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自己選択・自己決定を尊重すること

今日は介護の日です。介護について、少しお話をしたいと思います。

1.介護の日

11月11日は1が並んでいることもあって、いろんな記念日があります。
その中でも、「介護の日」は平成20年に記念日となりました。
高齢化が進み、介護が必要な方が増えていく中、多くの人々に介護を身近なものとして捉えていただき、それぞれの立場で介護について考えてもらう日となっています。

2.介護とは

介護とは、老齢や心身の障害などの原因により、日常生活を営む事に支障がある方に対して、日常生活の動作や家事、健康管理、社会活動などの援助を行うことです。
基本理念として、「対象者が差別を受けることなく、地域社会と密着した中で生活できるよう支援すること」、「障害を持った人が、日常生活に支障をきたさないよう、地域住民、関連機関・団体が中心となって問題解決にあたること」とされています。住み慣れた地域で、対象者の方々がその人らしく暮らしていけるよう、住民やあらゆる人々が助け合っていくというのは、地域包括ケアシステムの考え方となります。

3.介護の三原則

1982年、デンマークで介護の理念として三原則が生まれました。三原則は下記の通り。

 ①生活の継続性
 ②自己決定の尊重
 ③残存能力の活用

できる限り生活環境や習慣を変えず、可能な限り今までと近い暮らしを継続できるようにする生活の継続性。自宅で生活できなくなり、施設に入所することになったとしても、施設の生活リズムに合わせるのではなく、今までの生活リズムで過ごせるようにしたり、介護する側の利便性ではなく使い慣れた家具を持ち込めるようにするなど、本人の希望に寄り添うことが大切です。

本人が望まない生き方や介護は行わない。対象者自身が意思決定をし、周囲はその選択を尊重する自己決定の尊重。家族や施設などの都合で事を進めたり、本人が周囲に合わせて自分自身の意思を伝えられなかったりすることがないようにしたいものです。対象者ご本人の本心を引き出せるように、しっかりと対話を重ねられると良いと思います。

身体の残っている機能を最大限活用し、日常生活の動作で対象者本人ができることは何でもやっていただく残存能力の活用。どうしても介護というと「やってあげる」が先走り、本人の「やろうとする気持ち」を追い越して、能力を奪ってしまうほどの過介護となってしまいがちです。できないことをサポートするという視点で、残された能力を最大限活用できる環境を作り出せると良いですね。

4.介護と自立支援

介護においては自立支援の考え方が重要になってきます。
対象者が意思をもって生活できるよう、対象者ご本人が何を望んでいるかを理解し、選択の自由を尊重することが重要です。介護の三原則にあるように、本人の希望に寄り添い、自己選択・自己決定を尊重する事が自立支援となります。

日々の介護で、自立支援の視点を忘れずに関わりたいものです。

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