Z世代と性生活の話

2021年2月に書きかけてすっかり忘れていたやつ。せっかくなので続きを書いて公開。

まず導入として、昨年秋に発表されたAriana Grandeの新アルバム「Positions」の話から。

発表されてすぐにSNS上で話題を集め、本国アメリカではTikTokチャレンジに使われたりなど初手から快調なスタートだったと思います。私も最初は軽くしか聴いてなかったんですが、あまりに耳にするので自然と歌詞まで覚えちゃってる曲もあったり...

私自身アリアナはちゃんと追ってなくて、彼女が他の女性歌手とどう違うのか、どういう方向性か、いまいち彼女の像がわかっていなかった。でも、そんなにわかな私でもわかる、本作は明らかに吹っ切れてる....色んな意味で。

「『positions』!?!? 体位ってことよね!!」「『34+35』???!!?!?」ってびっくりじゃないですか。清純派歌姫のイメージがあったので「おいおい、いいのか」みたいな。

まあ今よく考えれば、前作の『thank u, next』では、「元カレみんなありがとう、でも結局私を大事にできるのは私だけ」のようなことを歌いながら、他の収録曲などでもbad bitchの片鱗は見せてましたけどね。『Dangerous Woman』(アリアナの曲の中で一番好き)というのも、背伸びしてこんなの歌ってんのかななんて思っていました。それがですよ。

アリアナといえば、小柄なロン毛ちゃんで可愛い系ミニスカートの衣装着せられてる清純派なイメージあるんじゃないでしょうか。ガガ様とのRain On Meでも可愛い感じでピョンピョンしてたじゃないですか。
そんな彼女が本作で堂々とセックス(しかもちょっと生々しいやつ)を歌ってる。問題作(?)の34+35も、算数すればわかるアレの話をどストレートに歌っていて。(ただこれ、反応を見る限り意外と同年代の人気づいてなかったんですね。)


要するに、ここ最近はメンインストリーム(特にアメリカの)で性的な話がかなーりオープンになってきたよねっていう話です。

私の卒業論文に被る話でもあるんですが、2009年に初の黒人大統領のオバマ政権が発足してから、アメリカを震源地とした多様性主義はかなり大きな力を持ってきています。黒人音楽のHip Hopがアメリカ史上初のナンバーワンジャンルになったり、Lady GagaのBorn This Wayが大ヒットしたり、LGBTQ+問題や人種差別問題への抵抗運動が大きなセンセーショナルになったり、などなど。もちろん、マイノリティの声は昔からずっと訴えられてきている話ですが、こんなに表に出るようになったのはここ10年くらいの話です。

で、この間に多感な10代を過ごした若者がいわゆるZ世代です。私もその一員ですが、こういった事実を目の当たりにしながら成長していったせいか、同年代はほんとにリベラルな感性を持った人が多いと私は思っています。
おかしいものにおかしいと言い、自分と自分の愛する人の権利のために戦う姿勢を当然のように持っている。(もちろん全員じゃないですけどね。声の大きさや行動の仕方も人それぞれだし。)かっこいいと思います。

そういった流れからの延長だと私は考えているんですが、今までタブーにされてきたというか、話さない美学みたいなのがあるものにも堂々と言及する風潮になってきたのかなー、という想像が、アリアナのアルバムを聴いて結構確信に変わりました。

確かにTinderとかBumbleとかのマッチングアプリが流行ってるのもよく考えれば不思議なもんですよね。日本はまだ微妙かもしれませんが、アメリカに住んでた時はみんなかなり堂々とTinderしてたし、フリーダムな性生活送っていることも結構あっけらかんと話すし、セックスの話を日中のカフェでするのも全然普通だし、お小遣い稼ぎにOnly Fansやってる人も結構普通にいるし。

うーん、これ、ひょっとしたらHippie時代の再来かもしれんですね。性の革命再びというか。そもそもセックス自体を全く恥ずかしいことだと思ってないですよね。もちろん進んで話すのはアレですけど、話すこと自体はかなりオープンになった気がします。普通に私が大人になっただけみたいな話だとは思わないんですよ。
アリアナみたいな女の子が恥ずかしげもなく性行為のこと歌ってるの、よく考えればすごいことなのかも。

とりあえず今ある思考はここまで。以下セクシーな曲をなんとなく置いておきます。気が向いたら本件もうちょっと真面目に見ます〜。


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