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はじめに:親密さの選択 Introduction: The Choice of Intimacy

私たちはこれまで、幼少期の傷を乗り越え、人生に意味を見出すことについての関する書籍を数冊執筆してきましたが、どのようにして親密さをうまくきのうさせるか築いていくかということに絞った内容を書く時が来たと感じました。ほとんどの人が悩んでいるのがこの問題だからです。
親密さを維持する旅がもたらす恩恵に焦点を当てていますが、その経験のことだけに限定たくはありません。他者とのどんな親密なつながりも、意識的に取り組めば有意義な成長をもたらし、これから説明する理解やツールの多くは、親しい友人や家族、あるいは子どもであっても、あらゆる重要なつながりに同じように強力に適用することができます。
私たちが恋愛関係に入る理由はたくさんあります。単純に肉体的な魅力、共通点、従属と安心感の必要性、あるいは愛されたい、そして見返りに愛したいという願いからかもしれません。
しかし、より成熟した動機には、それらだけではなく、真の親密さは精神的・感情的な道であり、根気強く、献身的で、意識的な努力が必要であるということへの気づきも含まれるでしょう。それは、真実、自己認識、そして深い愛を追求しながら、2つの魂がひとつになっていく旅なのです。
この旅にコミットするとき、私たちはまた、どんな困難、葛藤、失望、あるいはどんな種類の挑戦も、成長するために学び、自分自身と親密さを深めるために使うことにもコミットします。
本書では、私たちの経験から、二人の間に深く、滋養に満ちた、永続的な愛の流れを生み出し、それを維持するために必要なことを、段階を追ってお伝えしたいと思います。
私たちにとって、これほど尊いものはありません。
人生にこれ以上の意味を与え、これ以上の心の充足感を与えてくれるものはないでしょう。
というのも、私たちは26年以上連れ添った今でも深い愛に包まれており、実際、年月が経つにつれてより一層愛が深まっているからです。
その過程では、私たちの関係や互いに対する信頼が試されるような困難もありました。特に初期の頃は、相手を責めるのではなく、心の底から好きであり続けることが大切でした。
しかし、それぞれの試練は、実際には私たちの愛を深めるために役立ちました。
私たちは、何年にもわたって内面を探求し、瞑想することによって、親密さのための強固な基盤をすでに築いていましたが、共にいることで、私たちは愛をはぐくんでいくための要素を見出すことができました。そのことについて、ここでもう少し詳しく説明しましょう。
ここでは、親密な関係を築くための基本的な要素の要点ををいくつか紹介します:
・自分のパターンをより深く知る。
・お互いの違いを受け入れ、愛し合うことを学ぶ。
・独り在ることに満足感を見出す。
・自分の感情を解釈し、表現することを学ぶ。
・境界線をより明確にし、自己主張するようになる。
・行動に移さずに、不満や失望と向き合える内なるスペースを発見する。

現在、そして過去24年間、私たちは自らの人間関係における経験を、ラーニング・ラブ・インスティテュートの活動に転換してきました。
私たちには自分たちが理解したことを伝えたいという情熱があり、深い体験型のセミナーを開発・指導し、個人やカップルのカウンセリングを行い、このワークを広めるために世界中でセラピストを養成しています。
私たちのもとを訪れる人々の多くは、人間関係において深い悩みを抱えています。多くの場合、彼らは自分自身について多くのワークを行ってきたにもかかわらず、人生のこの部分がうまくいっていないと言うのです。

彼らがどのような内面的なワークをしていようとも、私たちは度々このようなことを目にするのです:
・多くの人が機能不全に陥っており、それが愛を妨害し、果てしない葛藤を生んでいる。
・人々はしばしば健康的な方法で対立を修復することができず、その代わりに非難したり、攻撃したり、分析したり、互いを罵倒したり、心を閉ざしたり、引き離したり、別のパートナーを探したりすることを選ぶ。
・彼らはあきらめの境地にあり、愛を完全にあきらめていて、しばしば一緒に、あるいは一人で、ある種、死んだような状態で暮らしている。
・幼少期の傷や刷り込みが、二人の関係にどのような影響を与え、妨害しているかにまだ気づいていない。

永続的な愛のつながりを生み出し、維持できるのは運ではありません。深い親密さは、意識と準備と内面的な作業を必要とする旅だと気づくことです。
それは、二人がお互いに安心感、信頼感を高め、心を開くことで、境界線をなくしても健全な個性を維持できるようにする旅なのです。

