高橋“SUBMISSION”雄己選手 インタビュー Level-G振り返りとこれから

こんばんは、まごっとです。
なんと、今回、高橋“SUBMISSION”雄己選手に2024年8月4日の朝にインタビューを行いました!
2024年6月に行われたLevel-Gの振り返りと、Level-Gのこれから、そして高橋選手の今後について伺いました!


高橋さんと、めちゃくちゃ寝起きの僕

Level-G各試合振り返り

第一試合 白石遼一選手VS阿部湊介選手

まごっと:Level-Gの振り返りを1試合ごとお願いできますか?まずは一試合目のキッズの白石遼一選手VS阿部湊介選手。

高橋:キッズも試合を組んでいくことに意義があると思っています。試合展開はMMAやってるキッズと柔術やっているキッズとなって、グラップリングをしてくれる状況を作れたのが良かったと思いました。アマチュアも9月にやる予定があって、そのときもキッズの部の問い合わせも来ていてLevel-Gとして対応していけたらグラップリングの貢献に繋がるかと思っています。今まで男子によっていたところを全年齢全性別でできるようにしたいと思っています。

まごっと:海外だとティーンの大会とか若い人向けの大会があって盛り上がっている印象があります。

高橋:日本でグラップリングやろうとしても柔術やるかキッズ修斗になってしまいますね。そこらへんをちゃんと整えないと土壌の差が埋まらないと思っています。

まごっと:これから小さい頃からずっとグラップリングやっている強い選手が育ってくるのではと思っています。

高橋:現在もMica GalvaoやRuotolo兄弟とか活躍していますよね。自分の対戦相手も小さい頃から柔術やっていたであろう選手が多いです。グラップリングに小さい頃から取り組める土壌作りに取り組みたいですね

第二試合目 喜田選手VS和田(自分)

まごっと:次の第二試合。喜田選手VS私。良いところなく負けてしまいましたが感想ありますか?

高橋:喜田さんは強いんですよね。毎週練習していて、たまに極められたりするくらい強い。アマチュアで無名でいるのが不自然なくらい強いと思っています。前回村田選手と試合して、喜田さんは「紫帯なのでアドバンスで申し込んでいいですよね?」と言ってきて、「良いけど、村田さんが相手いないので」ということでやったら勝ってしまって。村田さんは実績がある選手です。そこで和田さん(まごっと)の話が来て、ここで組もうとなったのが経緯でした。自分としては喜田さん攻撃力高いのでもうちょっと和田さんの最近の技術を見れたら良かったなと思いました。

まごっと:本当ビックリしたのがかけられたことない技かけられてパニックになりました。

高橋:外ヒール狙ったときですよね?あれは結構やってきます。名前はないのですが、我々はアナルロックと呼んでいます。笑

まごっと:あれYouTubeで探してもなくて、びっくりしました。

高橋:アナルロックで広めていきましょう。笑

まごっと:笑。やっぱり知らない技ってかかりますね。

高橋:アナルロックの喜田で広めていきましょう!笑

まごっと:しかし貴重な経験させていただいてとてもありがたかったです。グラップリングにおける体重差というのはどれくらい影響があるのか気になりました。MMAだと厳格に合わせますが、グラップリングだとそこまであわせないこともあります。

高橋:格闘技において打撃の割合が低くなると体重の影響は小さくなると思います。そこに道着が入るとさらに低くなるかと。柔術よりはフィジカル差を感じるけどMMAほど差は感じないと思いますね。格闘技の中では比較的体重差はそこまでないほうじゃないかと思っています。

まごっと:体重差があっても勝った試合ってグラップリングでありますもんね。Lachlan Gilesのとか、EBIのRyan Aitkenとか。

高橋:あれはボクシングだとありえないと思いますね。5キロぐらい違うと組んだ差は感じますよね。

第三試合 柳選手VS井上選手

まごっと:第三試合目。柳選手VS井上選手。

高橋:非常に面白い試合でした。柳選手はコアなMMAファンの間で有名で、グランドコントロールがうまくて、待望の復帰戦だったみたいです。結果は井上さんが判定勝ちでした。そんなにグラップリングをメインでやっているわけではないと思いますが、上半身のコントロールなどすごく良かったです。もっと続けたら相手としては嫌だなと思いました。パスなどうまくなればもっと強くなりそうですね。もっとグラップリングやってくれたら嬉しいです。試合展開としては井上さんがニアフィニッシュして、MMA対柔術という構図がハマっていました。

まごっと:オファーした経緯とかはどうですか?

