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デジタル・シティズンシップについて気になったので大元であるISTEを意訳してみた。

ISTE:International Society for Technology in Education


デジタル・シティズンシップの文脈で、日本でも知られるようになったアメリカの非営利団体です。
ざっくり言えば、5つの立場(目的)でどのような知識・スキルを身につければよいかについて最大7項目を挙げて標準化し、記述したものです。
5つの立場(目的)と項目を、ざっくりですけれど意訳しました。

1 学生・生徒向け

1.1 Empowered Learner よい学習者とは?
1.2 Digital Citizen デジタル・シティズンシップについて
1.3 Knowledge Constructor 知識を構築しよう。
1.4 Innovative Designer イノベーションをデザインしよう。
1.5 Computational Thinker プログラミング的思考を身につけよう。
1.6 Creative Communicator クリエイティブなコミュニケーションをしよう
1.7 Global Collaborator グローバルなコラボレーションをしよう

2 教員・教師向け

2.1 Learner 効果的な教材を探し続ける。
2.2 Leader リーダーシップを発揮する。
2.3 Citizen デジタル社会に積極的に貢献し、責任を持って参加するよう生徒を指導する。
2.4 Collaborator 同僚・生徒と協業する。
2.5 Designer 学生・生徒主導の活動と学習環境をデザイン。
2.6 Facilitator ISTE標準項目の達成にむけ、ICT技術を使う。
2.7 Analyst よりよい教育のためにデータを利用する。

教師版の基準は、文科省のサイトでも紹介しています。

3 指導的立場の教員・教師向け(EDUCATION LEADERS)

3.1 Equity and Citizenship Advocate 公正性と市民権の擁護。
3.2 Visionary Planner ビジョンの策定。
3.3 Empowering Leader 指導的立場の教員の役割。
3.4 Systems Designer ICT技術などを組織にどう取り入れるか。
3.5 Connected Learner 他者と繋がりを持ってどのように業務を行うか。

4 ICTコーチ向け(教育現場とICTの結びつけをするコーディネーター的役割)

4.1 Change Agent 教育者・指導者が質の高い教育にアクセスの維持手法
4.2 Connected Learner ISTE標準のモデル化、コーチングの実践力向上手法
4.3 Collaborator 教育関係者との生産的な関係構築手法
4.4 Learning Designer 学習環境構築手法
4.5 Professional Learning Facilitator ICT技術を使用して効果的に授業・学習を行わせる手法
4.6 Data-Driven Decision-Maker 質的・量的データの活用を通して学習効果を高める手法
4.7 Digital Citizen Advocate 教育者と生徒がデジタル社会に生きる責任と機会を認識させる。

5 クリティカル・シンキング(批判的思考)

5.1 Computational Thinking (Learner) 教育者としてのプログラミング的思考
5.2 Equity Leader (Leader) 固定観念に基づいた思考・偏見など、学習におけるあらゆる不平等を排除する
5.3 Collaborating Around Computing 学習における協業作業環境構築とその改善
5.4 Creativity & Design 生徒・学生がプログラミング的思考を修得するための環境づくり
5.5 Integrating Computational Thinking プログラミング的思考を学習するための環境改善

1~5と数字がすすむにつれ、意訳文が長くなるのは一言で表せなくなっているのです。(言い訳)
日本で言われているデジタル・シティズンシップとは、縦糸ではなく横糸(記事の中で太字にした部分)で結びつけた『DIGITAL CITIZENSHIP IN EDUCATION』のことを言っているのかなーと。
クリティカル・シンキングについては、デジタル・シティズンシップの文脈でなくても重要な事柄なので、デジタル・シティズンシップの中にわざわざ組み入れてはいなけれど、だれもが身に付けておくべき事柄ともいえますね。[2022/07/14修正・追記]


SEAL OF ALIGNMENT(お墨付き)


ISTEは同時に、学習教材についての評価も行っています。要はお墨付きを与えるってことですね。

お、ICDLがある。学生・生徒向けの標準について全項目達成だって!