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「日本人のための大麻の教科書」要約②

【第2章 歴史】

  • 日本では1万年以上前(縄文時代)から農作物として大麻を利用してきた。

  • 用途は繊維を活用した縄・布・紙や、種子の食用、油の利用など幅広い。一方で嗜好用、向精神薬として使用された記録はない。

  • 明治時代に政府が北海道での栽培を奨励し、現在北海道に自生する大麻はその名残りである。開国後、輸入品(ジュート麻など)に押され需要が減少した。

  • 第2次世界大戦敗戦後、1948年に大麻取締法が制定、農作物としては需要が激減。1960年代にはヒッピー文化の影響で「大麻は違法な薬物」との認識が定着した。

【第3章 農】

  • (出版時)現在、日本で大麻を栽培する農家は30数軒、うち最も栽培面積が広い栃木県でも10数軒だけとなっている。栃木県では向精神作用のほとんどない繊維用(産業用)品種「とちぎしろ」を栽培している。

  • 需要の減少、機械化が進んでいないこと、栽培免許取得が困難で新規就農が難しいことから大麻農業は存続の危機にある。また、栽培者の高齢化も著しい。

  • 一方アメリカでは、2018年に商業栽培が合法化され、THC濃度0.3%未満の産業用大麻(ヘンプ)の栽培面積が増加の一途をたどっている。

【第4章 衣】

  • 日本では弥生時代から大麻を織物として利用していた。江戸時代中期に木綿が普及するまで、庶民の衣服といえば大麻で、各地に史料が残る。

  • 大麻は繊維から糸を作る「紡績」工程の機械化が難しく、手作業となるため、明治以降は衰退し、昭和50年代には大麻布を作る習慣がほぼ消滅した。

  • 国産大麻布は柔らかく丈夫、繊維が中空構造のため夏涼しく冬暖かいという特徴があり、機械化が実現すれば機能性素材としての活用が期待される。

要約③へ続きます


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