高橋:今回話がいろいろ転々として、最初柳選手が決まっていました。MMAファイター同士でやらせても微妙なのでグラウンドがうまい井上さんを起用しました。

まごっと:井上さんって今成柔術にもいらっしゃってましたっけ?僕が今成柔術に一回行ったとき井上さんがいらっしゃった気がしました。

高橋:いらっしゃったことはあると思います。練習会で私は面識がうまれました。

第四試合 富松さんVS坂本さん

まごっと:第四試合。富松さんVS坂本さん。いかがでしょう?

高橋:富松さんも女子MMAで有名な方で、出ていただき嬉しかったです。坂本和子さんが判定勝ちで、第三試合と同じような構図でした。和子さんが極めかけたり富松さんが潰したり、良い展開でした。和子さんも黙々と柔術をやっている方なので、その方を世間に紹介できたのが良かったと思いました。

まごっと:坂本和子さんも知る人ぞ知る選手ですよね。

高橋:世間一般ではあまり名前は広まっていないですね。

第五試合 大嶋さんVS濱岸さん

まごっと:そして次が大嶋さんVS濱岸さん。

高橋:大嶋くんが魅せてくれて、メインに向けてはずみをつけてくれて嬉しかったです。さすがでした。昔はボトムがメインでしたが、最近はADCC仕様に立ちの練習をしていた印象で。 久しぶりに巨大化した後のボトムでの大嶋くんの動きを見ましたが前より良くなっていました。非常にトータル力が上がっていて今後楽しみです。

まごっと:大嶋くんめっっっっっっっっっっっっっっっちゃ身体でかくなりましたよね。数年前は自分よりちょいでかいくらだったと思うんですけど。

高橋:すごいでかいですよね。最初会ったときは自分と変わりませんでした。

まごっと:ADCCは大嶋くんは88kgで出たんでしたっけ?

高橋:そうですね。

まごっと:日本からこれくらいのサイズで戦える選手がグラップリングではあまりいないから楽しみですね。

高橋:ノーギ専門で立ちも現代グラップリング的なボトムもできる選手は88kg以上のクラスでは日本初だと思いました。今後が楽しみです。

第六試合 今成さんVS須藤さん

まごっと:メインが今成さんVS須藤さん。いかがでしょう?

高橋:いろんなところで語りましたが、判定須藤さんかと予想していました。足取りきれなくとも須藤さんが前に出て判定かなと思っていましたが、須藤さんはここ一番で集中力と攻撃力が増す感じで、勝負強さが見えました。リバースアンクルみたいのがうまくはまったという話をしていましたが、そこに反応できるのがすごいですね。

まごっと:私の印象だと、須藤さんは一般的な技術をきっちりやる印象で、珍しい技はあまりやらないイメージだったのですが、今回は見たことないフィニッシュで、須藤さんの技術の引き出しに驚きました。

高橋:そうですね、ああいう引き出しもありますね。Level-Gは毎回須藤さんに盛り上げていただいてありがたいです。

まごっと:あの技は考えたことはあるかもしれないけどやったことはなくて、実際に試合で極めるというのがすごいと改めて思いました。

高橋:勝負強さがありますよね。

Level-G 大会総括

まごっと:今回の大会の総括、アマチュアでも、ありますか?

高橋:今成VS須藤が実現できたのは良かったです。一方で決まっただけになっちゃったなと思いました。二人の中では良かったかもしれないし、自分の中でも良かったです。また、アマチュアで活躍した人がプロに出るという流れを用意できたのも良かったです。
しかし、あんなにおもしろいカードだったので世間に伝えるようなことができればと思いました。今回見てもらえた人数はすごい少数でした。U-NEXTやAbemaなどに流してもらうようにできたらなと、届け手としての力不足を感じましたね。

まごっと:グラップリングはあんまり一般的に浸透していなくて、ほぼ0の状態からプロモーションするのは難しいなと思いました。

高橋:そうですね、やはりメディアに出してもらうのが良いのかなと思っています。1ヶ月切って今成さんの試合しか決まっていなくて、なかなかうまくハマらなかったです。

まごっと:前にIREでAbemaで放送してちょっとは広まった感じはたしかにありました。

高橋:わざわざ見たことない競技をお金出して見ないですよね。無料で流れていたら見ると思います。QUINTETなどは最初Abemaで流れていて、多くの人が見たと思います。そういうところで広めていくのが我々の役目だったと考えています。

まごっと:アマチュアはいかがですか?

