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夕暮れに連れてこられた青年は
　
いま私の傍にいてくれる。

　
2年。

　
彼と私が共有してきた時間。
　
といっても距離は少しばかり遠いから
この2年で会えた回数は両手に収まるくらい。
　
お互い仕事が忙しかったり
わたしが外に出られなくなってしまったり。
　
それでも彼は私と一緒にいてくれる。

この2年でそれなりに喧嘩もしてきた。
お互いに理不尽なことを言い合ったりもした。
　
それでも彼の隣が心地がいいと思う。
　
彼も私の隣が心地がいいと
思ってくれているのだろう。

初めて会った時、全く初めてあった気がしなかった。
　
なんだか昔から知っているような。
　
手を繋ぐと、なんだかびびっときた。
この手を待っていたんだ、みたいに。
　
　
彼は不思議な人で、
連絡は苦手だし
仕事が優先
睡眠時間も長い。
　
たまに友人に、なんで付き合ってるの、
なんて言われたりする。
　
わかる。
自分でもたまに分からなくなる。
　
おかしな話だ。

説明しろと言われると難しいけれど
ひとつ、あげるとすると

彼の言葉が
私の心に
心地いい温度を届けてくれるから。

　
わたしが外に出れなくなった時、

仕事と学生の両立が厳しく
家庭環境の悪化も重なり
学生を辞める決断をした時。
　
彼は私によく頑張ったね、
決断できてえらいね、
ゆっくりやっていこう。

　
気の向くまま進んでみよう。
　
大丈夫、未来は明るいよ。

次に頑張りたいことが出来たら
一緒にがんばろう。

　
そう言ってくれた。
　
（後々あの決断は～なんていわれたことは…割愛）
　

それがものすごくストンと
心に落ちてきた。
　
私にとってはこれが1番嬉しかった。

　
昔から誰かに否定されることが多かった。

なんで、どうして、
　
自分だって悩んでした決断だったけれど
周りからみるとただの逃げだと思われていたらしい。
　
だからこそ彼の否定しない、
次は何をしようか、と
未来を見据えた言葉に
ひどく安心する

彼は私を前向きに変えてくれて
悩んでいると、こういう方法があるよ、と
いつでも相談に乗ってくれる。
　
仕事も家のこともなんでも。
　
それに彼は
自分に余裕が無い時は
それを必ず教えてくれる。
　
それもまた丁度いい。
　
説明は難しいけれど
彼のことを考えると、
あれもこれも、とでてくる。
　
だから一緒にいるんだと思う。
　
他者に理解してもらうのは
もしかしたら難しい関係かもしれない。

それでも私は彼が良くて
彼も私がいいと思ってくれているから
一緒にいる。

ただそれだけなのだ。

夕暮れが気まぐれに連れてきてくれた青年は
今は私のそばにいてくれて
心地のいい温度と優しさを届けてくれる。
　
あの時、あの場所にいてよかった、と
心の底から思う。
　

そんな、青年との話。