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趣味はスキューバダイビングです。というとほぼ百で聞かれること3選

①冬は何するの?

『ダイビングシーズンも終わっちゃったね。冬は何するの?』
 冬も潜ってます。

 季節はめぐり、冬。
 夏が終わると、必ず聞かれます。

 スキューバダイビングは冬もできます。
 そういうと『冬も潜れるの? 寒くない?』と聞かれるのですが、このあたりは次のトピックにて。

 マリンスポーツをしない方はあまりピンとこないかもしれませんが、海にも四季があります。
 海=夏 というイメージがあると思いますが、冬には冬のダイビングの楽しみ方があるのです!!

【1】海の色が変わる
 沖縄の海の色、三浦の海の色、伊豆諸島の海の色、鹿児島錦江湾の海の色……。地域によって海の色は異なりますが、季節によっても海の色は変わります。

 まず、基本的に、夏は海の色が汚く、冬は海の色が綺麗です。
 その綺麗さを透明度・透視度(目視できる距離)という言葉で表します。
 神奈川県にある葉山を例にすると、
 春:1〜5メートル
 夏:6〜9メートル
 秋:8〜12メートル
 冬:10〜15メートル
 という感じでしょうか。ざっくりです!

 伊豆の海はだいたいこんな感じで、春は「春にごり」というプランクトンの大量発生により白く濁り、夏はその影響をうけ、秋に台風が来ることでそのプランクトンが一掃され、冬になると澄んだ水になる。
 こういうルーティーンのため、春・夏は濁り、冬は抜けている(=透明度が高い)。
 なので、冬の方が海の色自体は綺麗なのです。

 ですが、あまりそういうイメージはないと思います。
 それもそうでしょう。
 夏の海の色は知っていても、冬の海の色は知らないかもしれない。海の色は夏は緑っぽく、冬は青っぽいのですが、普通に見てたら分からないと思います。私もダイビングを始めるまで全く気にしたことがありませんでした。
 また、夏は日差しが強く水面が煌めいています。光が強く、海の浮遊物(プランクトン)が反射するので、上から見ると海は冬より明るく見えるでしょう。もしかしたら、上から見る分では冬より夏の方がきれいに思えるかもしれませんね。

 そして何より、夏と言ったら海、海と言ったら沖縄。
 そう、沖縄!
 沖縄は夏も青くて綺麗ではないか! と思うでしょう。
 はい、その通り。沖縄は夏も青くて綺麗なのです!!
 なぜなら、沖縄には常に黒潮がぶち当たっているから!!

 黒潮は暖かくて、透明度が高い海流なんですねー。
 伊豆諸島も同じ原理で、年中青いです。
 また、沖縄は白砂浜ですから、余計に透き通って見えます。

 透明度を語るだけでずいぶん長くなってしまいました。

【2】見れる生き物が違う
 夏と冬では海の温度が違う。温度が違ければ、当然そこに棲む生き物が違う。
 夏しか見れない生き物もいれば、冬しか見れない生き物もいる。
 
 例えばクジラ。
 冬になると伊豆諸島・八丈島でクジラを見ることができます。ダイビング中に遭遇するのはなかなか運がないと難しいですが、クジラの声はずっと聞こえますし、陸やホエールウォッチングができますね。三月ごろには親子くじらが見れますが、初夏を迎えることには違う海に行ってしまいます。
 例えばイルカ。
 春になると伊豆諸島・御蔵島でイルカと遊ぶことができます。
 春・夏でもイルカと遊べますが、夏が終わることにはイルカは「人間」に飽きてくるので、あまり遊んでくれなくなります。なので、行くなら春! 春はたくさん遊んでくれます。

 私が大好きなウミウシも、夏と冬で見れるウミウシが変わります。
 ですが、種類が多いのは真冬、そして春。
 春にごり真っ只中の四月・五月が最も多くのウミウシを見ることができます。

 海は2ヶ月遅れで四季がやってくるので、春は海も冷たく、濁り、そして外は微妙に暑いというダイビングには微妙な時期ですが、ウミウシ大好きの私に取ってはむしろトップシーズンなわけですね!!
 ウミウシベストシーズンです!!

【3】同じ生き物でも、姿が違う
 同じ魚でも、季節によって見かけが変わります。
 魚は年中交接しているわけではないので、交接シーンを見れる時期は決まっています。
 そして、魚の中には交接——というか、相手を探しているときだけ体地色が変わるものも多いです。それを「婚姻色」というのですが、これもその時だけ。
 産卵しているシーン、ハッチアウトするシーン、生まればかりの幼魚、幼魚と成魚の間、そして成魚。どれも違う色・形をしています。

【4】魚の数も違う
 春濁りのシーズンはプランクトンが多く、そして産卵の時期でもあるので魚影が濃いです。プランクトンと卵を食べに来ているのですね。
 なので、この時期は魚のカーテンがたびたび発生します。視界いっぱいの魚影をみるならこの時期が一番です。
 魚が群れることを「○○だま」というのですが、伊豆諸島にのみ生息するユウゼンという魚も春と秋になると群れて「ユウゼンだま」になります。
 単体でも雅な魚ですが、群れることでまた違った光景を見せてくれます。






 何の話をしてたんだっけ。
 そうだ、ダイビングシーズンは夏だけだと思われているという話だった。
 夏も、いい! それは間違いない。
 暑い地上から、海に飛び込む。最高です。

 でも、夏だけじゃない。冬もいいぞ!!

【結論】
 冬も潜ってるし、春も秋も、もちろん夏も、年中潜ってます。

②冬も潜れるの? 寒くない?

『冬も潜れるの?』
 潜れます!!

