230630 封筒

1さんが資料のために集めてくれた封筒を見せてくれた。全部で6枚。1枚手に取る。青い封筒に銀箔と緑のベタ面がグラフィカルにデザインされている。
「path earthっていうブランドなんだ。」
銀の細いゴシックでpath earthと書いてある。紙の厚さを確かめる。透けている紙だけど、思ったよりも厚みがある。
「クロマティコみたいな紙だね。素敵だけど中身が見えたら困るなぁ。」
「手紙が見えたら困る??」
「手紙って総じてそうじゃない?」
1さんは答えない。隣に立つ1さんの表情は髪の毛に隠れて見えない。なんとなく自分がまとはずれなことをいっている気持ちになり話題をそらす。

「手紙って、秘密の共有って感じがしてワクワクドキドキしない?その人の1部を知って親しみが生まれる喜びがあるように思う。」
「手紙って単純に嬉しいよね。」
「うん、そうだね。みんなが知っている"その人"じゃなくて、手紙をもらった私しか知らない"その人"って感じがするから「秘密」と言いたくなるのかもしれない。誰にでも見せない一部を共有する、その特別感が好き。」
「そして、相手しかしらない自分が居るし。僕しか知らないその人もいる。」
「手紙じゃなくても、結局はその一部を共有してもらってその機密性が高ければ高いほど特別な関係なんだろうね。」
「多分全部知るなんてできないから、その一部を共有しあっていくしかないんだよ

アラーム


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