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15 貯める(IMPOUND)と、使う

今日のコラムは、「貯める」をテーマにお話ししたいと思います。

先日、ダイバースタディーのYouTubeチャンネルの企画で、広瀬ダムの取材に出かけました。テーマは「貯める」でした。この動画で伝えたかったのは、貯めることは使うことと関連づけてその意義を考える必要があるということでした。

山梨県には、6つのダムがあります。その6つの内、2つがロックフィルダム、4つがコンクリートダムです。今回、訪れた山梨市の笛吹川にある広瀬ダムは、岩を積み上げたロックフィルダムです。

山梨県の管理ダムのうち最初に造られたもので、広瀬ダムに面した広瀬湖の上流には平成の名水百選に選ばれた西沢渓谷があり、下流には信玄公の隠し湯として有名な天然の「三富温泉郷」があります。

広瀬ダムは、山梨県下、随一の貯水量を誇り、多くの人々の生活用水、農業用水、灌漑用水に用いられているだけではなく、豊富な水量を活かして水力発電も行っています。海抜1000mを超える場所に位置していることも水力発電に適しています。

他の6つのダムについて簡単に教えてほしいというメッセージをいただきましたので、ごく簡単に触れておきます。広瀬ダムと同じく山梨市にあるのが、琴川にある琴川(ことがわ)ダムです。こちらは、コンクリートダムとなります。続いて、甲府市の水がめとして重要な役割を果たしているのが、荒川にある荒川(あらかわ)ダムです。このダムは、広瀬ダムと同じロックフィル工法です。それから、北杜市には大門川にある大門(だいもん)ダムと塩川にある塩川(しおかわ)ダムの二つがあります。二つともコンクリートダムとなります。最後は、大月市にある、葛野川(かずのがわ)にある深城(ふかしろ)ダムです。こちらもコンクリートダムとなります。これら、6つのダムにはそれぞれ、動画の中でも紹介しているようなダムカードがもらえます。そして、6つ貯めると6ダムカードという最高のダムカードがもらえます。

6つのダムの紹介はこれくらいにして、今回、取材した広瀬ダムの存在意義について考えてみます。このダムは、多目的ダムと呼ばれる分類になります。多目的とは、このダムの存在意義が複数あるということを意味します。

①下流の洪水を防ぐ

②生活用水(水道)や農業用水として利用される

③水力発電に利用される

この3つは、大変重要な生活基盤(生活を支えるもの)の一つと言えます。

①~③は、水を使っている、ダムを使っているいずれも使うために貯めていることを意味していることが分かります。これを、お金や人生経験、失敗、努力という言葉に置き換えてみましょう。「成功のために失敗を積み重ねている」では、ただ貯めているだけで、十分ではないのです。では、言い換えてみましょう。「成功のために失敗を積み重ねた経験をを使う(活かす)」ではどうでしょうか。貯めたことがしっかり使われていますね。

目的をもって、知識も経験も、努力も失敗も貯めていくことで、適切に使うことができます。貯める目的、それは、意義(いぎ)につながるのです。最後に、最近とても興味をもっている「貯める」と「使う」の関係を一つ紹介して、今日のまとめとしたいと思います。

それが、CRRA (シーラ:一般社団法人炭素回収技術研究機構)の取り組みです。シーラの機構長であり、代表理事の村木風海さんが開発した「ひやっしー」と呼ばれる装置です。これは、世界最小の二酸化炭素回収マシーンで、地球温暖化が叫ばれる今日、この世界共通の問題の解決手段として注目を集めています。回収した二酸化炭素は、二酸化炭素は化粧品の原料の一部や陸海空だけではなく宇宙にいたるまで、多くの乗り物のエネルギーに転用でき、その研究が日々様々な企業と共同で進められています。詳しくは、シーラのホームページをぜひご覧いただければと思います。

貯める、回収することが、使うことと効果的に作用しあっていることがここからもわかるかと思います。目標をもって貯めること、目的に応じて使うことの関係をしっかり意識してみることで、学習がまた一段と意義のあるものになるはずです。試してみてください。

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