最愛
ねぇ、エマ。
愛していたよ。
確かに私はあなたを愛していた。
美しいくらいに病んでいたあなたを、私は一時たりとも忘れたりはしない。
好きなんて言葉では形容できない。
確かに私はあなたを愛していた。
そうよ、愛していたの。
可哀想な子だった。
誰も悪くはなかった。
彼女を殺したのは紛れもない、、、。
彼女は生きようとしたから死んだのよ。
誰の所為でもないの。
あなたの歌が好きだった。
あなたの声が好きだった。
繊細でとても優しい子。
賢すぎるが故に世の中の醜さから逃れられなかったのね。
己の醜さに気づいてしまったのね。
人間とはそうゆうものなのよ。
それでよかったのよ。
ねぇ、エマ。
あなたは愛を知らなかったわね。
愛を知らずに死んでしまったわね。
愛されていたことに気づくことができなかったのね。
いつも酷く怯えていたわね。
脆くて弱いあなたはいつも震えていた。
だけど、それを隠す強かさも持っていたわ。
弱くなりきることはできなかったのね。
不憫な子。
安心して守られることができない子だった。
自分を守ろうとして、上手く守れなくて他人を傷つけることがあったわね
過ちに気づき、自分を傷つけることで恐怖心を和げるようになっていたわね。
あなたがもし死なずに済むことができていたとしたら、あなたは幸せになれたのかしら。
ねぇ、エマ。
どうして私を置いていってしまったの?
ねぇ、エマ。
あなたは私を愛してくれていましたか?
ねぇ、エマ。
愛しているよ。
いつまでも私はあなたを想っているよ。
例えあなたに届かなかったとしても。
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