見出し画像

食べていないのに、モグモグしているのはなぜ?

特に何も食べていないのに口をモグモグと動かしていたり、左右に舌を動かしたりする方を見たことはありませんか?病気の影響や薬の副作用によるものだと思っていたのですが、その他にも原因があるようです。
なぜ、食べていないのに口をモグモグさせているのか…。今日はそんなお話です。

1.口腔ジスキネジア

自分の意思とは関係なく、身体が動いてしまう。特定の筋肉にその症状が出現し、自分の意思で止めることは難しく、止めたとしてもまた動き出してしまう不随意運動をジスキネジア(dyskinesia)と言います。
その中でも口やその周辺で起きるジスキネジアを、口腔ジスキネジアと言い、繰り返し口をすぼめたり、舌を左右に動かしたり、口を突き出す、モグモグと何かを噛んでいるように動かす、唇を舐めまわす、歯を食いしばるといった症状がみられます。

2.口腔ジスキネジアの原因

口腔ジスキネジアの原因としては、統合失調症やアルツハイマー型認知症、自閉症などの脳や神経の病気と合併して起こる場合と、向精神薬やパーキンソン病の治療薬など、薬の副作用によって起きる場合とがあります。加えて、合わない入れ歯をつけ続けることにより、口周りの筋肉のバランスが崩れることで引き起こされることもあると言われています。
また、高齢者や糖尿病患者でも見られるといわれていますが、こちらは原因不明のことも多いようです。

3.口腔ジスキネジアで起きるトラブル

口腔ジスキネジアにより、いろいろなトラブルが起きます。
歯や入れ歯が壊れてしまったり、舌や頬を噛んでしまったり、発話が不明瞭になったり、舌がこすれることで痛みが出る、顎に痛みが出たり、顎が外れるなどの問題も起きたりします。
さらには口腔ジスキネジアによって、社会との関わりを避けてしまったり、気持ちが塞ぎ込んでしまうといった問題も起きてきます。

4.口腔ジスキネジアのリハビリテーション

治療としては、口腔ジスキネジアを引き起こしている神経系の病気などの治療を優先し、また、薬が原因という場合には服薬の調整をする必要があります。病気の治療は医師に、服薬は医師や薬剤師に相談してから実施することが大切です。
一方、合わない入れ歯が原因で口腔ジスキネジアが起きている場合には、まずは歯科医師に入れ歯を見てもらい、入れ歯を調整し直すと良いでしょう。

まずは放っておかず、病院を受診するようにしましょう。

そして、口腔ジスキネジアは口周りの筋肉のバランスが崩れていることで起きる場合もあります。その場合には、口を大きく開ける会話をする食べ物をよく噛むといった運動を行い、口周りの筋肉のバランスを整えることで、症状が軽くなる場合があります。

これは普段の生活の中でリハビリテーションとして行えそうですね。ぜひ参考にしてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?