初めての漁獲に要るもの。

ライティングは2020年の4月も末ですが、果たして今これを書くのは適当か否かと言うと微妙です。コロナの影響は留まるところを知らずもはや影響を受けない業界の方が少ないのではないでしょうか。

さて僕はと言うと、ある試験に合格して、その講習を受けるためという口実でモラトリアムな時間を過ごしています。要は暇なわけで、相変わらずふらふらと生きています。これでは彼女の一人も出来ないのは仕方ない。性分なんですかね。

隠していたわけでもないのですが、実は僕は音楽以外にも一つ趣味がありまして、釣りが好きなんですね。実はその関係で飯を食っていた時期もあったりなかったり。音楽は趣味としてやっていますが、これは下手の横好きであり残念ながら間違いなく才能はないわけです。そのため、多才ではない僕が少しだけ出来る数少ない特技が釣りだったりします。

釣りにせよ音楽にせよ非常にオタクな趣味です。どちらも一生出来るのが良いです。最近、SNSに釣果をアップしてみると比較的反応をもらえたためこの記事を書いてみました。すぐに調子にのるあたりがいかにもオタクです。

さてしかし、釣りなんて特に書くことが無いんですよ。というよりも"釣り"だと主語が大き過ぎるのです。小アジとマグロでは釣り方も場所も道具も全く違うわけです。

そこで、原点回帰として『初めての釣り』として初めて釣りをするのに何が必要か、というテーマをまずは書いてみます。

初めて釣りをする人が買ってみて、上達しても後悔しない道具はどれか。コストパフォーマンスという一点に特化した観点より選んでみます。

【はじめに】

いざ釣りをやってみよう、という時に何を買えばいいのかですが、大別してみると竿、リール、糸、仕掛け(あるいはルアー)、エサ釣りの場合はエサになります。

このうち、まずは竿とリールを買わないと始まらないのですが(手釣りというのもありますがあまり現実的ではないのです)、竿もリールも数えきれないほどの種類があります。

おおまかに言うと竿は太さと長さ、リールは大きさで使い分けます。基本的には大は小を兼ねますが、太い竿や大きなリールは大抵は大物釣り用です。はっきり言って初心者や入門者の手に負える代物ではありませんし、非常に高価です。

釣りはRPGと似ているかもしれませんね。経験を積んでレベルを上げて、より難しいターゲットに挑んでいくのです。よく釣り雑誌やテレビでマダイやブリなどを狙って「誰でも簡単に〜」などと言っていますが、あんなものは嘘っぱちです。信用してはいけません。

実際に簡単にはじめるなら、防波堤などで釣れる魚を狙うのが良いでしょう。具体的にはアジやサバ、イワシ、カサゴやメバルにアイナメ、ベラやウミタナゴなどが狙えます。いずれも比較的手軽に狙えて食味も良いです。せっかくなので釣れた魚は美味しくいただきたいですね。

これらは仕掛けさえ変えれば大抵共通の竿やリールで狙えますが、おおまかに計算してみて1万5千円程の予算があればかなりしっかりした物を購入出来ると思います。予算を抑えるなら下限は6千円ほどでしょう。それ以下だと道具として使用するには難があります。

それでは具体的に紹介します。

【①竿(ロッド)】

竿というよりロッドという方が適当かもしれません。というのも、竿にはたくさんの種類があって値段もピンキリですが、はじめて買うなら一本目はズバリ『バスロッド』です。ブラックバス用の竿ですが、これは万能竿として機能します。上記の魚ならどの魚にも対応できます。

比較的短く、適度にハリもあって扱いやすいため初心者が使うならまずはバスロッドで良いでしょう。見た目もスタイリッシュな物が多いので愛着もわきやすいかもしれません。釣りに限らずどのような道具でも見た目のかっこよさというのは大事だと思います。

安いものだと1000円前後から高いと数万円しますが、上記の魚がターゲットなら正直竿はケチってもよいです。釣具店に行くと店の前に特価品がぶら下げてありますが、そのクラスでも十分です。セールという名目で売られていたりしますが、いつ行ってもその値段なので別段お得ではないんですけどね。

