OPUS-QUAD

はじめに

先日のPioneer DJ「DJM-A9」の発表からすぐにオールインワンDJシステムの「OPUS-QUAD」が発表されました
この機材は今までのXDJ-XZ (以下XZ) 等とは違い機能からデザインまでかなり一新されてXZの後継機というよりはまた新たな位置づけの機材を発表してきたように感じました
そこで発売前で公式HPの情報頼りにはなりますが少しこちらで記述していこうと思います
(情報はPioneer DJ公式ホームページを元にしています)


基本情報とデザイン

上部
背面
前面
サイズ

上記画像でもわかる通りとてもスタイリッシュで今までのDJ機材と比べてみると大人な感じの機材に仕上がっているように感じます。
側面は木目をイメージしたデザインになっており今までのPioneer DJの機材ではなかったデザインです。

HPでは「演奏性が進化しただけではなく、多様化するDJシーンに合わせてさまざまな空間やロケーションにマッチし、オーディエンスに特別な音楽体験を提供できるような唯一無二のデザインを実現しました。」とのことなのでこれは今までCLUBで使われ来るのが一般的だったDJ機材を「Bar」もしくは「お部屋のインテリア」としてでも確立できるようにデザインされたのではないでしょうか。
また上部の各ノブやフェーダーも今までのDJ機材にはラインや音量など色々な情報が記載されていましたがそれもデザインのイメージからか払しょくされており更なる大人なイメージを確立しています

DDJ-FLX4のデザインも無駄な部分を省いてスッキリとしたデザインになっているのでこれからのPioneer DJの機材のデザインはこちらの大人な方向に作られることが多くなってくるのではないかと思います

DDJ-FLX4についても記事を書いてますのでデザインは下記URLからご覧ください

またHOT CUEがジョグの上部に配置されたのもデザインからの点だと思われますがこれはデザインの他に押し間違えを防ぐ点でも良いのかと思います

サイズに関しては全体的に大きくなっておりこれはXDJ-XZよりも一回り大きいサイズです
価格も決して安いとは言い難くこれに関してもXDJ-XZよりも10万円ほど高い金額になっているので機能面をこれから見ていきたいと思います



機能面

①スタンドアローン4デッキ再生

スタンドアローン4デッキ再生が可能になったことにより楽曲準備の質が高まり、多様なDJプレイを実現します。本機単体で次に再生する楽曲を事前にロードしたり、急なリクエストが来た時のためにデッキを空けておいたりすることで余裕を持った楽曲準備が可能です。
また、各デッキにお気に入りのデッキカラーを設定することができ、デッキカラーとイルミネーションが連動することで、どのデッキを操作しているのかを瞬時に把握することができます。ミスが許されないプロフェッショナルな現場においても確実な音楽演出を可能にします。

この機能は本機で初めての機能でありXZでは2chまでしかUSBではプレイできませんでした
DJコントローラーでは4chプレイが可能でしたがオールインワンで一台でプレイできるのはとても画期的な機能だと思います


②豊富なメディア対応、DJソフトウェア

外部メディア接続

PC/Mac接続用には最新のデバイスとの接続を可能にするUSB-C端子を搭載。背面にはSSDなどの大容量ストレージデバイスとの高速通信が可能なUSB3.2規格に対応したUSB-A端子、USBストレージデバイスに対応した標準規格のUSB-A端子をトップパネルに2系統搭載しました。
さらに、Wi-FiⓇ 機能を搭載しており、rekordbox CloudDirectPlay(Creative プラン、Professionalプランに加入されている方が利用できる機能)やrekordbox for iOS/Android(2023年4月対応予定)の機能を使ったDJプレイが可能です。
またBluetoothⓇ オーディオ入力にも対応しており、スマートフォンから楽曲を再生することができます。

これは今までUSB2.0規格しかなくSSD等を使っても機能が発揮されていなかったのがUSB3.2の搭載によりSSDを使うことの有用性が出てきたということです
USB3.2は背面にコネクタがあるのですがこれはSSDをつなげた時のコネクタ部分への負担の軽減によるためだと思われます
メディア接続の一つの懸念材料とするとUSB-typeCがPC接続になっておりType-Bがないのでそこは用意するケーブルに注意が必要です

本機は、rekordboxのPERFORMANCEモードに対応しています(Serato DJ Proは2023年夏対応予定)。有料サブスクリプションプランを契約する必要はありません。本機をPC/MacにUSBケーブルで接続するだけで、すぐに豊富な機能でクリエイティブなDJプレイを楽しむことができます。
また、お手持ちのスマートフォンからモバイル版アプリケーション「rekordbox for iOS/Android」(2023年4月対応予定)に接続してDJプレイすることもできます。

これはとても重要なことですがOPUS-QUADでrekordbox6を使用する場合Device Library plusを使用します
これはrekordbox6内の設定でチェックを入れれば使えるようになりますがその楽曲はOPUS-QUAD以外の機器では使えません
またUSBへのエクスポートも同様でDevice Library plusで読み取った楽曲でなければOPUS-QUADで反応しなくなります
逆も同様でDevice Library plusで読み取った楽曲は他のCDJ / XDJでは使用できません
なのでOPUS-QUADは本当に唯一無二の存在といえると思います

USBの取り外しもこの機器は少し特殊で本来CDJ / XDJはUSB接続部の付近にUSB STOPボタンが付いていますがOPUS-QUADは中央画面横の「SOURCE」ボタンを押すと画面内にUSB STOPのボタンが出てきます
USBをSTOPせずに抜くと故障の原因になりますので気を付けてください


