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いま一度振り返ってみる、オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」①【日プを観るなら今だ】

先日、こちらのツイートが流れてきた。

日プ配信もうすぐ終了?!!

2019年の秋冬。最新話が配信される木曜日を毎週心待ちにし、翌日の金曜日は「また長い1週間が始まる・・・」と感じつつ、週末は街中に新しく放映・掲示された練習生を応援する映像やポスターを見に行ったり、番組に関するファンの大喜利ツイートを漁って、全力で楽しんでいた。

どう転がるか全く分からない長丁場のオーディションを、心をすり減らしながらも大きな期待を胸に見届けていた日々は、自分はいち視聴者に過ぎないにも関わらず、人生の中でも輝いていた時間だったと思う。

そんな素敵な思い出をくれたオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」の配信が、まもなく終了するというのだ。
配信が終了する前に、いま一度この番組にまつわる記憶を振り返っていきたい。
※上記ツイートのリンクは最終話となっているので、ご視聴の際はご注意ください。

そもそも「PRODUCE 101 JAPAN」とは?

元々は韓国の大人気サバイバルオーディション番組である「PRODUCE 101」シリーズが、2019年に日本版として初上陸した。動画配信サービス「GYAO!」にて無料で配信されている。
番組制作は吉本興業、司会はナインティナインさんが担当。

ちなみに、HKT48の宮脇咲良さん・矢吹奈子さん、AKB48チーム8の本田仁美さんが日本人メンバーとして所属している日韓合同アイドルグループ「IZ*ONE」も、番組シリーズの1つである「PRODUCE 48」の合格者によって構成・結成されている。彼女達の日本での活躍ぶりからもお分かり頂けるように、「PRODUCE 101」シリーズは根強い人気のある番組なのだ。

今回は、日本版のPRODUCE 101 ということで「日プ」と呼ばれ、慣れ親しまれている(PRODUCEシリーズの略称である「プデュ」と呼ばれることもある)。

また、この番組を通してデビューが決定した11人のメンバーは現在「JO1(ジェイオーワン」として活動しており、惜しくも番組発グループとしてデビューが叶わなかった出演者も「OWV(オウブ)」「ORβIT(オルビット)」「円神-エンジン-」など、グループやプロジェクト等として活動している。

「PRODUCE 101 JAPAN」の大きな特徴

1.「国民プロデューサー」による投票制度

まず「PRODUCE 101」シリーズとして一貫している特徴は、視聴者が「国民プロデューサー(通称・国プ)」として自分の推しに投票し、出演者は投票数などで決められた順位によって、オーディション参加の継続、最終回ではデビューの可否が決定されるというシステムである。

当初は(序盤で辞退した練習生を除く)97名が参加して開始するが、途中で行われる視聴者投票によって60名、35名、20名と、じわじわと番組に参加を継続できるメンバーが選抜されていく。

2.参加者全員、事務所無所属

韓国の「PRODUCE 101」シリーズでは、芸能事務所に所属している方が事務所の名の下に番組に参加していたが、「PRODUCE 101 JAPAN」は応募条件の1つに「応募時点で事務所に所属していないこと」があった。

芸能活動が全く未経験の方は勿論、ジャニーズやLDH等の大手事務所に所属経験がある方、韓国で練習生をしていた方、アイドルグループとしてデビューしていた方。あるいは船のエンジニアや製造業など、芸能とは全く異なる分野に従事しながら、この道を志した方など、大変バラエティ豊かなバックグラウンドを持つ面々が参加していた。都心に比べると芸能界と関わる機会に恵まれにくい地方出身者も、数多く出演した。

芸歴が全く無くても大スターになるチャンスが得られる、そんなシンデレラ・ストーリーをこの番組では見ることができる。

3.ファンが作った「応援広告」が日本中をジャック?!

日本における、この番組の最大の特徴は「ファンによって(規定の範囲内であれば)『応援広告』が制作されることを、運営が公認していた」ことだろう。

これを読んで下さってる方も、もしかすると街の大型ビジョン・全国の駅のポスター・デジタルサイネージ・Instagram等で、このような広告を見かけたかもしれない。

これらは全て番組側ではなく、ファンが資金を出し合い独自に制作・掲示している。

韓国や中国では、アイドルグループのメンバーの誕生日の時に、お祝いの広告を駅に出したり、飛行機をアイドルの写真でラッピングしたり、NYのタイムズスクエアに広告を出す等、ファン主導の大掛かりな応援活動が非常に盛んだ。
所属タレントの宣伝の為に、事務所側が肖像権・著作権に対して実質緩やかな体制を取っていることが要因と言えるだろう。

「PRODUCE 101 JAPAN」は「PRODUCE 101」シリーズのファンが視聴者になっているケースも多く、韓国のアイドルファンの文化になじみ深いことから、番組側も応援広告等への画像の使用を、規定の範囲内で許可したのだ。
著作権への意識が厳しい日本で、当番組においてこのような取り組みが公認されたことは、非常に画期的な取り組みだった。

さて、ここまで「PRODUCE 101 JAPAN」に詳しくないという方にも知っていただけるよう、番組の特徴を解説した。
次回以降は、各回の個人的に注目したステージやシーンを、当時の空気感を思い出しながらピックアップしていきたい。




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