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④『おおつちありがとうロックフェスティバル』実行委員長・岡野シゲオの“これから”

「③岡野シゲオの座右の銘」から続く】

シゲオさんのブログのタイトルが「まだまだ喋れます」で、実際まだ喋れるとは思いつつ(笑)最後の質問に。ありフェスは“LAST STATION/WE CAN CHANGE”というテーマで7月14日(日)開催に向かう中、今年で最後と決めたからこそシゲオさんが今後に描いているものはあるのか?どうなのかな?と?
③で話した通り)ありフェスが“復興フェス”であると認めたら楽になった部分があるわけですよね。震災から13年経って今は日々、笑顔で新しい生活をして暮らしてる。こじつけになるところもあると思うんですけど、だからフェスを続けてきた意味はあったんじゃないかと思っていて。昔は“WE CAN CHANGE”とは真逆だった人間が(笑)。
今、例えば自分だったらランニングをやってるけど、それはただ走るだけじゃないんですよ。時間の使い方をどう工夫すれば走れるのか、(ひいては)人間としてポジティブになれるのか、ということを考えながら生活してる。それが出来ているということは、次の目標を見つけて動ける自分らになれているということで。今のこの姿があれば、それで良いんじゃないかなって。
ありフェスが終わって次のイベントとかのビジョンは今、全くない。でもありフェスを12年やってきて、良いことや大事だなって思うことは継承していく。(大槌で)フェスとかイベントをやらなければダメだっていうこともないと思うし、町の皆それぞれが考えるべきことなのかなと思いますね。

【岡野シゲオ(写真右)】
2012年から岩手県大槌町で開催されている
おおつちありがとうロックフェスティバル(通称ありフェス)
実行委員長
おおつち ありフェスRADIO ラストエディット」等
ありフェスにまつわる様々な発信も自ら行っている
映画が大好き 趣味はランニング
(左/インタビュー後半に登場する“キミオさん”)

こういうことを言っちゃダメかもしれないけど、自分の中では、今はしばらく。自分と自分愛する家族のために何かをやって行けたらな、っていう位置付けですね。フェスとかに限らず、自分の好きな音楽を好きな時に聴きに行けたらなぁ、っていう感じです。
おっしゃる通り、1人の人間としての人生も大事にしないとですよね。
イベントをやるというのはすごいことです。誰でも出来ることじゃない、ってやってみたから分かる。本当に色んなものを犠牲にして立ち向かってますからね。命を削ってやっている、と言っても華厳の滝ではないですよ。
いい話の最中、しれっとダジャレみたいなものを入れてこないでください(一同笑)!
最後だからちょっと、正直に思いを語りましたけどね。イベントは“何でそれをやるのか”っていうのがないと。アーティストだって“イベントを作っている人たちがこういう人だからやって来る”んだと思うから。

考えてみた時にやっぱり、“あの人らが今、笑顔でランニングしてるらしいよ”って言われることがもう、ありフェスとしては成功なんですよ。ちえさんが今、こうしてインタビューしてくれてることだってそう。
過去の自分のことも忘れることはないですし、ありフェスを通しての繋がりをこれからも大切に、生きていければ。いつぞやどこかで会った時に“おぉ〜!”ってなれるように日々、努力をして生きていければ。
フェスをやってみた当事者だから感じられる正直な思いですね。聞けてよかったです。
ありフェスをやったことでのご褒美もいっぱいある。それが繋がって今の生活がある、そう解釈してるので。ありフェスが終わったら全国を走りに行きたいですね、ありフェスを通しての友達がいる大分も走りに行きたいしなぁ、うん。
そもそもランニングを始めたのっていつでした?
ちょうど3年前になりますね。(古舘)キミオ(/ありフェス実行委員)さんが登山をする人で、トレーニングにランニングを取り入れてたんですよ。で、ある時“やってみない?”って誘ってくれて。最初は当ーーー然、断りますよね(笑)、今より20キロぐらい体重も多かったし。“そんな時間はないよ”って断ったら、“皆、時間がないって言うんだよ。その時間を、作るんだよ”って言われたんですよね。痩せたいとか歳だから体力がどうのとかじゃなく、その言葉に引っかかって。
仕事から帰ってきてニュースエコー(※岩手のニュース番組)見ながら酒飲んで、お腹をポリポリかきながら(笑)横になる、みたいな。そういう生活が嫌で自分が変わればいいって分かってても、やっぱり楽なんですよね。そんな時にキミオさんにそう言われて、なるほどなぁ、時間を自分でコントロールできるようになればいいんだ、って。楽をしてたその1時間で何かできないかなと思ってランニングを始めて、そしたら身体にもいい。今は月間400キロとか走ってますし、フルマラソンも走りますから。

