組織ではアイデアが形になることもありません。特にリモートワークが増えている組織、女性活躍推進が進んでない企業は要注意です。
男性社会のタテ割りの壁を壊し、
『多様性を認め合い、フラットな関係で応援しあえる組織風土』へと
変化することが重要なのです。

大手企業や大手グループ会社で業績は伸びていて待遇もよく、制度も福利厚生もしっかりしているように見える会社でも長時間労働、パワハラ、セクハラ、コンプライアンス違反など、水面下では様々な問題がおきています。この本質を可視化し、課題解決していくことが重要です。

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