③ユーザーインターフェイス

静電タッチモジュール搭載の 10.1 インチタッチディスプレイを採用しました。これにより、プレイリスト間の素早い移動が可能なPLALYLIST BANK や、ブラウズ中に楽曲のプレビュー再生が可能なTOUCH PREVIEW、キーボードサーチなど選曲の質を高める充実した機能のなめらかな操作感と、閲覧性の向上を実現します。
左右上下へのプッシュ操作が加わったジョイスティック型 の 新規開発SMART ROTARY SELECTOR とその周辺に集約されたブラウズ関連操作子により、手の位置を動かすことなく直感的な選曲を可能にし、膨大なライブラリであっても今まで以上に素早く確実に選曲を行うことができます。

個人的に注目したい点は「SMART ROTARY SELECTOR」で今までのROTARY SELECTORは選曲が一曲ずつ送りしかできなかったのですがこれはページ送りができるようになったのでSSDで膨大な楽曲を持ち歩いても素早く選曲することが可能になります
また曲をロードする前に試聴が出来るのでロード時間の短縮も可能です
正直今までSSDを繋げても曲探しが必至で選曲しきれなかったのでありがたい機能です


④デッキレイアウトとSMART CUE

OPUS-QUADは、より直感的なDJプレイを実現するデッキレイアウトを採用しました。

左右デッキ上部にはデッキディスプレイ、その直下に8つのHOT CUEボタンを配置。ジョグの操作時に視線を動かすことなく、各デッキの再生中の楽曲情報や各機能のパラメーターとステータスを確認しながら頭出し、といったスムースなプレイが可能になります。

また新たに搭載されたSMART CUE機能* を使用すれば、呼び出したHOT CUEがCURRENT CUEに自動的に上書きされ、ワンタッチでHOT CUEを使った頭出しが素早く効率的に行えます。
* SMART CUE機能を使用する場合は、事前にUTILITY設定でOverwrite Current Cue with Hot Cueをオンにする必要があります。


⑤高音質なサウンド

オールインワンDJシステムゆえのオーディオ伝送やAD-DA変換のないシステム構成に加え、MASTER出力部には高音質ESS technology社製32bit高音質D/Aコンバーターを搭載することで、高音質でありながら落ち着きのある優しいサウンドを実現しました。どんな会場でも最高の雰囲気を演出します。

採用されているD/AコンバーターはDJM-A9と同等のものが使われています
ですがA/Dコンバーターは24 bitなのでそこは注意が必要です


⑥BEAT FX

XY-PAD操作

OPUS-QUADは、DJプレイに彩りを加えるBEAT FXを搭載しています。
タッチディスプレイを使ってBEAT FXのパラメーターを変化させたり、FX BANKやチャンネルセレクトをタッチ操作のみで完結することができます。
XY-PAD操作では、X軸でBEAT FXのパラメーターを、Y軸ではFILTERのカットオフ周波数を可変することができ、指1本で手軽に操作できます。
また、トリガーを設定すれば自動でエコーをかけることができるSMOOTH ECHOを採用しました。フェーダーもしくはノブを使用したシンプルな操作で楽曲に彩りを加えることができます。

SMOOTH ECHO設定

SMOOTH ECHOは設定でHOT CUE / CUE / CHANNEL FADER 等々にECHOをかける設定ができ例えばCHANNEL FADERに設定しているとFADERを下げたときに自動的にECHOがかかります
これはとても斬新な機能であり使い方次第ではとても面白いMIXが可能になると思います

BEAT FXのタッチ画面にはFX BANKというものがありここにBEAT FXを複数保存して即座に使用することができます
よく使うFXをここに保存しておけば探す必要がなくなるわけです
これは機材の電源をOFFにしてもBANKが消えないので再度設定する必要はありません


⑦ZONE出力

本機では、MASTERとは異なる音を出力できるZONE出力を備えており、フロアによって異なる音楽演出を行うことができます。
例えばBluetoothオーディオ入力と組み合わせることで、メインフロアにはUSBを使用したDJプレイ、サブフロアにはモバイルデバイスからBluetooth入力したBGMを出力するなど、それぞれのフロアにマッチした音楽演出をOPUS-QUAD1台で完結することができます。


⑧解説動画

上記でOPUS-QUADの主要部分の解説を記述させていただきましたがまだまだ書ききれていない部分もあるかと思いますので更なる解説は自分がいつも参考にしている海外動画Crossfaderよりご覧ください
海外動画なので日本語自動翻訳をご利用ください

プレイ動画




まとめ

今回OPUS-QUADを色々見てきて感じたことはこの機材は使用用途を明確にした方にお勧めできる機材だと思います

CDJ×DJM / XDJシリーズ は色々使用用途の幅は大きく感じられますがOPUS-QUADは使用楽曲も限定されることや他の機材にはない唯一無二の機能などが盛りだくさんに追加されてることからとりあえず導入しようという感じの機材ではないように感じました

OPUS-QUADの一番評価できる部分はPioneer DJも推している全体のデザインでそこに関しては「CLUB」「Bar」「自宅」「イベント」どこで使っても引けを取らない大人なデザインに仕上がっておりDJプレイもスタイリッシュに出来る作りになっています

発売前なので機能面はまだまだ見ていく必要があるかもしれませんがこれまでのPioneer DJのメカメカしい部分を払しょくしてくれる他にはないデザインなのでそこだけでも購入の選択肢に入れるのはありだと思います

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