DIYで自宅屋根に太陽電池を設置する(当然、売電も!)第07回 太陽電池パネル設置枚数の検討①
DIYで施工できる架台の入手の目処が立ったので、次はパネルの設置枚数について検討を行いました。太陽電池パネルの選定基準はパワーコンディショナーとの兼ね合いがあり、単に枚数を増やせる訳ではありません。ここで検討の変遷を辿りながら、太陽電池パネルの選定に必要な要件をまとめていきます。
①とにかく出力の大きなパネルをたくさん
小さな屋根を最大限有効活用するには、出力の大きな太陽電池パネルをできるだけたくさん載せれれば良いと言う、昭和の高度成長期の様な単純な考えです。ソーラーオフさんで販売していた出力の大きな太陽電池パネルは、
【出 力】メーカー名 型番 ( 値 段 )
【335W】ジンコソーラー JKM335M-60H (13,200円+税)
【330W】ジンコソーラー JKM330M-60H (13,200円+税)
【330W】アキシテック AC-330MH/120S (15,500円+税)
の3種類が330W以上です。しかし、ジンコソーラーのパネルは、50枚以上での販売です。また、アキシテックのパネルは『JEMA(日本電機工業会)の登録がB登録のため、10kW未満の住宅用には使用できません』となっています。これらのパネルは、大規模発電用のパネルとして販売しているようです。
少量でも買える高出力なパネルは、
【325W】JAソーラー JAM60S09-325/PR (18,000円+税)
【320W】サンテックパワー STP320S-20/Wfh (17,500円+税)
【320W】ネクストエナジー NER660M320 (17,500円+税)
がありました。
まず最初に考えたの、325WのJAソーラー製を15枚の載せることでした。そして、会社のCADを使い設置のイメージを書きかました。
黒い線が屋根の外形で、左の三角が西面、右の台形が南面の屋根で、紫の線が太陽電池パネルを表わしています。
屋根を最大活用し15枚載っています。でもちょっとはみ出してます(笑)
設置できないことはなさそうですが、台風などの大風が吹いた時、このはみ出し部分からパネルの裏側に風が潜り込み、飛んでしまう恐れがあります。また、パネルを縦置きに設置するには、スレート金具3を本来の取付姿勢から90°回転させる必要があります。メーカーに問い合わせましたが、回答はありません… 悩んだ末に、この案は却下としました。
②2種類混載計画
はみ出さないように設置するには、横置きに2段にするしかありません。すると、12枚は載るものの何かとってももったいない。
この南面の上部にを有効活用した!!
そんな思いでソーラーオフさんサイトをみていると、
【260W】ネクストエナジー NER650M260 (15,000円+税)
がありました。このパネル幅が少し小さく作ってあります。その理由は、
まー何てことでしょう、日本の住宅屋根に最適なモジュールサイズに設計しているではありませんか!(軽やかなピアノの音♪)私は一気にネクストエナジーのファンになりました。そして、考えたのが、
【320W】ネクストエナジー NER660M320 (17,500円+税)
【260W】ネクストエナジー NER650M260 (15,000円+税)
この2種類のパネルの混載です。320W×12枚と260W×4枚で4.88kWになり、南面はデッドスペースが限りなく少なく、大満足です。
ただ、2種類混載することに不安がありました。そこで、メーカーに問い合わせてみました。その回答は、
同直列のストリング内に出力の違うモジュールが存在しますと、電流・電圧ともバランスが崩れる可能性が高まりますので、メーカーとしては推奨しておりません。
す、す、推奨しない? じゃ、混載しても良いの?混載したらどうなるの?と聞きたいところだが、メールの最後に、
実際に太陽光発電システムの電気回路の設計を担当される方、施工会社様、
あるいはSI(システムインテグレーター) 設計者の方等へご確認(相談)いただくことをお勧め致します。
設計を担当される方 → はぎ
施工会社様 → はぎ
SI → はぎ
なんですよ!!
③勉強しました
誰も頼りにならないので、自分で勉強するしかかりません。勉強と言っても専門書を買うでもなく、単にGoogleで調べまくりました。その結果いろんなことが分りました。これまでに知っていた事も含めて設計するに必要な事として、
①太陽電池パネルは直列に接続する
②直列に接続すると、電圧が高くなり、電流値は変わらない
③直列できる数は、パネルの開放電圧(Voc)がパワーコンディショナーの最大入力電圧を超えない枚数まで
④多数枚設置する場合は、直列接続(ストリング)を複数系統に分け、接続箱で並列接続する(アレイ)
⑤アレイ内のストリングは、同じ枚数のパネルで構成しなければならない
⑥パネルが低温になると開放電圧(Voc)が高くなるので、設置場所の最低気温を考慮しないといけない
⑦パネルが高温になると電流値が上がるので、短絡電流(Isc)がパワーコンディショナーの最大入力電流値以内におさまるか確認が必要
こんなことが挙げられます。
この他にも、パワーコンディショナーの制御方式や、過積載の知識を得ましたが次回に回します。
そして、混載の可否ですが、結論から言うと不可です。
260Wのパネルは、セルの枚数が少なく、最大出力動作電圧(Vmp)が26.9Vで、320Wのパネルの最大出力動作電圧は32.6Vと大きく違い、パワーコンディショナーが最大出力を制御できない可能性があり、仮に制御できたとしてもパネルの能力が100%発揮されません。
④次回予告
調べた知識を最大活用して辿り着いたのが、
爆増!! 24枚!!! 6.24kW!!!!
つづく