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【MOVIE】映画の感想

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映画の感想や考察
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#映画レビュー

【感想】ラストレター - 想いが人を生かしてくれる

映像美ラストレターを観た。岩井俊二さんの映画は映像だけでぐっと違う世界に連れ去られてしまう病的な魅力があって公開が決まったときから絶対に観ると決めていた。 結論から言うと今回の作品では岩井俊二さんの他の作品にあるような病的な映像の魅力はなかったように思う。が、変態性こそないものの紡がれる映像はいずれも確かに美しかった。主張しない洗練された美しさだ。 学生の頃抱いた思いこの映画を観ながら高校時代よりも小学時代や中学時代を思い出していた。高校時代は社会への繋がりが現実味をおび

こんな世界だからこそ『天気の子』は正解よりも愛を叫ぶ

平日の夜に1人で足を運んだ近所の映画館、200人のキャパに対して20人くらいのお客さん。もうすぐ日付もまわる頃、映画のラストシーン、RADWIMPSの「大丈夫」を聴きながら「やられた...」と映画館の暗闇の中で僕は一人打ちひしがれていた。新海誠から未来を問われている感覚がした。 このnoteでは僕が天気の子から受けとったメッセージをつづっていきます。 ※本編のネタバレを含みます。 沈みいく東京が現すもの天気の子を観てまず印象的だったのが作中に流れる諦観した空気感だった。