10、縁を結いて

不思議な出会いの噺
僕は今日、ずっと行きたかった
けど訳あって避けていた寺に行ってきた
参拝者が普通なら人が注目しないところを
覗き込む女性がいた
年の瀬は60代だろうか
遠目に見えた僕は何故か警戒した
おそらく人間の本能
防衛本能だろう

近づくとその女性が僕に声をかけてきた
あの、すみません、、
この硬貨って一円玉ですかね?
その女性は汚れて判別できない硬貨を
見つけたらしく
その硬貨を奉納したいようだった
見てみると汚れてはいたが
重さも裏に見えた模様も一円玉だった
そう女性に伝えると
すごく嬉しそうにありがとうと言われた

そのまま参拝しようと賽銭箱の前に立つと
その女性が影から出てきた住職に
汚れた1円玉を渡していた

参拝し終えたときに住職が僕に
声をかけてきた
あの女性、東京から全国を巡っているみたいですよ

ここのOO神様に会いたかったみたいで、、、

見かけで判断した自分が恥ずかしい
とてつもなく良い人じゃないか
たかが1円のために動ける人は
今どれくらいいるのか

参拝を終えてもその方は隣接する池を眺めていた
通りがかり会釈したら
ありがとうございましたと声をかけられた

僕は何もしてないのに、、

最近感じていたことだが
僕は何故か話しかけられやすい人で
羨ましがられて自負した個性なのだが

力に吸い寄せられるのは
スピリチュアルでも本当だと信じていて
その女性に不思議な力を感じたように
僕も不思議なのかも

まあ人間そのものが不思議の塊だけど

ホンモノの優しさを
久々に感じた一時でした


ばーい、Rondo

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