それはすごい!!!
ありフェスの最後を発表してから、新しい何かっていうのを…元々面倒くさがりなんですけど(笑)、時間の使い方を考えるところから入って、たどり着いたんですよね。
例えば名画にしても、描いたものが今すぐ名画にはならんでしょう?時が名画にしてくれると思うんですよね。伝わりづらいですけど(笑)、自分もそういう時間の体験・時間を感じてみたい、と思っていて。1時間あるとしたら、10キロ走れるようになったら大体1時間。その1時間を、“1時間しかない”って思うのか、“1時間もある”って思える人間になるのか。そう考えられるようになると、人生が・発想が、まるで真逆になるんですよ。
キミオさんは俺よりはるか前にそれを体感した上で、色んな人と繋がっていたんでしょうね。だからそういう部分が俺にも必要なんじゃないかと思ってたんじゃないかなぁ、若い頃の俺のことも知ってるからこそ(笑)。“(生活が)ありフェスだけになるなよ”っていう思いもあったんでしょうけどね。自分に大切なものがないと、人に対しても良くは出来ない。そういう色んなものを感じて、キミオさんが、走るのを誘ってくれたんでしょうね。
趣味のランニングにそんな裏話があったとは…面白い。
ラントリップって知ってます?この前はキミオさんとね、東京の神田〜代々木公園を走りました。片道11キロぐらいなのかな、とにかく楽しかった。九段下で武道館にも入って“ここでチェッカーズが解散したんだな〜”って見たりして(笑)。
最後に1つ、こんな話をしましょうか。ランニングはメンタルなんだって。あくまで市民ランナーに限った話ですけど、ベストって50代って言われてるんです。それは何故か、それは人間として成熟して精神的に、メンタルが強くなる時だから。メンタルが強ければ走れる、肉体的なものは走り初めの最初しか感じないですよ。僕も始めたての何ヶ月はひどいものでした(笑)、だけど諦めなかった。それでだんだん走れるようになると、楽しくなってくる。そして時間を使うバロメーターにもなってくる。人って変わりますよ、いくつになっても、本当に。
まさに今年のありフェス“WE CAN CHANGE”ですか!
そうなんですよ!僕らが体感してるから、間違いないんですよ。WE CAN NEVER CHANGE・俺たちは変わりようがない、だった人たちが、WE CAN CHANGE・全然変わってる!に、なってるわけですから。(ありフェスに)関わってくれる全ての人たちのおかげで、私たちは変われました、っていうことですから。
“お前、変わったな!”って言うのってマイナスなイメージのことが多いけど、人はプラスにも変われるんです。大槌町の人にとっても、“ WE CAN CHANGE”って一番良い言葉じゃないかなって思ってるんです。変わることを、恐れない。決して悪い方向じゃなくて(笑)、良い方向でね!

7月14日(日)
岩手県大槌町で開催される
おおつちありがとうロックフェスティバル」で
皆様お会いしましょう🎶


【「ひとのちから、まちのちから。」〜岡野シゲオ(おおつちありがとうロックフェスティバル実行委員長)さん編〜/完】

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