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オッドマン11


人から「おすすめの漫画家は?」と聞かれたら、そのリストには挙がらないのだけれど、「好きな漫画家は?」と聞かれたら、真っ先に挙げるのは道満晴明だろうな、という話。

パロディ耐性のはなし

多分、商業で出ている作品(同人作品以外)は全部読んでいるとは思うが、どれもとても好きな作品だし、人に勧めたい気持ちもあるのだけれど、如何せん、どの作品もパロディやメタフィクションが大量に織り交ぜられているので、そういったものを面白がれるかどうかって、かなり人を選びそうだと思っている。

オッドマン(1)

まあ、例えば、上記のようなネタが楽しめるかどうかとかそういう。
パロディの全部の元ネタを知っている必要はなかったとしても、人によっては8~9割方言っていることがわからないみたいなこともあるので、やっぱりおすすめしづらい。
話がわからない以前に、”何を言っているのかがわからない”というのは読み手にとってかなりのストレスだしね、と。
同様にに人に勧めづらいけど大好きな作品は結構あって、例えば『モテモテ王国』なんかは道満晴明と同じ理由で勧め難い。
ただ、こういう作品を自分と同じように好きな人は、遠からず自分のいた趣味の範囲や所属していたコミュニティに近い人だと類推できる気もしてて、たまに気が向いたときに、外に向かって好きだー、という発信をして同好の士がどのくらいいるかを確かめようとしたりしている(いまここでしてるように)

エロやグロというよりナンセンス

道満晴明の漫画について具体的にどんなところが好きか。説明が難しいのだけれど、オッドマン11だけでなく、全ての道満作品が、大量の下ネタとそれに不釣り合いともいえる叙情性みたいなもので構成されていて、通底しているのはその「馬鹿馬鹿しさ」ということなのかな、と個人的には感じている。

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例えば、上記のシーンは、「卓球で対決をしていた主人公を全裸のオッドマン(No.7ゴディバ)が全裸であるがゆえの苦悩を叫びながらマウンティングポジションで殴っている(???)」という謎の場面なのだけど、
こういう、つっこみどころが追いつかないような展開に、キャラクターの切実なエモーションを乗せていく感じがたまらなく好きで、それはやっぱり馬鹿馬鹿しさと滑稽さが同居するナンセンスさが自分の琴線に触れるところなんだろうな、と。

オッドマン11において、各キャラクターにはそれぞれ切実な感情が設定されているのだけれど、それが強烈に馬鹿馬鹿しい展開(主に下ネタ)のなかでじわりと伝わってくる感じは、この作家ならではという気がする。

2巻が最終巻でした

で、オッドマン11。どうも2巻で終了っぽくて残念。キャラクターがかなり好きな感じだったので、もう少し読みたかったなあ。まあ、とはいえ結構すっぱり終わらせる作家だとは知っていたのですが。

お気に入りのオッドマンは、No.4かなあ、と。道満先生の書くサイクロプス女子が全般的に可愛いので好き。

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以上。

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