"マト番"じゃない、レコードの内側のとこに書いてある何か
以前簡単にDJ配信出来ますよ、の記事を書いて、続編書こうかなと思ったらもう別でたくさんあるな、となって書くのをやめてしまいました。
もう一年以上前か。。
今回はレコードの話です。
僕はDJですが所謂ディガーでもないし、コレクターでもない普通のレコード好きで、特にオリジナル盤とかにこだわりも無いんですが、ちょっと面白い発見をしたので記録しておこうと思いました。
きっかけはとある80'sのエレクトロのレコードです。多分特に自分より上の世代のヒップホップ / クラブミュージックファンにとってはめちゃくちゃ有名なやつです。
このレコードをDREばりに2枚使いしたくてもう一枚買ったのですが、ランアウト(曲の溝が終わってラベルまでの空白のとこ)に、よくある数字とか記号、刻印じゃなくてちょっとした文章が刻んであるのに気づきました。
2枚使いするとなると、極端に音圧なり音質が違うと違和感があるので鳴りが一緒なのを担保するには同じプレスのもので揃えるのが楽です。本で言えば初版、とかそういう感じの。
マト番とか、オリジナル盤とかについてはこちらがわかりやすそうです。
https://dime.jp/genre/484074/
というわけで、安かったので多分再発だなあと思いながら買ったらやっぱりそうで、でも聞いた感じはそんなに違和感ないし大丈夫か。と思いながらバージョンの違いを確認するためランアウトを見てみると、なんかただの記号とかではない文章がありました。そしてそれぞれ書いてある文章が違い、後発リリースのものは文章が足されているような感じでした。
(多分)87年プレスの方
IT’S STILL HOT IN 87
"Herbie Jr (スマイル顔) Angie P"
“P. S.”
“HEY BRO”
“DEDICATED TO DORIAN MARTINEZ”
(多分)94年プレスの方
Herbie Jr (スマイル顔) "Angie P"
P. S. ALICIA + AMANDA
“HEY BRO”
“DEDICATED TO DORIAN MARTINEZ”
IT’S HOT IN "83" "87" AND STILL IN “94”
みたいな感じで書いてあります。
まずDorian Maltinezとは誰なんだ、そしてAliciaとAmanda追加されてるけど誰。。?P.S. でHey broってどういうことやねん。。
とかなりますが、目が惹かれたのは年代の部分です。
IT'S STILL HOT IN 87
↓
IT’S HOT IN "83" "87" AND STILL IN “94”
このレコードはラベルをみると分かるのですが、もともと83年の曲です。
そして僕が先に買ってたのは、87年のプレス。(結構古そうだしオリジナルかな?と思ってたけどどうやら全然違いました。)
もう一枚が94年のプレスっぽいことがわかりました。
Herbie Jrの部分の筆跡も少し違うので、全体的に書き直したものであることがわかります。
ですが例のスマイル顔マークも書いてあるし、94年の再発時もHerbieがこれ書いたのか?もしくは別の人が踏襲したのか?そもそも87年の時点でHerbie自身なのか??とかは今のとこわかりません。
ラベルのフォントとかも違うので正規なのかブートなのかも知識がないのでわかりませんが(なんとなく多分正規再発じゃないかなとは思います)、いずれにせよめちゃアツいな、と思いました。
ちなみにdiscogではこの12inch、とんでもない量のバージョンがプレスされてるのがわかります。
僕も思い入れがある曲に関してはオリジナル盤が欲しくなったりするときも無いことはないんですが、こういうノリがある再発はとっても素敵だなあ〜と思います。
Herbieってのは誰なんだ
で、このHerbieってのは誰なんだ、と思って色々検索したら、この動画に当たりました。
まさしく求めてたお話です。
彼はアーティストもレーベルも違う主に80'sの色んなレコードを取り出し、これらの共通点はわかりますか?と問いかけてきます。
実はこれは全て同じスタジオでマスタリングされ、尚且つこのHerbieというマスタリング / レコードカッティングエンジニアのちょっとしたメッセージがランアウトに彫られているものなのです。
"IT'S FRESH"とか。
なにぃー!?と思った僕は、家にあるオールドスクールヒップホップ(80's)で、トミーボーイレーベルのレコードを何枚か引っ張り出しました。
結構多くのものにこの動画でも言及されているFrankford Wayneの刻印があったことをなんとなく覚えていたからです。
そしたらやっぱり書いてありました。
大好きなBEATMASTERのLIP SERVICEという曲には
"HOT LIP!"
とか、
かの有名なバンバータのRenegades of funk には、
THIS PERFECT BEAT "BE" CRITICAL!
とか。。
あとJONZUN CREWのPACK JAMには、パックマンのマーク(PAC-MANのロゴのCの形)が連なって書いてありました。
鼻息荒くPlanet Rockを見てみると、僕の持ってるやつには何も書いてませんでした。再発だからかな。
ただなんか良いよねみたいな話
彼のマスタリングした盤には彼のサイン、そして大体奥さんの名前に、この一言コメントと、あとは自分の息子の名前とか書いてるみたいなんですね。
はっきり言って雑と言って良いレベルの一言感想を勝手に(かどうかも不明ですけど)マスターのランアウトに書き込み、しかも謎に子供の名前とか書いてたりで、特にこの書き込み自体が素晴らしい内容!とかではないんですが、その時代の少なくともHerbie自身の気分はきっと表してたりもするだろうし、大昔のレコードにエンジニアの掘った文字が入った状態でプレスされ、しかもそれが再発で受け継がれたりしてるのって、めちゃ素敵だな〜
と思った、というお話でした。
※レコード好きの方々からしたら常識なのかも知れませんが、意外とインターネットを探してもこの話が見当たらなかったので書いてみました。
※これ書き終えてから気づいたんですが、discogsに「バーコードとその他の識別子」として登録されてるやつですね。
ここまで読んでくださった方へ!
せっかくなのでマジの宣伝します。
大好きな箱の大好きなパーティに読んでいただきました!嬉しい!
気合入れてDJしますので是非遊びに来てください!
TOPGUN
10/23 (土) 渋谷KOARA
22時OPEN 1000円
Guest DJ:
DJ WILDPARTY
Zooey Loomer 1979
Jordan
startambourine
TOPGUN DJs:
Tetsuya Suzuki
moriura
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