高橋:女子なども組めてよかったですが、あまり試合数が組めないんですよね。アマチュアLevel-Gの後に試合がたくさんあって。せいぜい2時間くらいしか割けなくて、申込みは早期締め切りをしたんですよね。試合の頻度を増やしたり、取りこぼしがないように、そしてグラップリングが広まるようにやっていく必要がありますね。あとは地方でやったり。今は東京でやって、やる気ある人は地方から参加してくれますが、地方で開催していきたいです。

まごっと:アマチュアLevel-G単独開催が地方でありえますか?

高橋:やってもいいと考えています。アマチュアだけなら可能だと思いますね。

まごっと:最近ならFINISHやIRE、SITなどアマチュア単独でやっていたりもしたので、増えていくと嬉しいですね。

高橋:そうですね、やっぱり大切なのは頻度と場所ですね。地方にいるから大会ないからMMAや柔術やろうかとなっちゃうのがもったいないと思っています。開催頻度が低いから普段グラップリングやらなくていいなどももったいないですね。頻度、そしていろんな場所でやりたいですね。

まごっと:今後のLevel-Gの展望としても頻度と場所を増やしていきたい、ということでしょうか?

高橋:そうですね、それでアマチュアを広げていきたいです。

高橋さんの展望

まごっと:話変わって、今後の高橋さんの展望とかありますか?

高橋:前回の試合がFINISHERSのタイトルを取った試合でした。現在はEBIかPolarisでタイトルを取りたいと考えています。しかし、Polarisはワンマッチが多くて、プロモーターとコミュニーケーション取っているけど61.2kgはあまり注目度が高くなくて難しいため、自分の実績を伸ばしつつ保留にしています。
EBIのほうはEddie Bravoと話してコンバット柔術に以前出ました。今後はEBIルールでネームバリューがある現地の大会でタイトルを取っておいて、EBIのときは出るという状態にしておきたいと思っていました。しかし、この前無差別級のEBIがあって、Eddie Bravoに「135ポンドで呼んでくれ」とメッセージしましたが、「135でやるときは呼びたいけど今後開催は基本コンバット柔術で、EBIは無差別級のみとする」と返事が来て、まじかよってなりましたね。
ここ半年くらい空いていますが、セミナーツアーしつついろいろ話していましたがまとまらずで。ECIとEstevan Martinezとやりたいと話していましたが、向こうの問題で興行自体がなくなったり。あとは周りの方が何人かONEに話してくれていましたが決まらず。
今まで10th Planet系の大会に出ていましたがFlograpplingやADCCの大会に出ようと思っています。8月にADCC Openの大会に出ます。そこからWNOなどの機会をうかがおうと思っています。
CJIができて、ADCC Openとか実績ある人ばかり呼ばれているのかなと思っていましたが、現地の大会のタイトルを持っている人も呼ばれていて、そういうところでも実績として認められるんだなと気づきました。とりあえずADCC Open取ったら向こうのローカルプロリーグを荒らしても良いかなと思っています。

まごっと:有名な選手との対戦も期待できるかもしれないですね。Estevan Martinezと当たる気がしてるんですよね。

高橋:ADCC Openですか?今のエントリー見ると有名な人いないんですよね。Junny OcasioやEstevan Martinez、Zach Kainaとか。60kgの階級でスターはMikeyくらいですよね。ネームバリュー考えてもやるべき人見つけるのは難しいです。あと、Dorian Olivarezと判定ありのSub Onlyでやりたいですね。レスリング頑張ってるけどレスリング・スクランブル力は及ばないからADCCルールだと勝ち目ないと思っています。まずは自分がPolarisなどで彼のTrial優勝に相当する実績持って、リマッチを組んでくれればいいですけどね。

https://adcc.smoothcomp.com/en/event/17198/participants より
2024/08/08 の段階でまごっとが知っている選手は確かに他にいなかった

サブミッション塾

まごっと:他に伝えたいメッセージなどありますか?

高橋:Level-Gの総括で話した通り、柔術やるかMMAやるか、おまけでグラップリングをやるというのがありがちかと思います。グラップリングをメインするために所属を変えるというのも難しくて、グラップリングを本格的にやりたいという人に毎週土曜日昼に週1で通えるグラップリングクラスを開催しています。毎月テーマ決めてやっていて、しばらくいてもらえたらグラップリングは本格的な技術を得られると思います。参加費も他の道場の3分の1くらいなので、負担にならない範囲で通っていただけると。

まごっと:本日はありがとうございました!

FloGrapplingやUFC Fight Passの視聴代に使わせていただきます!