 スキューバと言ったら夏のイメージがありますよね。わかります。
 でも、冬も潜れます。
 夏はウェットスーツを着ますが、冬はドライスーツというものを着ます。(ちなみに、ウェットスーツとドライスーツの間にセミドライスーツがあったり、ウェットスーツ、ドライスーツでも色々種類がありますが、これはまた別のトピックで語ります)

 簡単に言うと、ウェットスーツは水を通す服、ドライスーツは水を通さない服です。
 冬は完全防水で保温性の高いスーツを着て潜ります。
 まあ、稀に年中ウェットで潜る猛者もいますが……。



 ——そして、このドライスーツの話をした後に聞かれること。

『寒くない?』
 寒いに決まってるだろ! 真冬に海の中に飛び込んでいるんだぞ!

 寒いですとも。ええ。
 完全防水で保温性が高いスーツを着ていると言っても、水の中ですからね。スーツ越しに水の冷たさが伝わってじんわり冷えてきます。最終的にはガタガタ震えながら潜る……なんてこともしばしば。
 ですが、この「寒い」という問題は、防寒具(グローブや帽子など)を装着したり、中に服をいろいろ着込むことで解決できます。(着込む服はなんでもいいわけではありませんが、こちらもまた別のトピックにて)
 服を着込んだり、カイロを張ったり。最近は「ヒートベスト」という、電気で発熱するベストもあります。
 それらを活用すれば、ぬくぬくしながらダイビングをすることも可能です。

 なので、寒くない? と聞かれたら、もちろん 寒い!
 死ぬほど寒いと思う時もありますし、油断をすれば低体温症ハイポサーミアになることもあります。
 寒いです。間違いなく寒いですが、寒中水泳をするような寒さではない。耐えられないほどの寒さではありません。

 余談ですが、海の中の水温は、どんなに下がっても十三度くらいです。
 ※北海道などの北の海は別
 なので、真冬だと海の中の方がむしろ暖かかったりします。





【結論】
 冬も潜れるけど、普通に寒い。

③興味あるけど、泳げないんだよね

『興味あるけど、泳げないんだよね』
 だからなんだ! ダイビングには関係ないぞ!?

 ほんっっとうにこれもよく言われる。
 そして説明してもなかなかわかってくれないのがこれ……。
 途中で諦めて「まあ無理してやることでもないから」と話を終わらせますが、本当に泳力とダイビングは関係ないんだよ〜〜〜

 水が怖い! とか、身体的にリスクがある! という意味での「泳げない」は話が別です。
 ですが、一般的に言われる「泳げないんだよね」は、水泳が得意ではない、という意味での「泳げない」であることが多いです。

 泳力とダイビングは関係ない。
 なぜか
 ・ダイビングは息継ぎをしないから
 ・ダイビングはフィン(足ひれ)をつけて泳ぐものだから
 大きくはこの2点ですかね。

 泳力がある人はダイビングが上手な人が比較的多いです。初めは。
 ですがその理由は、泳力というよりは「水が怖くないから」「水中での体の動かし方を知っているから」「足の筋力があるから」だと思います。
 水泳インターハイレベルの猛者はドルフィンキックで泳ぐと早くなるという変態もいますが、一部の変態だけです。
 水泳のクセがない分、泳げない人の方がむしろダイビングの泳ぎは上達が早い、と言っているイントラさんもいました。
 泳力による差も、始めたばかりの頃だけ。
 筋力や持久力の差はありますが、泳力の差は微々たるものになります。消えると言ってもいいでしょう。

 実際、私も主人も水泳は得意ではありません。
 私なんかクロールで25メートル泳げないので、ラスト5メートルはケノビ的な何かで乗り切ってたし……。それも中学生の頃の話なので、今はもっと泳げないです。確実に。

 例えばですが、
 ウェットスーツを着ている時の泳ぎ方と、ドライスーツを来ている時の泳ぎ方は違います。
 履いているフィンでも、足の使い方が違います。太ももから大きく動かした方が効率が良いフィンもあれば、足首だけを動かした方が効率がいいフィンもあります。
 フィンにも色々種類があるのですが(これもまた別のトピックにて)、「泳ぎがうまい人がショボいフィンをつけて泳いだ」場合と、「泳ぎが下手な人がハイスペックなフィンをつけて泳いだ」場合でしたら、移動速度が早いのは後者で、そして疲れにくいのも後者です。
 泳力と筋力は、金で解決できます。

 第一、ダイビングの泳ぎ方は「早ければいい」わけではありません。
「疲れにくく」泳ぐ必要がありますし、「砂を巻き上げないように」泳ぐ必要もあります。一人で潜るわけではありませんので、「ゆっくり泳ぐ」時もあれば、他のメンバーを見守るために「後ろ向きに泳ぐ」時もあるし、「バディに合わせて、適切な距離・速さで泳ぐ」時もあります。
 ダイビングで泳ぐ=移動すること は簡単です!!
 ——が、突き詰めれば色々あり、難しいと感じるものもあります。
 ですが、やはりそれは水泳的な意味での泳ぎのうまい・下手とは関係がありません。

 ダイビングに必要なのは泳力ではなく、「浮力調整のスキル」「潮流やうねりを読むスキル」「自分と状況に合ったフィンを選ぶスキル」などなど。他の要因の方が明らかに大きいです。(この辺りもまた別トピックにて)

 どうでしょう。
 これでも「泳げない(水が怖いわけではなく、身体的リスクもない)」は「ダイビングができない」理由になるのでしょうか。
 もしそうなる場合は、理由を教えてください!!
 純粋に気になります!!





【結論】
 泳げなくても、ダイビングはできる。

以上、3選でした。

海ブログやってます!
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