/しかし、親密さに関するこの執筆プロジェクトを掘り下げていくうちに、私たちは焦点を変える必要があることに気づいた。親密さの創造と維持というこの問題で人々が直面する倦怠感や苦しみに対する核心的な解決策は、他の人を追い求めることでも、外側の努力でもなく、内なる愛の流れとのつながりを再発見することにあることを、私たちはますます認識した。この内なる愛のつながりを取り戻したとき、苦しみがなくなるだけでなく、他の人との愛のつながりを創造し、維持するためのより良い場所ができるのだ。/

愛が私たちの内側に流れ込むのは、私たちの身体やハートのエネルギー、周囲の生命とのつながりを感じ、生きていることに喜びを感じ、成長して学ぼうとする意欲が湧いてくるときです。そして最も重要なことは、たとえ困難で辛いことであっても、私たちの愛や私たちに起こることを肯定的にとらえ、あらゆる経験から学び成長する方法を見出すことです。

本書は2つのセクションに分かれています。第一部では、私たちがいかにして内なる愛の流れとのつながりを失っているのか、私たちの生活の中でいかにしてそれを妨害しているのか、そしていかにして他者との、より具体的には大切な人との愛の流れを回復させることができるのかを探っていきます。
愛の流れを取り戻すことは、意識の旅です。私たちは、自発性、好奇心、活力、そして信頼を持ってこの世界にやってきます。しかし私たちの多くは、このインスピレーションとハートを開いた内なる体験とのつながりを失っています。それを取り戻す旅は、私たちがそれを失ったことを自覚し、その再発見が人生の目的の重要な部分であり、人生最大の挑戦のひとつであることを理解したときに始まります。自分自身を麻痺させ、否定的な感情を甘やかし、変化に抵抗し、再び心を開くリスクを冒さない道から抜け出すには、知性と勇気が必要です。
この旅で回復する愛の流れは、私たちが最初に持っていた愛の流れとは異なるものです。それは、私たちが経験した試練、痛み、トラウマによって味付けされていて、私たちの抵抗や絶望に屈する傾向を克服し、人生に成熟した意味と目的を見出すことによってもたらされるものです。この旅路において、私たちは常にインスピレーションとエネルギーに満ち溢れていられるでしょうか? おそらくそうではないでしょう。喪失、失敗、病気に遭遇するとき、私たちは試されます。人生は自分に不利なもの、あるいは自分を罰するものだと思い込む罠に陥るのではなく、辛い経験も成長し成熟するための人生の旅路の一部として受け止めることを学ぶよう、私たちは試されているのです。辛い経験をどう受け止めるかは、人生の深い選択です。それらは障害になることもあれば、踏み石になることもあるのです。
内なる愛の流れを回復していくことにはさまざまな側面があり、今日の私たちの生活でそれを妨害し続けているものを愛あるやり方で探ることだったり、愛の流れを再燃させ、私たちの生活の中に定着させるための具体的なステップであったりします。
変化に対する抵抗が強くなることもあり、この旅には勇気が必要です。無意識のうちに生き、条件付けされた価値観や行動を疑うことなく受け入れ、慣れ親しんだ従来の生活にとどまることは、死んだも同然ですが、邪魔されないのが快適だと感じることもあります。そこから抜け出し、内面を見つめることは恐ろしいことであり、私たちが下した決断の結果は、生きるための新しい刺激となります。
私たちは、これまで生きてきた人生や歩んできた道がもはや通用しないと感じたとき、愛の流れを取り戻す旅に出る気になるかもしれません。もしくは、これまで生きてきた人生に意味を見出せなくなったとき、私たちはこの旅に出る気になるかもしれません。そのときに、落ち込むのではなく、まったく新しいことに挑戦するための導きを求める勇気を見出すのです。
私たちはしばしば、内側に欠けている愛の流れを与えてくれる他者を求めますが、私たちの経験では、その焦点は誤った方向に向いています。
どんなにコミュニケーション・テクニックやタントラの修行を積んでも、内なる愛の流れとつながっていないことを埋め合わせることはできないのです。私たちは、満たされない期待、ロマンチックなファンタジーの崩壊、あるいは終わりのないドラマに気を取られてしまうかもしれません。自分の不信を信じ、傷つき、裏切られ、怒り、恨みを感じたり、相手を変え続けたりすることさえあります。内なる愛の流れを見つけ始めると、すべてが変わります。
本書の第二部では、他者との愛の流れを作り出し、回復させ、維持することについて扱います。これには、他者との愛の旅がいかに困難であるか、またそれを妨害することがいかに容易であるかを理解することも含まれます。また、どのように安心感と信頼感を築き、どのように互いにつながり、コミュニケーションをとるかを学ぶための理解と実践的なツールも提供します。最後に、葛藤や誤解を愛あるやり方で解決する方法や、長期的な親密な関係の中で起こる予測可能な変化にセクシュアリティをどう適応させるかをお伝えします。

《The Flow of Love》 


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