ただし、安いものは耐久性が低く壊れやすいです。竿は主にカーボンの棒にパーツを取り付けて作りますが、安いものは使われているカーボンの質が悪かったり、使われているパーツが粗悪だったりします。そのため、あまり安いものだと使い捨てと割り切る必要があります。

しかし最近は大手メーカーを中心に比較的安価でも長く使える道具がリリースされています。具体的に見てみると以下の竿などは初心者から上級者の予備にまで使えます。

シマノ:ルアーマチック S66L

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全長:1.98m

継ぎ数:2

自重:125g

適合ルアーウェイト:5〜14g

適合ライン(ナイロン):5〜10lb

S66LのSはスピニングリール用、66は長さで6フィート6インチ、Lはlightの頭文字でバスロッドとしては比較的軽いルアー用という意味です。

実売価格で5000円ほどの竿ですが、使われているパーツや素材がこの価格帯としてはかなりしっかりしています。過度な装飾をしていない普遍的なデザインは玄人好みとも言えそうですし、飽きのこない道具として末永く使えそうです。

また、使い捨て感覚にはなりますがとにかく予算を抑えるならこういった製品もあります。

OGK:グローバルスティック 602MLS

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全長:1.83m

継ぎ数:2

自重:不明

適合ルアーウェイト:3.5〜14g

適合ライン:4〜10lb

こちらはメーカー品ではなく釣り具問屋のオリジナルでいわばノーブランドですが比較的どこでも簡単に手に入ります。ネットでもすぐヒットします。お値段はなんと1000円前後なので、これなら敷居は低いのではないでしょうか。チープに見えますがチープなりにイマドキなデザインです。

602の表記は6フィートで二本継、MLはミディアムライトの意味ですが、ライトだとかミディアムだとか、竿の硬さの表記に定められた規定はなく、それぞれのメーカーの独自基準なのでこれはあまり気にしなくてもよいでしょう。

いずれにせよ、初めての竿なら1.8〜2.2m程度の長さで10g程度のルアーを扱える『スピニングリール用』のバスロッドを選ぶとよいでしょう。

【②リール】

リールは主に二種類あり、それぞれ"スピニングリール"と"ベイトリール(両軸リール)"があります。このうち最初に選ぶのはスピニングリールにしましょう。ベイトリールはブラックバス釣りと一部の船釣りで使うくらいで、大抵の釣りはスピニングリールで対応できます。

竿もスピニングリール用の竿にはスピニングリールを、ベイトリール用の竿にはベイトリールをそうちゃくするようにします。上記の例に挙げた竿はスピニングリール用なのでスピニングリールを装着すればよいのですね。

さてリールは竿に比べるとある程度予算を割きたいところです。1000円ほどでもあるにはあるのですが、経験上不良率が非常に高く、耐久的にも半年ほどしかもちません。また、本来あるべき機能がなかったりします。あまり専門的な言葉はややこしくなるだけなのでマニアックな話は割愛しますが、要するに激安ロッドは使えなくはないが激安リールは難がある、くらいの感覚です。

その条件を勘案すると、リールの場合はメーカーが二択のみになります。それぞれダイワとシマノです。さまざまな機種がリリースされていますが、その中でも今買うならという機種をいくつかピックアップします。

ダイワ:レガリスLT2000S 

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巻取り長さ(cm/ハンドル1回転):68
ギア比:5.2
自重(g):190
最大ドラグ力(kg):5
標準巻糸量 ナイロン(lb-m):2.5-200、3-150、4-100
標準巻糸量 ブレイド(号-m):0.4-200、0.5-170、0.6-150
ベアリング(ボール/ローラー):5/1
ハンドル長(mm):40
ノブタイプ:I

実売価格で7000円ほどのリールで、リールとしては7000円というのは入門からのステップアップ用みたいな価格帯なんですが、なんというかバーゲンセールみたいなリールです。ダイワのリールの主要なテクノロジーが満載です。デザインも高級感にあふれています。こんなリールを出したらこれより上位の中級機や高級機が売れなくなるんじゃないだろうか...。

2000というのはサイズを表しており、Sは糸を巻く部分(スプールといいます)が浅い(shallow)である事を意味します。一回り大きいLT2500Dでもいいかもしれません。

