慢性腰痛を表現することわざ 2021・8・1

腰痛の代表格と言えば、ギックリ腰でしょうか。急に重いものを持った時に腰に無理な力がかかります。

腰椎の中には大事な脊髄が通っており、腰椎に無理な力が加わって損傷すると大変なことになります。だから脳は腰椎の周りの筋肉に、「緊張しろ」、という命令を出して動きを止めて腰椎を守ろうとします。

ギックリ腰を起こしたほうから見れば、「急に腰が痛くなって動けなくなってしまった」という状態です。

ふつう、原因となった無理な力がかからなくなった時点で脳から腰の筋肉への「緊張しろ」という命令は解除されます。徐々に痛みは無くなり動かすこともできるようになるはずなのです。

ところが緊張を促す脳からの命令がうまく解除されないことがあります。ギックリ腰の痛みそのものや、腰が痛むことによって思うように行動できないことがストレスになり、そのストレスに脳が反応して「緊張しろ」という命令が出たままになってしまうことがあります。

「ギックリ腰が治らずに慢性の腰痛になってしまった」という話をよく聞きますが、それは脳が誤作動を起こして「緊張しろ」という命令を解除していないから起きることなのです。筋肉が緊張した結果、腰椎や骨盤が変位を起こしたりしますが(いわゆる骨がズレた状態)、いくら骨格を調整しても脳の誤作動を解除しなければまた元に戻ってしまいます。「骨盤調整を受けたときは楽になるのだけれどすぐにまた痛くなる。」というお話を伺うことも多いのですが、こういう理由からなのです。

当院で行っている頭蓋仙骨療法は脳の誤作動を改善して心身の過緊張を緩和します。もちろん脊椎や骨盤の調整も必要に応じて行います。

さて、表題の「慢性腰痛を表現することわざ」、なんだか見当は付きました?答えは、

     「羹(あつもの)に懲りてなますを吹く」

熱々のラーメンを食べて口の中をやけどした人が、冷やし中華を食べる時に用心してふうふう息を吹きかけて食べる、とでもいった意味です。脳は誤作動することを昔の人も知っていたのでしょうね。


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