新卒1年目を振り返る
こんにちは、STORES 株式会社 でプロダクトマネージャーをしている伊東と申します。
僕は昨年プロダクトマネージャーとして新卒入社し、以降はSTORES 予約のプロダクトマネジメントを担当しています。新卒としての学びはもちろん、プロダクトマネージャーとして働いた経験も無かったため、思い返す限り全ての業務が新鮮であり、また学びや反省の多いものでした。
苦労も多かった一年だったのですが、新卒としては身の丈以上に挑戦の機会を与えていただいたと実感しているので、STORES のプロダクトマネージャーとして一年間を振り返ろうと思います。
新卒一年目の振り返りについては別でインタビューもしていただいたので、合わせてぜひご覧ください!
プロダクトマネジメントのいろはを学ぶ
プロダクトマネージャーとして完全に初心者からのスタートだったので、プロダクトマネージャーとしての考え方も、機能開発そのものも何もかもを学び吸収することから始まりました。
入社から数ヶ月の間は、新卒プロダクトマネージャーとしても大先輩である曽根さんに毎日1on1の時間をいただき、何から何まで質問をぶつけまくっていました。今振り返っても笑ってしまうくらい当時は何も出来なかったので、本当にあの1on1の時間が無ければ…(汗)と思うので本当に感謝しかないです。
この1年間の間で様々な機能開発に携わってきましたが、中でも特に印象的なのは、今年の3月にリリースした予約フローのリニューアルです。
予約システムを活用する事業者さまにとって、予約システムとしての機能の充実さと同等に、実際に利用するエンドユーザー(予約者)さまがスムーズに予約ができるか、というのは事業者さまが予約システムを選定する上で重要なポイントです。そこで、エンドユーザーの更なる予約体験の向上をテーマとして、予約フローのリニューアルプロジェクトが始動しました。
(正確には、自分が入社する前からプロジェクトは始動しており、僕の師匠である宮里さんから引き継ぐ形で、入社3ヶ月後から携わり始めました)
詳細に話すとキリが無いのですが、このプロジェクトで何より良かったことは、仕様、デザイン、リリース方法などなど、大小問わずもの凄い数の意思決定に携われたことだと思います。今となっては当たり前ですが、些細な仕様であっても、実際のユースケースや予約者のUX、技術的観点など、複数の観点からチームで議論して意思決定をしていく必要があります。特にこの予約フローのリニューアルは、他の機能開発と比べても段違いに決めるべき事項が多い開発でした。
最初の方は「プロダクトマネージャーとして自分でしっかり意思決定しなければ!」という意識が先行し、空回りしてしまうことも多くありました。お恥ずかしい話なのですが、例えば、会議での決定事項を改めて自分の中で揉みなおして「やっぱりこっちの方が良いのではないか?」と提案して議論を覆したりとか。それは自分自身が会議の中でしっかりと意思表示をできていなかったりとか、会議の中で瞬発的に議論するだけの思考体力が不足していたりとか、様々な要因があるのですが、結果としてチームメンバーを困らせてしまうことが多々あったと思います。それでも、予約フローのリニューアルプロジェクトに携わっていただいたデザイナーのkonakajiさん、エンジニアのtontokoさんを始め、たくさんのFBをいただき、短いスパンで学習と改善を繰り返していきました。
そんな中、入社後にCoubicの創業者である倉岡さんからいただいた「プロダクトマネージャーは権限はないけど責任はある。責任を負っているマインドを持とう」という言葉を思い出しまして。うまく繋がっているかわからないのですが、必ずしも自分の意思で突き進む必要はなく、チームで議論しながら、チームとしての意思決定の質を高めることを意識するようになってから気持ち的にもすごく楽になったのを覚えています。
PJのキックオフからリリースまで約1年3ヶ月の大規模な機能開発でしたが、社内外からポジティブなお声をいただけており、個人的にも「やりきった!」と言えるリリースでした。
顧客を知り、メンバーを知る
入社当初は機能と顧客理解向上のために、プロダクトマネージャーの業務と兼任でカスタマーサクセス業務にも取り組んでいた時期があります。
STORES 予約というシステムは、多業種の事業者さまに、様々なユースケースでご利用いただいています。そのため、本当に多種多様な要望をいただきますし、同じ機能でも活用方法が異なることが多々あります。故に、事業者さまが実現したいことを正しく理解し、提案し、実現するというのはとても難しいんですよね。その上、予約システムの設定が完了するだけでは不十分なわけで、予約が入り、事業者さまの事業が成長するところまでを見据えてご支援する必要があります。そこが難しさでもありやりがいでもあるわけですが、自分も導入支援をご担当させていただき、事業者さまと何度も打ち合わせを重ねながら、実際に予約が入っているのを目の当たりにするとすごく嬉しい気持ちになりましたね。
当時はわからないことだらけで、社内の先輩方に「こういう運用方法を実現したいんですけど、どういう設定なら実現できますか!?」と何度も聞いていました。(ちなみに、機能理解が進んだ今でも提案できるか自信は持てないくらい、プロフェッショナルな仕事だと尊敬しています)
