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強い人の構築を真似して勝てないワケ〜小ズガのエネルギー回収より〜


どうもです。

突然ですが、みなさんは火の玉サーカスにエネルギー回収を何枚採用してますでしょうか?
いわゆる今ある"小ズガの流行"の1番初めのきっかけを作ったであろう2020CL愛知ジュニア部門の優勝構築のエネルギー回収の枚数は4枚です。

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先日行われた2020CL横浜マスター部門のエネルギー回収の枚数は0枚です。また、その他の入賞したデッキたちのエネルギー回収の枚数も多くても3枚です。

また、最近は小ズガのエネルギー回収の枚数は少なめになる傾向がありエネルギー回収が0枚でも特に驚かれることはないのかなと個人的には認識しています。有名強者の方がエネルギー回収0枚のレシピを使用していた影響も大きそうですね。

ひとまずタイトルの話は置いておきまして、小ズガにおけるエネルギー回収についての考察をしていきましょう。

◯小ズガには何枚のエネルギーが必要か

小ズガは勝つために何枚の基本炎エネルギーが必要なのでしょうか?

・vs三神ザシアンにおいて
a.火の玉サーカスで三神を倒す(ズガドーンにつける3エネ+トラッシュする7枚=10枚)※おまもり想定
b.スピットシュートでデデンネGXを倒す(3枚)
c.バーストGX(1枚)
10+3+1=14枚
・vsムゲンダイナVMAXにおいて
a.火の玉サーカスでムゲンダイナVMAXを倒す(3+7=10枚)
b.もう1度火の玉サーカスでムゲンダイナVMAXを倒す(3+7=10枚)
10+10=20枚
※もちろんVMAXされる前に1匹倒せてるともっと楽になる
・vsセキタンザンVMAXにおいて
a.火の玉サーカスですごいことになってるセキタンザンVMAXを倒す(3+8=11枚)
b.火の玉サーカスですごいことになってるセキタンザンVMAXを倒す(3+8=11枚)
11+11=22枚
※当然すごいことになってなかったり序盤にセキタンザンVを倒せてたりウッウVとかを使うプランを取るともっと楽になる
・vsレシリザボルケニオンにおいて
a.火の玉サーカスでボルケニオンを倒す(3+3=6)
b. 火の玉サーカスでおまもりヒート炎レシリザを倒す(3+7=10)
c.火の玉サーカスでおまもりヒート炎レシリザを倒す(3+7=10)
10+10+6=26枚
※当然1ターン生き延びたりなんやかんやすればもっと楽になる

すんごく雑に考えますがどんなに大変な対面であっても逃げるためにエネルギーを多少使ったとしても"30枚使うことはありえない"として良いのかなと考えています。
そもそも上記のプラン全体的にめちゃくちゃ下手くそですからね笑。エネ節約できるポケモン(ウッウとかレシリザとか)入っているので、その辺うまく使えば20枚とか25枚もあれば十分すぎるほどでしょう。
さて、これを踏まえて現在のエネルギー回収0の使えるエネルギーの枚数を確認してみましょう。
■エネルギー14枚
■炎の結晶4枚→エネルギー12枚
■ふつうのつりざお1枚→エネルギー2枚
14+12+2=28枚
28枚も使えるので、お察しの通り足りてるんですよね。エネルギー回収がなくても基本炎エネルギーの枚数は十分に足りているのです。
エネルギーの管理をしっかりし適切なプレイングをすることで必要札をしっかり引き噛み合わせることができれば、エネルギー回収がなくてもむしろエネルギーは多いくらいなんですよね。
つまり、エネルギー回収って必須ではないんですよね。
思考停止でとりあえずエネルギーをトラッシュに送るプレイングをせずに、しっかりリソースを考えながらプレイすることで、エネルギー回収というカードは理屈上どんどん採用枚数が減っていくはずのカードであるのです。

◯エネルギー回収採用のメリットとデメリット
しかし、エネルギー回収を採用する人もいるのだからそのメリットも当然あるワケです。そのメリットをまずは確認していきましょう。
1.プレイングが簡単になる
しっかり考えてプレイングをすることでエネルギー回収が抜けるのならば、エネルギー回収を採用することでプレイングが簡単になるということです。当たり前ですね。
エネルギー回収を採用すればするほどエネルギーのリソース管理が雑でも大丈夫なようになっていきます。
2.単純に引きやすくなる
エネルギー回収を採用しなくてもエネルギーは足りると書きましたが、それは全てちゃんと引けた場合の話です。どんなに適切なプレイングをしたところで、引けないときは引けません。少しでも引く確率をあげるためにはエネルギー回収を採用することが非常に有効です。

