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マンゴーの出身地から品種を選ぶ。

どうも、ハウスの電気代と戦う北薩にいたおじさんです。

あくまで私の浅いマンゴー栽培経験からですが
・日本で安定的な栽培をするには簡易でも雨よけ風よけ施設が必須。
・霜にあててはならない。
・マンゴーの根は低温水にはかなり耐えるが高温(低酸素水)には弱い。
・蒸散が活発な時期に根にダメージを与えるのは非常にリスキー。

ここまではほぼ確定として、

今回は私がなんかそんな気がするなと思っている4つのうち2つの疑問を

・激しい寒暖差は特に木に障害を与える原因になる。
・品種によっては暑い時期に花芽分化を誘導できる。


・生育ステージによって設備に求められる機能が変わる
・ハウス内温度の安定に雨水タンクの放熱←→吸熱が多少貢献する。

データを見ながら確信に変えていこうと思います。線を引いてあるものは次回にします。詳しい方は「当たり前だろ!」と思われるかもしれませんが、お手柔らかに。

実際に産地に足を運んで色々調べた方がわかるでしょうが、私にはお金とスキルが足りません。そこで世界各国の気象がわかるサイト、Weather Sparkさんを活用して気候を見てみましょう。スクリーンショットはっつけた方が見やすいでしょうが、ライセンス的な問題と容量圧縮のため、お手数ですが別タブでリンクをあけてみてください。


世界の産地と代表品種

私が独断と偏見で選ぶ世界のマンゴー産地とその代表品種がこちら。
その国の首都(州都)と産地の気候を比較しています。その品種はその気候条件の中で最高の品質になると考えていいのではないかと思います。

インド-アルフォンソ

インドでもラトナギリというところが産地として有名だとか。(googleMAPより)

インドの首都デリーはかなり年較差があります。州都ムンバイと、特に産地のラトナギリは海岸線近くなのもあって年較差も日較差も少ないです。一年のうち平均最高気温33℃が最高値で平均最低気温22℃が最低値です。なんとも羨ましい。その代わり雨季と乾季が明確に分かれており、5~10月に雨が降って11~4月はほとんど雨が降らないという環境です。つまり、アルフォンソはそういう環境で花を咲かせおいしい実をつけるように選抜された品種ということになります。

タイ‐ナンドクマイ

タイ中部がマンゴーの産地らしいですね。(googleMAPより)

タイの産地はインド程は明確に雨季と乾季が分かれてない代わりに、やや暑い感じですかね。一年のうち平均最高気温35℃が最高値で平均最低気温21℃が最低値です。バンコクのwikiによると季節は6月~10月の雨季、11月~2月の乾季、3月~5月の暑季三つに分かれるそうです。つまり、タイで選抜された品種は日本よりはるかに温暖で、インドよりは乾燥しない環境で実をつけるということですね。

フロリダ‐アーウィン

アーウィンはフロリダで生まれました。日本の発明じゃありません。(googleMAPより)

タラハシーってなんだよと思ったらフロリダ州の州都だそうです。マイアミとタラハシーは同州ながら、気温が全然違うあたりにアメリカ大陸のデカさの片鱗を感じますね…日本で栽培されるマンゴーのほとんどがアーウィンで、マイアミは一年のうち平均最高気温32℃が最高値で平均最低気温17℃が最低値です。降水量も含めて、極めて気候が安定しているのが特徴ですね。一年中日較差が7℃以内に収まります。稀に寒波がきて氷点下に落ちる日もあるそうですが…つまり、アーウィンは温暖で一日の寒暖差があまり大きくない気候で良い実をつけるような品種だということですね。

台湾-金煌

台湾の黄金煌さんが品種改良したのが金煌です。(googleMAPより)

最後に台湾です。台湾には原種のマンゴーがあるのですが、台湾で品種改良されたものということで、金煌マンゴーをチョイス。母樹のある地点の近くの玉井区をみると、台北より南にあるので暖かいですが、標高が高いので寒暖差は割とあるようです。一年のうち平均最高気温33℃が最高値で平均最低気温13℃が最低値です。地理的に近いのもあって、月間降雨量をみると非常にシンパシーを感じますね。つまり、金煌マンゴーは寒暖差に強くかなり日本の気候に近い環境で生まれた品種ということです。近いというだけで温暖な場所であることに変わりはありませんが。

世界の産地と出水の気候比較

北半球産地の気候と私の住んでた出水市の比較ですがまーきっついっすね。12月から4月まで最高気温が他国の産地の最低気温を下回っており、7~8月が辛うじて世界と戦えてる感じです。加温なしだと無理なのがわかります。私のやっている冬季最低限の加温で収穫を目指す栽培法だと、台湾選抜系の品種が適している可能性が高そうですね。

↑ 出水を消して自分の住んでいる地域を入れてみても面白いと思います。試しに愛知県の豊橋市を入れてみましたが、冬の気温はちょい低いですが、緯度が高いので夏の昼間時間は長いですね。冬季加温をうまいことやれば大きなマンゴーが出来たりするんでしょうかね?

日本の産地と比較したものはこちら↓

まとめ

そんな感じがする→たぶんそう

・品種によっては暑い時期に花芽分化を誘導できる。
インドやタイはほとんど一年中暑いですが、そんな環境下でもちゃんと実をつけます。特にアルフォンソの原産地での花芽分化は、乾燥ストレスによるところが大きいでしょう。タイマンゴーはキオサワイ、ナンドクマイ、マハチャノク、チョカナンを試しに育てていますが、最低限の加温で育てるのには不向きな感じがします。開花のタイミングが繊細です。特にチョカナンはホルモンバランスが崩れて衰弱しやすい傾向が見られます。

以下、私の栽培中の記録Twitterが消えていると歯抜けになるかもm(_ _;)m

哀れな姿になったチョカナンくん。もし春先に復活しなかったら2本目になります。さらば諭吉。

・激しい寒暖差は特に木に障害を与える原因になる。
マンゴーという果樹はそもそも原産地が温暖な気候です。南半球を混ぜるとグラフで重ねたときにノイズになるので比較には使いませんでしたが、ケンジントンプライドの名産地であるオーストラリアのケアンズもやはり温暖な気候ですね。

ただ、私が栽培した中で胡椒やコーヒーといった10℃を下回ったら枯れる植物よりは寒さに強いです。暑い日が続く中で猛暑の日があったり、寒い日が続く中で寒波が来る分にはマンゴーサイドが対応してくれる感じがします。冬季に締め切ったハウスの上部などは寒暖差の影響で被害が出やすいですね。寒暖差に対しての耐性は品種や葉の硬化具合も関係しそうです。私の栽培環境では台湾系が寒暖差に強い傾向がありますが、なまじ低温環境でもギリギリまで栄養生長を続けるため、霜害に遭いやすい印象があります。

もったいないと思って切り戻しをしないと、切らない場合より被害が拡大するかも。
金煌マンゴーの小苗は地面近くの方が寒暖差が少ないおかげか踏みとどまってますね。


引き続きそんな感じがする

・生育ステージによって設備に求められる機能が変わる。
・ハウス内温度の安定に雨水タンクの放熱←→吸熱が多少貢献する。

これに関してはこちら ↓




ここまで読んでいただきありがとうございました。



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