「唯脳論の詩」
太陽の震えは世界に伝わり
世界も次いで震え出す
やがて震えは眼に伝わりて
“色が生まれる”
そして色はわたしだろう
真夜中の森にオオカミがほえる
オオカミのノドの震えは空気を震わせ
やがて震えは森の住人の耳につたわりて
“音が生まれる”
そして音はわたしだろう
眼もなく耳もなく 僕の全てが 無ければ
あらゆる事物は 音もなくぶつかり沈黙し
色もなく光の中に消滅する
色彩も音色も僕の中で満ちている
このうすかわ一枚皮膚の内側に?