採用することのデメリットも確認していきましょう。
1.そもそも理論的に必要ない
1個上の項目で説明した通りですね。
2.デッキの枠を潰す
エネルギー回収を入れるということは他のカードを入れないということです。その枠に望遠スコープとかスタジアムだとか回収ネットだとかサブアタッカーだとかを入れたほうが、よりデッキに安定感や選択肢を与えることができるかもしれません。炎の結晶と役割が同じカードを過剰に採用することはそのデッキのポテンシャルを1つ潰すことになりえます。なぜなら、色んなカードを入れた方が色んなプレイングができるポテンシャルを生むことができるので。


さて、


ここまで読んでいただくと「じゃあ、シティリーグで使うならななやまはエネルギー回収採用しないの?」と思われるかもしれません。答えはNoです。自分が火の玉サーカスを仮に使うならばエネルギー回収は4枚入れたいところですが枠のために泣く泣く3枚にするでしょう。
その理由として「プレイングが簡単になる」この事実があまりにも大きいからです。
自分は自己認識としてプレイングが上手いプレイヤーではありません。また、練習こそしてますが気持ちとしては自称エンジョイプレイヤーですき、いかに気持ちよく勝つかを基準にポケモンカードをしがちです。
仮にエネルギー管理ができるならばエネルギー回収不採用のレシピの方がポテンシャルが高いと認識しています。しかし、自分にはこのポテンシャルを発揮する能力がないのです。
エネルギー回収不採用小ズガを95点のデッキとして、エネルギー回収採用小ズガを80点のデッキとしましょう。前者のデッキを自分はそのポテンシャルの7割ほどしか出せないと認識しています。後者のデッキは9割のポテンシャルを出せると考えています。
95×0.7=66.5
80×0.9=72
つまり、自分が使った場合においてはエネルギー回収採用小ズガの方が最終的な点数が高くなると考えています。
感覚的なところを無理やり可視化したので数字はてきとーです笑

本題に入りましょう。

このように、デッキを選択を考えるうえで『自分がそのデッキのポテンシャルをどれだけ引き出すことができるか』を考慮することは非常に大事です。
強い人のデッキの多くは強いプレイングを前提に組まれているものです。なぜなら強い人の多くはプレイングも強いので。
なので、解説記事も読まずにデッキレシピだけを見て真似したとしても勝てないのは当たり前なんですよね。
あ、これはあなたのプレイングが下手だからと言っているのではありません。いわゆる強い人たちは膨大な時間をポケモンカードに割いて、プレイングを極めてそのデッキレシピを生み出しているものです。そんなデッキをレシピを見ただけで組んで真似して回せると思うのがおこがましいだけですね。そりゃあ当然回せる人も中にはいますが、それはすごい人です。

強い人の構築を真似しても勝てないワケ。これは『そのデッキのポテンシャルを引き出せるプレイングを持っていないから』です。
人によってプレイングスキルの練度は違いますし、プレイングの好みも違います。まずは、自分のプレイングスキルがどれほどでどんなプレイングをする傾向にあるのかなどを自覚するとより良いデッキ選択や構築を使うことができるかもしれません。勝つためにはこの自覚は非常に大事です。
もちろん、プレイングスキルは基本的に高いに越したことはないです。なので、練習する場合だったら強い人の繊細に組まれたデッキレシピを使うことでプレイングを磨くのは非常に有効かなと考えます。


1番最初に見た2020CL愛知ジュニア部門優勝のレシピなんですけど、めっちゃ好きなんですよね。
このとき優勝した少年は当時まだ小学1年生なんですけど、ちゃんと25分ポケモンカードをする集中力も持ち合わせてますし、練習するぞーってときは繰り返し対戦できるし、プレイングに根拠を聞いたらちゃんと答えられるしすごい子なんですよ。
とはいえ、小学1年生。小学5年生と同じ土俵で戦うには当然劣っているところもたくさんあります。
しかし、エネルギー回収を4枚入れ、ポケモンの種類は絞り、しかしズガドーンはしっかり4枚入れ、しまめぐりの証を入れることで常に1枚ずつしか取られないポケモンカードにして、デデンネGXを入れないことでリソース管理を考える機会を少なくし、ものすごくシンプルな構築を使いました。こうすることで、彼のできることを120%発揮できるようなデッキに仕上がっているのです。その結果、彼は優勝したんだと自分は思っています。彼に合うように構築をチューニングした両親の優しさが見え隠れするところも好きです。


と、いうわけで自分のプレイングに合ったデッキを使った方がいいと思いますし、そのために自分のプレイングについて分析して良いのでは?という記事でした。


それでは。

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