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新しいペパーミント OS『Peppermint Loaded』について


今回の記事について

今回は、Peppermint OSに新たに加わった『Peppermint Loaded』について紹介させていただきます。

情報ソースは、公式ブログ『A New Peppermint OS Release with More Choices(より多くの選択肢が増えた新しいペパーミントOS)』からになります。

そもそもPeppermint OSって?

では、そもそもPeppermint OSって、どのようなOSなのでしょうか?
以前、『Peppermint OS Classic』という復刻版を紹介した記事を書いたのですが、その時の説明を再掲します。

PeppermintOS は、2010 年に最初にリリースされた Lubuntu に基づく軽量で使いやすい Linux ディストリビューションです。最新バージョンは、2022年2月にリリースされました。
直前のバージョンはPeppermint OS 10と表記されていましたので、Peppermint OS 11と言ってよいでしょう。最新のPeppermint OSで使用されるデスクトップ環境は、Xfceのカスタマイズされたバージョンであり、ユーザーに使い慣れたユーザーフレンドリーなインターフェイスを提供します。他のLinuxディストリビューションと比較して、Peppermint OSは、その軽量設計、高速パフォーマンス、およびクラウドアプリケーションとWebアプリケーションのシームレスな統合で際立っています。Peppermint OS には、“Ice”と“Kumo”という2つの革新的なツールがあります。Peppermint OS 10ではデフォルトで“ice”、最新のバージョンだと“kumo”が採用されています。“Ice”や“kumo”を使用すると、ユーザーはお気に入りのWebアプリ用のサイト固有のブラウザアプリケーションを作成できます。

Peppermint Classic !? 一回限りの復刻版がリリースされてました』より再掲

色々と説明しましたが、なんとなく軽量なクラウドサービスの利用に注力したLinuxであることが分かれば良いです。

では、Peppermint Loaded って?

では、『Peppermint Loaded』とは何でしょう?
通常の『Peppermint OS』とは、どこが違うのでしょうか?

プリインストールアプリ

プリインストールアプリが異なります。
まずは、通常の『Peppermint OS』ですが、「インターネット」のカテゴリーを見ると、“LibreWolf”というFirefox派生のブラウザが入っています。尚、“kumo”というのは、先に述べたWebアプリ用のサイト固有のブラウザアプリケーションを作成するアプリになります。
また、カテゴリーを見るとオフィスソフトもないことが分かります。

『Peppermint OS』の「インターネット」のカテゴリー

一方、『Peppermint Loaded』ですが、「インターネット」のカテゴリーを見ると、Linuxではおなじみのブラウザ“Firefox”が入っています。また、同じく定番であるメールクライアントの“Thunderbird”やBitTorrentクライアントの“Transmission”がプリインストールされています。

『Peppermint Loaded』の「インターネット」のカテゴリー
『Peppermint Loaded』の「オフィス」のカテゴリー

ちなみに“Loaded”の意味は、“荷物を積んだ、物を詰めた”、“弾薬[弾丸]を込めた”、“金持ちの、裕福な”等になります。

『Peppermint Loaded』も、あらかじめ良く使うアプリを搭載したという意味を持つように思えます。

注目すべき点

公式ブログには、“注目すべき点”がいくつかピックアップされていますので、そちらも確認しておきます。なお、『Peppermint Loaded』のみ対応しているものと、通常の『Peppermint OS』と『Peppermint Loaded』 両方対応しているものがあります。

Btop++
端末上で“btop”と入力することで、“Btop++”というプロセスモニターが起動します。この“Btop++”は、“Htop”に代わるもので、より情報量が多く、視覚的なインターフェイスを提供します。

おしゃれなインタフェース

比較として、“Htop”の画面はこんな感じです。“Btop++”と比較すると少し見づらい感じですね。

“Htop”のインタフェース

なお、Escキーをクリックすると、終了画面が開きます。

終了画面

xDaily
端末上で“xdayly-gui”と入力することで、日常的によく使うシステムアップデート等のコマンドをGUI操作で行うことが出来ます。と言っても、起動には端末上でコマンドを入力する必要があるので、デスクトップに起動アイコンでも作ってほしかったですが。

「Manage Updates」タブ、「System Maintenance」タブのそれぞれで、実行可能なコマンドが分かれています。

「Manage Updates」タブで実行可能なコマンド
「System Maintenance」タブで実行可能なコマンド

また、初期表示のタブである「xDaily Introduction」で「Run all tasks」をクリックすれば、ワンクリックですべてのコマンドを実行してくれます。

「xDaily Introduction」タブ(初期表示)
別ウィンドウで端末が開き、すべてのコマンドを実行してくれます

pfetch
neofetchコマンドの代わりとなるコマンドで、システム情報をシンプルな形式で表示してくれます。
実際に入力してみますと、neofetchコマンドのテキスト情報のみを、表示してくれる感じです。

pfetchコマンド

比較として、neofetchコマンドだと、このような表示になります。neofetchコマンドでは、アスキーアートでのロゴがあることと、所々でカラーが使われていることが違いですね。あと、ストレージ情報がないですね。

neofetchコマンド

ストレージ情報以外はほぼ同じ表示なので、お好み次第ですね。
先に紹介した“Btop++”くらい違いがあれば、面白かったのですが。

Flatpakサポート
こちらは、『Peppermint Loaded』のみの対応となっており、通常の『Peppermint OS』ではサポートされていません。
『Peppermint Loaded』には、Flatpakがプリインストールされており、さまざまなFlatpakパッケージを利用出来ます。

ちなみにFlatpakパッケージのことが良くわららない方のために簡単に説明します。

<Flatpakの特徴>

  1. クロスディストリビューション: Flatpakは、異なるLinuxディストリビューション(例: Ubuntu、Fedora、Debianなど)で動作するアプリケーションを提供します。これにより、依存関係やライブラリのバージョンの問題を回避できます。

  2. アプリケーションの隔離と安全性: Flatpakはアプリケーションをコンテナ化し、それらをホストシステムから隔離します。これにより、システム全体への影響を最小限に抑えつつ、アプリケーションの安全性を向上させます。

  3. バージョン管理とロールバック: Flatpakはアプリケーションの異なるバージョンを同時に管理でき、必要に応じて特定のバージョンに簡単にロールバックできます。

  4. 開発者フレンドリー: 開発者はFlatpakを使ってアプリケーションをパッケージ化し、ユーザーに簡単に提供することができます。さまざまなLinuxディストリビューションに対するサポートも容易です。

ということで『Peppermint Loaded』では、このようなFlatpakパッケージが利用できるので、通常の『Peppermint OS』よりも多くのアプリを利用可能です。

おわりに

Peppermint OSは、とてもスリムなOSであり、特に最新バージョンでは、以前のバージョンと比較して、プリインストールされているアプリが少なくなりました。
そのスリムさが特徴の1つではありますが、万人受けはしないでしょう。
今回の『Peppermint Loaded』という新たなラインアップが加わる事により、より多くの人にとって受け入れやすいものになったと思います。


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