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『ニホンゴキトク』、久世光彦、阿久悠。そして沢田研二。

私は1976年生まれなので、所謂「70年代」の空気感は物覚えがないので実感はない。80年代、90年代は今でも私の体に息づいてる。
 80年代はファミコン、チェッカーズの時代、90年代は小室音楽、秋元康の更なる飛躍の時代と芸能なら定義できる。
 私が生きた時代は阿久悠先生の全盛期ではなかったという歴然たる事実がある。
 よく人から「何故、『沢田研二と阿久悠、その時代』を書いたのですか?』と聞かれる。著者として恥ずかしいことだが、「阿久悠先生が好きで、沢田さんとの時代を活写したかったんですよ」と凡庸な回答に終始していた。
 しかし、久世さんの『ニホンゴキトク』を読んでいたら、その答えがずばり書かれていて驚いた。
 私が生きたのは80年代以降だが、テレビやラジオで阿久悠先生の曲は言わば「懐メロ」ジャンルで流れていた。しかし、少年心に言葉の力に圧倒されていたのは事実である。『津軽海峡・冬景色』、『時の過ぎゆくままに』、『勝手にしやがれ』、『渚のシンドバッド』、『U・F・O』…。列挙すればいとまがないが、当時の『ザ・ベストテン』ランキングより、70年代の阿久悠先生の体臭や、汗、息づかいを子供心に魅了された。そして、その最高峰が、大野克夫先生、沢田研二さんとのタッグであると悟る。
 しかし、沢田研二さん程の人だから、CD、本は沢山あるだろうと思ったが絶版等でない。阿久悠先生の研究書はあれど、沢田研二さんのが無い事実に気がついてしまった。
 ザ・タイガースについては磯前さんが書いている。本来は沢田研二さんの研究本は私の前世代の仕事のはずである。
 しかし無いのであれば、不遜ながら、恥を忍びつつ私がやらせて頂こうと思いたち、2年前に至る。
 次回作は、萩原健一、沢田研二、阿久悠、久世光彦との関連性で70、80年代を読み解く本になる。前作と一緒に読めば理解を深めていただけると私は確信している。

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