これはちょっと難しくて

・慣れてきたらメバルやニジマスのルアー釣りがしてみたい!→LT2000S

・慣れてきたらアオリイカやケンサキイカのルアー釣りをしてみたい!→LT2500D

という選択肢になります。餌釣りメインの場合も2500番手の方が良いです。ここはお好みでどうぞ。なんとなく魚に想いを馳せるのも釣りの醍醐味です。

シマノ:シエナ2000

シマノ:エフエックス2000

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(スペックはエフエックス2000です。ただし、どちらもほぼ同等だと思われます。)

ギア比:5.0
実用ドラグ力(kg):2.0 / 最大ドラグ力(kg):4.0
自重(g):250
スプール寸法(径/ストローク)(mm):45/14.5
糸巻量(号-m):ナイロン 2-150、2.5-125、3-100 / フロロ 2-120、2.5-105、3-85 / PE 1-300、1.2-200、1.5-140
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):71
ハンドル長(mm):55
ベアリング数(BB/ローラー):2/1

多分色が違うだけだと思うんですが、どういうわけだか2種類ともほぼ同じ価格でリリースされています。

このリールだと最初から糸がついてきます。それで価格は実売3000円ほどなのでかなり良心的です。流石にあまり高級感はありませんが、シマノならではの機能をいくつか搭載してあり、非常にコストパフォーマンスにすぐれたモデルといえます。

【③糸(ライン)】

入門機ならリールに糸が巻いてある機種も多いですが、基本的にはリールに糸は付属しません。それぞれ好みの糸を必要に応じて巻きます。

糸には三種類あり、ナイロンライン、フロロライン、PEラインの三種類です。また、ナイロン→フロロ→PEの順に高価になります。

はじめての釣りで防波堤や港に行って釣りをする場合はまずはナイロンラインで十分です。ナイロンラインはしなやかでトラブルが少なく、比較的安価です。あまりにも安いものだとゴワゴワで使いづらいものもありますが、最近の糸は良く出来ています。

ダイワ:ジャストロン

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ラインシステム:オールバス

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デュエル:CN500

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いずれも有名メーカーの製品です。これをリールのスプールに9割ほど巻きます。

糸なので様々な太さがラインナップされていますが、初心者が港や防波堤から釣る場合はナイロンラインの『2号』(あるいは8lb、8ポンド)のラインを選ぶとよいでしょう。

【④仕掛け(ルアー)】

最後に仕掛けです。仕掛け、あるいはルアーは狙う魚により千差万別です。くどいようですが小アジとマグロでは全く違います(そもそも竿やリールも全く別物ですが)。

今回は防波堤の代表的な魚であり通年狙えるカサゴ(関西圏ではガシラ)の仕掛けを紹介します。上記の竿、リール、糸に組み合わせれば完成です。

ちなみにアジやイワシなどのサビキ釣りならカサゴの仕掛けの代わりにサビキ仕掛けをセットするだけで使えます。上記の竿とリールとラインで波止の釣りはとりあえずはできるのです。

ささめ針:ブラクリ

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仕掛けはたったこれだけです。ハリと重りがセットになった仕掛けで、先端の輪っかの部分にラインを結び、ハリに餌を付けるだけです。これの2、3、4号あたりを2〜3パックほど用意します。大体1パック300円ほどです。

マルキュー:くわせオキアミSUPERHARD

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エサはオキアミを使用すれば虫を触らなくていいですよ(触れる方はゴカイ類でもいいですが)。あるいは生きている小エビなども好まれます。

カサゴを釣っているとタケノコメバルやムラソイが混ざりますがいずれもわりと何でも捕食するのであまりエサで悩む必要はありません。

以上、竿はケチれば1000円、リールが糸付きで3000円、ブラクリ2パックで600円、オキアミが400円ほど。5000円強で一通り揃います。

上を見るとキリがありませんが、このくらいであれば比較的お手頃な遊びではないでしょうか。テーマパークより安いはずです。

釣りにせよクラブにせよ、早くワイワイとやりたいものですね。現実でまたお会い出来るのを心待ちにしています。

それでは、また。


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