見出し画像

マンゴーの成長を止めるな!

この記事は続きものです。まずは ↓

残っているそんな感じがすること

・生育ステージによって設備に求められる機能が変わる。
・ハウス内温度の安定に雨水タンクの放熱←→吸熱が多少貢献する。


マンゴーをどう育てたいのか

観葉植物としてのマンゴー

輸入物のマンゴーや長期冷蔵保存されたマンゴーの種子からだとうまく発芽しないことがありますが、食べた後のマンゴーの種を育てるという楽しみ方もあります。発芽してしばらくは胚からの栄養で育つので、水だけあげていればいいです。耐陰性も意外と高めです。

緑は癒し。一応、版権的なものに配慮してモザイクをかけてます。

収穫を期待しないで観葉植物として楽しむのなら、あまり成長しない方がいいので、ほどほどのストレス環境においておけばいいと思います。

種から育てて収穫したい?

世界に一つだけのマンゴーとか1/1000の確率で生まれた親よりも優秀な品種といったロマンを追い求めたい場合を考えるとちょっと問題があります。

私は日本の環境にマッチした耐寒性の高いマンゴーは出来ないものかと実生から試しているんですが、高温・低温・乾燥といった過度なストレス環境に置くと、ギリギリ枯れないものの、全然成長しないという状況になります。

苛烈な条件(放置)に晒される実生マンゴーたち。ちなみにこの写真で一番の古株は中央のアミ。

鶏が先か、卵が先か。

成木に実を成らせるのには、ストレスを与えて成長を一時的に止めるというプロセスが必要不可欠ですが、苗の場合一年中適度な温度・日射・水分・養分を与えて早く成長させてやった方がいい気もします。果実の出来栄えを確認してから、環境変化への適応を見た方が時短になるかもしれませんね。

私のやり方だと15年くらい後になって、とんでもなく環境変化に強いもののめっちゃマズイマンゴーが出来たりするかもしれません。それはそれで個性的で面白いかもしれませんが…

陸に海を作るという発想

一年中ストレスなくマンゴーを成長させるとなると、日本では沖縄が圧倒的に有利だと思います。私が育てているマンゴーの苗も大半は沖縄から取り寄せました。世界のマンゴー名産地は海岸線近くが多いですが、これは巨大な熱容量をもつ海が温度変化のクッション役をしてくれるからですね。

100ℓの水が7℃温度を下げる=700kcal分の熱を放出する。

しょぼい実験ですが

朝:外気-2℃、ハウス内約5℃
雨水タンクの水温7℃
日中:ハウス内33℃(直射日光の影響あり)
雨水タンクの水温11℃
夕:ハウス内11℃
雨水タンク14℃

約100ℓの水が朝7℃で夕方14℃になっていますね。夜間は太陽からの熱供給がないので水温が下がるわけですが、ある意味ハウス内の暖房として機能しているとも言えます。水タンクが邪魔にならなければ、容量を増やすほど熱調整の効果を期待できます。

私のように光熱費をケチってハウスを締め切っていると、ハウス上部に熱気が溜まって冬でも30℃を超えることがあります。水の比熱は空気の4倍なので、熱気をファンで誘導してうまいこと水タンクに熱を貯めておけば、昼夜の温度差を少なくできるかもしれません。温泉熱や工場排熱なんかが潤沢に使えればこんなことしなくてもいいですが。

特にインド系品種やタイ系の品種を内陸の方で作るときは急激な温度変化を起こさないために有効かもしれません。寒冷地だと水パイプが凍結して破裂したりするかもしれませんが…

まとめ

マンゴーの成長を止めるな! というタイトルでスタートしたわけですが、アーウィンを7月に収穫したいとしたら、成熟日数から逆算して1月くらいに成長を止める、みたいなことが必要になります。

・生育ステージによって設備に求められる機能が変わる。

観葉植物として楽しむ → 温度変化の少ない明るい室内に置く。
苗から成木まで育てる → なるべくストレスを与えないようにする。
趣味で収穫を楽しむ  → ある程度の環境制御と耐候性品種を育てる。
プロとして栽培する  → 高度な環境制御と優良品種の栽培を行う。

・ハウス内温度の安定に雨水タンクの放熱 ← → 吸熱が多少貢献する。

私のところの極小の栽培環境だと多少も多少の貢献でしかないですが、ある程度のスケールになれば、塵も積もればでエネルギーコストを抑えられるかもしれません。ヒートポンプで温水と冷水を作って、温帯で熱帯植物と低温遭遇が必要な果樹の両方作るということも理論上は出来そうな気がします。

そこまでする必要ある?と言われるとなかなか…できそうだと試してみたくなるのが人間の サガですな。



ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?