会社を潰された話④

神川くんはだんだんと商売の感覚を掴み始めたみたいで、ランニングコストプラス分まで収益は出せるようになっていたらしい、このらしいというのが後に嘘とわかる
正直浅田くんがいればとりあえず経験者だったし大丈夫だろうと思っていた、でもこれも実は間違いであった。
前回50万を貸付2週間後また事務所に顔を出したら、浅田くんはまだ仕分けをやっている、何の仕分けかは分からないが、こっちから見れば右から左に商品を移しているだけで、トレカを使っての手遊びである、仕入れの件も聞いてみたら、近くのショップとヤフオクで買っていたらしい、ここでキツめに彼に問いただしてみた、問屋はどうした?問屋など使ったことがないらしい・・・。シングルカード専門店だから仕入れは買い取りで、店頭がないからここでは出来ないなどど言い出し、この時点で、こいつ今まで言い訳だけは達者で知識をたくさん披露する割には、全然動いてないな、知識の披露もマウントだし・・・。
ここで俺は決断をする、残りの資金でそこそこレア度の高いシングルカードを買ってくる事、残りのトレカの在庫全部一括でヤフオクに出せと、彼は面食らった顔していたが、トレカ用のアカウントはまだ無いとか言い出し、自分のアカウントで出品した、流石に全てまとめてとは行かず、ある程度は分けて出品したのだが、この時の出品は探せままだネットに残っている、それなりの金額になり出品手数料を含めギリギリ金は回収できたのだが、トレカ関連を全て売却し、発送まで二ヶ月以上かかった、もちろん浅田にも手伝わせてはいたが、彼は出品作業も発送作業もなぜかマトモにできない、箱のストレージに詰めろと指示しても、箱を組み立てずにカードを束ねていたり、伝票を貼り間違える、梱包する予定の箱を解体し始める、特定のカードだけ抜こうとするなどの奇行に走る、そこにイライラしながらも、なんとか全て終わらせ、ここまで数ヶ月何もしていなかったので、なんで一向に出品もしないで、仕分けだ、仕入れだ、言い訳ばかりで、仕事してたのか?と問いただしたところ、彼はこう言い出した。


ここで浅田くんの違和感と正体について話しておこう。
彼のトレカショップは実在した、Twitterのアカウントもまだ残っているし、ネットで検索をかけると閉店情報も載っている、会社の登記も本物で、そこは嘘はついていない、だた、物凄い嘘をついていた
人間関係で立ちいかなくなったのではなく、単純に資金不足で潰したと、その資金も聞けば母親からの相続と政策金融公庫に自宅を担保に入れてとの事、経営状況も聞けば毎月赤字で単純に毎月相続した資金と借りた資金を食い潰し潰れていっただけであると、初めのころ言っていた売り上げやらノウハウは全て嘘だった。
事業の事も司法書士が届出の代行を財務は税理士が管理して、自分は一切やっていない、消防責任者の資格だけは本物だったけど、古物営業の事もよくわかっていなかった、要するに母親の知り合いのつてを使い、会社を立ち上げたはいいが、周りが母親のこともあり、色々手助けしていたとの事
おまけに彼はこう続けた、広汎性発達障害と自閉症スペクトラム、持っているんで、手帳もあるんですよと、当初の違和感はこれだったのだと
以後彼はそれを言い訳にするんだけど、この事件以降彼の定期を取り上げ、解約させた。
ここまで事務所を立ち上げて数ヶ月諸々の違和感はコレだったのかと、しかし、社長の神川くんも何かキナ臭い、これはまた別の章で書くが、なんかおかしなことが起きているという違和感を抱えたまま、この日は終わった。

ここまでは浅田くんを常勤から外した話。

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