うどんを食べてる最中に「むせる」すべての人のために 2024・1・1

齢六十を超えて、「オレも齢を取ったな」と思うことが増えてきました。まず買い物をした時にレジでもたつきます。それから回転寿司からファミレスから居酒屋まで軒並み端末で注文するようになっていて、これにもなんだか馴染めません。それからねえ、食事中に時々むせるようになりました。
 
食事中にむせるのはどうしてか。私たちの喉は呼吸をするときは空気が通るように、ものを食べる時は食物が通るように切り替えが可能です。ものを食べる時は喉の奥にある咽頭や喉頭の筋肉や舌が働いて空気の通り道を塞ぎます。言ってみれば交通整理の役割をする、ということです。
 
ものを飲み込むタイミングがくるって、気道のほうに食物が入ると咳が出て外へ排出しようとします。食事中にむせて、鼻の穴からうどんやご飯粒が出てきた、という経験はどなたにでもあるでしょう。
 
高齢になると交通整理をする筋肉や舌の働きが低下してきます。交通整理がだんだんうまく行かなくなってむせる回数が増えてきます。
 
「なんか爺臭い」だけではなく、気管に食物が入ってしまうとそれが原因で肺炎を起こすことがあります。誤嚥性肺炎といって気管に入り込んだ食物に付着したウイルスや細菌によって肺が感染症を起こします。場合によっては命にかかわることもあります。誤嚥を嫌がって食事や水分を取ることを控えるようになると、栄養障害や脱水を起こすこともあり、いずれにせよ健康にはよろしくありません。
 
誤嚥(性肺炎)を防ぐためには咽頭や喉頭の筋肉、舌(これも筋肉です)の働きをできるだけ維持する必要があります。そのために様々な口腔体操が紹介されていますがなかなか続けるのは困難です。
 
そこで補完医療の出番です。
 
のどぼとけの上に横じわがあります。その真ん中あたりのくぼみを5秒くらい痛くない程度の力で押圧すると咽頭喉頭筋の緊張が和らぎます。東洋医学で廉泉(れんせん)という経穴に相当します。耳の後ろ側、口を開けると少し凹むところがあります。ここを柔らかくマッサージすると舌圧が強くなり、咀嚼にかかわる筋肉も強化されます。ここは東洋医学で翳風(えいふう)という経穴に相当します。
 
廉泉にも翳風にも市販の紙絆創膏を2、3センチに切ったものを貼っておくだけでも効きます。
 

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