この経験が今のプロダクトマネージャー業務にもとても活きています。
PRD(要件定義書)を書くときには、実際に対応したオーナーさまを意識しながら「あのオーナーさまにとってこの機能は必要だろうか?どのように活用してもらえるだろうか?」といったように、N1のユースケースを強く意識できるようになりました。
もちろん、当初の目的であった機能や顧客理解の向上は一定果たせたのですが、それ以上に事業者さまの解像度を上げることと同じくらい、社内メンバーの業務解像度を上げることはとても重要だと認識するきっかけになり、この1年は特にそれを意識して過ごしてきました。
例えば、カスタマーサクセスの視点に立った時に、一見些細な仕様変更であっても、それがある事業者さまにとっては大きな仕様変更であるケースが多々あるんですよね。他にも、数で見ればたったN1の要望であっても、そこには実際の事業者さまがいて、それに応対しているメンバーがいて。自身も経験しましたが、事業者さまと面と向かって対話している中で「出来ない」とお伝えするの本当にしんどいことです。
はたまたセールスの視点に立った時には、限られた時間の中での売りやすさだったり提案のしやすさというのが重要です。開発観点ではちょっとした仕様変更が、それによって提案の機会を失ってしまったりすることがあります。
当たり前のことしか言っていないのですが、プロダクトに関する意思決定の責務がある以上、社内メンバーの業務解像度を上げ、相手の視点に立った時に自分が行う意思決定は正しいのか?と意識的に自問自答するきっかけになりました。
最近の挑戦
今年からSTORES として一定規模の売上や複数店舗で展開されている中堅・成長事業者(以下、ミドル事業者)様への提供価値拡大をテーマとしており、自分は主にSTORES 予約の市場拡大に向けたプロダクトマネジメントを担当しています。
そのテーマにおいては、予約システムとしての価値提供だけにとどまらず、ミドル事業者さまが抱える経営課題そのものを捉え、複数のプロダクトあるいは新たな製品を組み合わせることで、フロントオフィス業務そのものを統合的に支援していくための価値づくりが必要です。
そのため、プロダクト戦略の立案においては、ミドル事業者さまの経営における課題や重要指標、本部 / 現場それぞれの業務オペレーションを深く理解する必要があります。
僕自身、今年に入ってからは、恐らく社内のプロダクトマネージャーの誰よりも既存事業者様への訪問や新規の商談に同席しています。同席することで経営課題そのものを把握するヒントを得れたり、セールスと同じ目線で事業者さまについて議論ができたりと、ひしひしと一次情報を捉えにいくことの重要性を痛感しています。
各商談から見えてきた事業者様の課題をN1で捉え、構造化し、プロダクト戦略に落とし込む。最近ではそういった取り組みを強化していくべく、社内プロジェクトとしても始動し、日々ミドル事業者さまの解像度をチーム全体で上げていっています。
最近では、ミドル事業者さまをターゲットにした機能として、LINEメッセージとスマートリストという機能提供を開始しました。特にミドル事業者さまになると、顧客数も増えていく中で、顧客とのエンゲージメントが課題として大きくなってくることがわかったのです。予約・来店データを基にコミュニケーションを取るべき顧客を簡単にリストアップし、LINEでメッセージを送れるようにすることで、入会率や継続率といった売上につながる指標の向上に繋がります。
正直、まだまだ自分には難しいことも多く、日々力不足を痛感しまくっています。それでも、プロダクトマネージャーとしての責務を広げ、ディスカバリーフェーズから携われているのは、とても刺激的でありSTORES のプロダクトマネージャーの魅力だと思います。
これからの挑戦とSTORESの楽しさ
僕個人としては、まだまだ新米プロダクトマネージャーであり、大先輩である西岡さんをはじめとして、社内メンバーから日々学ぶことがたくさんあります。スポンジのように様々なことを吸収し、まずはミドル事業者さまへの提供価値拡大、PMFに向けて引き続き頑張っていくぞ!という気持ちです。
また、STORES でプロダクトマネージャーをする何よりの面白さは、利用していただいているユーザーが身の回りにいることだと思います。
僕はサウナが好きなのですが、一度STORES 予約のプロダクトマネージャーメンバーで実際にご利用いただいている事業者さまのサウナを(完全にユーザーとして)予約したことがあります。いちユーザーとして、日々の生活の中で実際に事業者さまのもとに足を運べるというのはやりがいの1つですね。
そして、STORES としては今後新規プロダクトの提供を加速させていく予定です。つまり、今後増えていくプロダクト数に対して圧倒的にプロダクトマネージャーの数が不足している状態なのです。
是非、少しでもSTORES のプロダクトマネジメントに興味がある方、カジュアル面談からでもお話しさせてください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?