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2021.7~12の読書れぽ


半年ぶりのnoteで記事の書き方を忘れているんですが…。2021年下半期も月に5冊を読むペースは変わらなかったので、これはオススメかも! というのをピックアップしてみようと思います。

実は下半期は個人的な事情から、『和書(日本の小説)』をほとんど手に取らなかったんですよね……。いや、ぶっちゃけて言うと、Hadesにハマっているせいで、『訳書(外国の小説)』の虜になってました。
接続詞のタイミングとか皮肉の言い合いとか「ヒュ~!」ってかんじなんですよ。なんか色っぽいシーンもちょっと日本の文学とは違ってて良かったというか……。
そういうのも含めてちょっとピックアップしたいと思います。

ちなみに2021年上半期の読書れぽはこちらから!


1.フォントのふしぎ

新しいジャンルにハマると、欲しいフォントががらっと変わるというか、私に関しては2021年、クラシカルな欧文フォントに惹かれる傾向がめちゃくちゃあったんです。めちゃくちゃあったんですよ……笑
というかね? Hades(北米版)の作中で使われている、なんか活版風のフォントが欲しくて……! 似たようなのでいいからあのフォントが欲しい~~。あのフォントって何なんだろう、というか欧文フォントのざっくりした系統とかってどうなってるんだろう…。そんな興味を抱いたことから、図書館の検索でこの本を見つけて借りました。めちゃくちゃいい本だったので購入したんですけど。

何が面白かったって、フォントの歴史がね、まさか2000年前の古代ローマの碑文にまでさかのぼるとは…! しかもそのフォント(『Trajan(トレイジャン)』)、めちゃくちゃ現役っていうのがさ……。凄すぎて大興奮してた。多くの人に見られるために、低い場所から見上げても読みやすいように、2000年前からこんなに工夫が施されてたんだ…。

ボールドやライト、文字間のプロポーションとかについても、初心者が「へぇ~!」って思えるように簡潔に書いてくれていて、もうめちゃくちゃ文字書きにも絵描きにもおすすめしたい本。歴史的にこういうことがあったから、こういうフォントがブームになったよ! みたいな、印刷技術の歴史とかもざっくり知れていい本でした。良かったら是非。欲しいフォントにもきっと出会えるので間違いないです。


2.赤いモレスキンの女

 男はバッグの落とし主に恋をした。手がかりは赤い手帳とモディアノのサイン本。

ね~~~~~~。もうあらすじだけで「気になる」ってなるやつなんですけど、こちらはフランスの本。作者のアントワーヌ・ローランは、大学で映画を学んで、短編映画を撮りながら骨董品店で働いていたという面白い経歴の人。装丁も、もちろん文章もめっちゃお洒落で、手放しにオススメできる本でした。一作目の『ミッテランの帽子』も今年読みたいと思ってる。映画を見るような作品でした。

個人的にすごく「イイー!」って思ったのが、愛を交わすシーンなんですよ。なんか日本の小説ってちょっとベッドシーンが後ろ暗かったり、しめっぽかったりしません? 気のせいかな?
私がこの半年間で何冊か読んだ訳書の中では、ベッドシーンがね、すごく愛のある風景として描かれているというか、尊いものとして描かれていて感動しちゃって…。推せるわ~~~ってなるの。訳書っていいな…!ってのめり込むきっかけになった本です。

 3.年収90万円でハッピーライフ


これは、この流れでこういう俗っぽいのをピックアップすべきではなかったかもしれないけれど、書いてあることがすごくマトモで、ツイッター民にはお勧めできる本かなあと思ったのでね、挙げますよ。
というかね?
最初から最後まできっちり読んだ上で、私自身はこんな生活はできんし望まーーーん!
ご存じの通り「ザ:オタク」なので、自分が働いて稼いだ金を趣味や推しにつぎ込みたい。破滅しない程度に。
それなのになんでこの本がオススメなのかというと、幸せって、誰かに決められることじゃねえっすよね? って立ち位置で書かれているから。
とやかく言ってくる外野に対して「うるせ~~~~~~~??!?しらねえファイナルファンタジー」で通してる本だから。笑

中でも私が「わっかるわ~」と思ったのは(かなり要約ですが)

外野にとやかく言われようが、自分が好きなことを優先するために、今置かれた状況でどうしたらいいか「自分で考えて自分で決定する」。
・こうしなきゃだめとか、その年齢ならこうなっているべきとか、ゴチャゴチャ言ってくる外野うざすぎでしょ。
・「ルールだからダメ」とか「それが常識」とか言ってくる人に遭遇したら、その人が抑圧的な人間でないか注意深く観察して距離とったほうがいいよ
・何もしていないことに世間の人はきびしい。でもその価値観に合わせていると、「自分が自分をバッシングすること」がいつしか普通になってしまう。
・自分の人生が正しいとか、間違ってるとか、なんで証明したり認めてもらわなくてはならないの?
・自分が正しくなるために、必死に自分とは違う人間(≒間違っているだろう人間)を探して、あるいは無理に作り上げることまでして、否定しなきゃいけない人間が結構いるんだよね~~~。こわやこわや。

みたいな…。
『自分らしくいきるすべ』とか言うとすごい俗っぽくなっちゃうけど、自己啓発本やハウツー本であふれかえった世の中で、「こちとらこれでハッピーですが」という立場で生き方を書いてくれている人はめずらしいと思ったんですわ。


4.アキレウスの歌

これはオススメする層が、主にHades民になっちゃうんだけど……。いやでもHades知らなくてもギリシャ神話の英雄アキレウスのこと気になったことあるひとは手に取ってみたらいいかもしれ……、ない……?
書籍版がプレミアになっちゃってるので、図書館か電子書籍(キンドルとかDMM電子書籍)とかで買ってください。電子書籍だと結構セールになってたりするし!

これはジャンルとしては歴史小説といっていいのかな。う~ん…。パトロクロス視点で語られるアキレウスの物語。トロイア戦争について何にも知らなくても、二人の関係が大ッ変萌えるので問題なしでした。
というか「待っ」「おい」「嘘」「おま~~~~ぃ!!」みたいな。感情がとても忙しかった。これを読んでアキパトになったとか、パトアキになったとか、私と語らってくれてもいいんですよ…?(ニチャ…)
とくにHadesの民は100%楽しめてしまう小説だと思うので行っちゃってください。こんな失礼な布教ですまないが……。

てかアキレウスの『かかと』の描写が大変丁寧かつ何度かあって、(これ…作家の…、癖……?)(いやパットの癖?ですか?)ってドキドキしましたね。かかと萌えを植え付けられてしまって! 伊坂は…!


はい。なんか久々のnoteでめちゃくちゃまとまりがないですが、「ちょっと気になるかも!」が一個でもあったら嬉しいです。
この記事を読んでくれた上で「これはどうです?!」というのがあればお待ちしています!!!

それでは~~~~~!

「暮らす」の話をすこしずつ