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リリィ・シュシュのすべて感想

一昨日、岩井俊二監督作品の
『リリィ・シュシュのすべて』(2001)
を観ました

前々からTiktokでモードな動画に編集されたものを見た事が何度があり、そこで初めて岩井俊二監督の存在を知りました。

『いつか観てみたいなぁ』と思っていたところ
少し前に同監督の『Love Letter』(1995)を観る機会があり、それはもう感動しました。
なんと言っても映像が美しい、、、

『Love Letter』からの流れで『リリィ・シュシュのすべて』を観る踏ん切りがついたのです

私の気持ちを吐き出し、整理したいだけなので時系列などはぐちゃぐちゃです。


①主人公。蓮見雄一(市原隼人)

とにかく市原隼人が幼い、可愛い。
作中に雄一が友人の母親から
『蓮見くんって、白くてちっちゃくて可愛い』
と言われるシーンがあるが、激しく同意したい

今の彼からは想像もできない軟弱さと体の小ささが私を混乱させてくる。制服の肩幅が合ってなくて肩パッドを入れたみたいになっている笑
それもまた可愛い。

雄一はかつての仲間、星野にいじめられる。
彼は雄一にリリィ・シュシュの存在を教えた人物であり、星野は物語の裏主人公と言える。

星野

リリィのライブのシーンが個人的にとても辛かった。散々星野にいじめられてきた雄一にとって、つかの間の救いのひとときとなるはずだったライブで、ばったり星野に遭遇。色々あって雄一はライブ会場に入れず、外から音漏れを聞くのだった。

雄一の報われなさが辛かった。


②津田詩織 (蒼井優)

詩織ちゃん、人は空を飛べないんだよ。
星野に弱みを握られ売春を強いられている雄一の同級生。明るい表情から垣間見える彼女の心の闇が、雄一と繋がるところがある気がする。
二人はその『闇』で繋がっていたのだと。

詩織ちゃんは映画の後半ではずっと

『空を飛びたい』


と言っていた。もちろんその気持ちは分かるが私の中でその言葉は
『叶わない願望を口にしているだけ』
という認識だったが、彼女は飛んだのだ。

人には羽は無い。
当然、飛べるわけがなかったのに
それでも彼女は空を飛びたかったのだろうか?

③描写

この映画を見た人の感想で多いのが

『10代のうちに観れて良かった』
『自分が10代の時に観たかった』


中学生達の元気溢れる活発な描写と
不安定な精神状態でなんとか自分を見つけ出そうと、『自分がいるのだ』という主張をしようとする描写が、この映画には含まれている。

まさに『10代の青いひととき』と言える。

私はこの映画を10代で観ることが出来たうちの一人である。
中学生ではないが、まだまだ青さが残っている
そう思いたい。

『リリィ・シュシュのすべて』を10代のうちに観ておくと、どんな良いことがあるのか。

自分という存在を間違った形でしか主張出来なかった星野のようにはなるな、まだ若い脳にそう植え付けることが出来るから?

映画の中の彼らと歳が近いことで、よりリアルな感情を抱くことが出来るから?


どちらにせよ、良い映画に若いうちに出会う事は絶対に悪いことでは無いはずである。

観て良かった。

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