グラップリングはアマチュアスポーツ?

こんにちは、グラップリングマニアのまごっとです。

YoutubeでGordon Ryanのドキュメンタリー映像を見ていたら、Gordon Ryanの気になる発言がありました。

意訳すると・・・

(Lachlan Gilesが20キロ以上重いKaynan DuarteやMahamed Alyからタップを取ったのを見て)「これがいかにグラップリングがアマチュアスポーツかっていうことなんだよね。レスリングで160ポンドのオリンピアンが260のオリンピアンと戦おうとするなんてありえる?我々がやってるスポーツってのは本当アマチュアなんだよ。狂ってるね。」

前後の文脈が完璧に映っていないのでなんともですが、2つの解釈がありえると私は考えました。

1.無差別級というシステムがある事自体がアマチュアスポーツの証

ボクシング、MMA、柔道、レスリング・・・メジャーな格闘技の多くは階級で細かく分かれています。特にオリンピックでは無差別級はありません。

「プロフェッショナルな競技化が進んでいる」=「階級が細かく分かれて、プロフェッショナルな試合で別階級の選手と当たることはない」

という解釈も可能でしょう。

UFCも当初は無差別でしたが、競技化が進むにつれ階級は分かれ、「計量失敗=プロとして完全なる失格である」というボクシング同様の認識が広まっていきました。

しかしながら、柔術とグラップリングではある程度「無差別級もあるよね」という認識が残っています。

ただ、私は1つオリンピック競技になっているけど無差別級の大会が開かれている競技を知っています。

それは、柔道の「全日本柔道選手権大会」です。

2.階級が軽い選手が重い選手に勝つことが起こる事自体が競技として成熟していないアマチュアスポーツである証

もう一つの解釈としては、「無差別級はいいんだけど、軽い選手が重い選手にあんな形で勝つという事態が起こること事態、まだまだ技術として洗練されてないし、アマチュアスポーツの粋だよね」ということです。

たしかに、ADCCは全世界からトップレベルの選手が集まっていますし、その中で20キロ以上重い選手相手からタップ取ったというを鑑みれば、こちらの解釈の方が正しいかもしれません。

さて、先ほど貼った「全日本柔道選手権大会」ですが、歴代優勝者を見てみるとやはり重量級の選手ばかりです。東京オリンピックで金メダルを取った髙藤直寿選手は挑戦したことあるものの、比較的序盤で敗戦したことがあります。

3.階級システムの適用範囲

世界最強のグラップラーのGordon Ryanに対して、本当趣味程度の私が意見を言うのも不遜かと思いますが

結局「階級システムというのはなんぞや」という問題にぶつかると思います。

野球やサッカーでは階級システムがありません。しかし、身体が大きいほうが有利なのは確かです。

しかし、ボクシングやレスリングで階級システムがあるのは野球やサッカーと違って体重が勝ち負けに直結するからだと考えられます。

となると、「あれ、どこからそれほど体重が影響してるんだろう?」というようにグラデーションが生まれます。

そこで、グラップリングを考えてみましょう。私の感覚では、柔道やレスリングほど体重は直結しません。ある程度野球やサッカーのように「技術の余地」が大きいと感じています。

そのため、階級はありつつ無差別級もあるという中間を取っているのではないかと勝手に思っています。

もしかしたら、客観的なデータを何らかの手法で取れば「実はサッカーは体重の重さこそがレスリング並みに勝ち負けに直結している」ということになるかもしれません。

そのグラデーションの真相は闇の中です。

4.ポジティブに考えてみよう

たとえグラップリングがまだ競技として洗練されていなかったとしても、逆に考えれば「まだまだ洗練する余地がある」スポーツなのです。

足関節が大ブームを起こしてから数年、まだまだこれはグラップリングの歴史から見れば1つの小さな波かもしれません。

あなたが研究し、練習することで開発できる余地はまだまだまだまだあるのです!笑

加えて、小さい選手が大きい選手と戦う、そしてあるときは小さい選手が勝つということにロマンがあるとも言えます。

私個人は身体が小さくて「大きい選手とやるのは嫌、ましてや試合で5キロ以上も重い人とやるなんて考えられない」というチキった考えを持っていますが、その一方でLachlan GilesのADCCでの勝利に新鮮な勇気をもらったのも確かです。

小さい選手が大きい選手に「当然に対等に」戦えなくても良い。しかし、挑戦することに大きな意義があると思えれば、見てもやっても楽しくなれると思います。

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